■第X回 「ミーネンロイマー(VsKfz.617)」(MENG)
このシリーズも4作目か…そんな感じで今回は先のメルカバと同じ、
MENGモデルのデビュー作となったミーネンロイマーです。
(アナウンス上はメルカバの方が先でしたが,
諸般の事情によりこちらが先にリリースされた)
この車両、車輪部に装備された鉄下駄(シュー=靴)を使い、
地雷を踏み潰して処理しようとした試作車両で、
現在はロシアのクビンカ博物館に実物が保管されています。
但しその来歴はハッキリしていなくて、1943年のクルスク戦後だとか、
45年に試験場か工場で放置されていた車両を接収したのか、
記録が現時点では確認されていない謎の車両でもあったり。
ソ連軍のレポートによると、この車両の地雷処理能力は大した事なくて、
恐らくドイツ側も似たような評価を下して、量産はされなかったんだろうなと。
後、型式の「Vs」は自分もあんまり聞かない略号ですが、
大戦ものドイツ車両の試作型式には「Vk」が使われているので、
「試作重装甲車両617号」くらいの意味合いで良い?かも。
さて、画像は箱の中身をぶちまけたところからですが、
ランナーはわずか3枚、車体の上下パーツに後はパックに詰められた
鉄下駄のコマ、…で終わりです。
その下、車体パーツですが取説では車体側のヒンジを先に付ける指定に
なってますが、ハッチパーツを先に取付けてから、
…の方がピタリと収めやすいと思うのですが…。
排気グリル部のカバーもそうですが、
あまりパーツの合いが良いとはいえないので…。
更にその下で車体パーツの仮合わせをしてますが、
下駄部分がないと、まるっきり「オート3輪」ですね、これ。
(向きとしては逆ですが)
車体側のパーツがほぼ終わった所。
フック類は台座とフック本体が別パーツで成型されていますが、
台座を先に車体に取付けて、フックを後で貼り付けていく方が、
パーツを飛ばした後のフォローもしやすいので、
取説指示のママやるのは勧められないと思うのですが…(苦笑。
その下、前方部のアップを出してますが、
試験用の冶具と思われるメータ、
両脇にはライト基部が残っています。
ノテック型かボッシュ型か、或いは普通のレンズが付くのか、
甚だ不明ですけれど。
ドイツ車両にしてはディティールが少ないのですが、
これはやはり実車が試作のみで終って量産型に付き物の
OVM(工具)類が皆無であるから、だろうなと。
有効性が確認されていたら実戦車両が出来ているはずですし、
画像ももっと多数残っているはずなので。
ふむ、繊細な部分も有るとはいえ、絶対数が少ないと楽ですね…。
途中にも書きましたが、パーツの合いが悪い部分も有るものの、入門用として見れば勧められるキット、
とも思えますので、メルカバよりは良いキットかも(ぇ。
次回以降はもちっとメジャーな装甲車両を手がけたい所ですが…複数バリエーションを持つキットも多いので(汗。
大戦ものドイツ車両は勿論、現用系においても装甲車は魅力的なデザインが多いですし…。
さて、次はまたキャタピラものをじっくりと…!?
(2012.11.10)
車体が済んだら後は砲塔部分を組んで完成です。
試作車両らしく、I号戦車の砲塔がそのままです。
まあ地雷原を進むにあたって、機銃だけじゃあねぇ…。
実戦レベルでなら20mmくらいの機銃は欲しい所でしょうし。
そして試作とはいえ、その異形っぷりは独特で、
模型的には非常に面白いデザインなので、
こうしてインジェクションキットが出た時点で即買い
してしまいましたが…。
(難易度が高めの)海外メーカキットの入門用として、
形が気に入ったのであれば、お勧めしてもいいかなと。
(修正箇所はあっても、絶対数が少ない分、
制作意欲はギリギリで維持できると推測)
や、自分はこれ、実質1週間で組んでますし。
車体上下の接着時、前か後ろかでどちらかに隙間ができてしまいますが、
処理がしやすいので前に合わせて後ろでパテ埋めをしています。
乾燥前に適度に刻み目を入れて溶接跡っぽく。
後部の操作用?チェーンとか。
この部分、最初は装備を引っ掛ける為のものかと思っていましたが、
どうもこのチェーンを引っ張って車体向きを変えている様で、
内側からロッド伝達はやっていない…みたいですね(汗。
余談ですがこのパーツ、抜け留め防止に車体内側から、
余ったワイヤーを使って大きめの輪っかを作っておくべきかと。
…自重でするりと落ちてしまう事が多々あったので。
こちらは後部側の完成状態ですね。
これまた取説では車輪部の完成を待って支持架を
取付けて合わせ目を消す…となっていますが、
キャタピラ部は後付けできるので、その方が心置きなく?
ヤスリとかかけられるかと。
コマ部分の組立です。
チェーン部10個とシュー10個をピンで留めていく構造になってますが、
別パーツになっているチェーン部の蓋が、
勘合時に干渉してしまうので、少し削る必要が有ります。
(そのままだとそのうち割れるかも)
で、9個まで片側を留めた後、
ひっくり返して反対側のピンを留め、
(画面上に残りのピンが写ってます)
車体取付け時にラストの1個を留めて完了です。
モノが大きいので、連結キャタピラを組むよりも、
遥かに簡単に組みあがります(をぉ。
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