■「灼眼のシャナ」(著:高橋弥七郎)レビュー
■はじめに
本来、「片隅の部屋」の投稿レビューとしてスタートしたこの駄文群ですが、
管理人がゲームをやっていない事(やってもコンプするまでやり込めない)もあり、
今回は、現在進行中ではありますが、ライトノベル作品のレビューをお送りいたします。
筆者はそこそこの「いとうのいぢ」様フリークなのですが、この作品は手付かずでした。
世に溢れるゲームと同じで、絵が(俺的)合格水準であっても、
中身(シナリオ)がショボいと、しょんぼりしてしまうケースも多かったので。
実際、アニメ化情報をキャッチした後、
「そんなに人気が在るのなら…読んでみようかな…」と思って読み始めたら…。
こうして、レビューまで書くにまで至っていた次第。
では、今回も、眼精疲労とネタバレに十分ご注意の上、お楽しみいただけると幸いです。
補足:当作品が現在進行中であるため、新刊が出るたび、
レビュー内容が追加修正される可能性があります。
このページの一番下に、『更新履歴』を付けましたので、併せてご覧下さいませ。
(後、「紅世の徒=ぐぜのともがら」と読みます、他は本文とか参照願います)
■プロローグ
――この世の隣にありながら、こちらからは存在が感知できない世界。
彼の世界は、力が全てを支配する『紅世』。
そこに生きる者と精神の在り様が似ていたため、紅世の者達は感知した。
この世界は、娯楽と自由に満ち溢れた世界であると。
故に、力ある者は、放埓を求め、この世界に至る。
――それは、存在してはならぬもの。
それゆえ、この世界の存在を喰らい、この世に居続け、有り得ない現象を巻き起こす。
――矛盾。存在してはならぬ者が、厳然とそこにある事実。
矛盾は、いずれ両世界に破綻をもたらすであろう。
――討滅せよ。世界に矛盾をもたらす、『紅世の徒』を。
世界に仇為す、『紅世の王』達を。
――人の世に有れば、必ずや名を成したであろう者たち。
その身を捧げて、討滅者となる。
――その名こそ――
■グラフィックとサウンド
挿絵は、ユニゾンシフト作品でおなじみ、「いとうのいぢ」氏が担当されております。
同氏が原画を手がけられたゲームとは違い、服装のセンスが地味目になっていますが、
キャラクター表現のセンスは抜群ではないかと。
他、日常シーンなどで描かれているアイキャッチ?とか、
ディフォルメされたキャラ絵も、情景にマッチしていると思います。
いやまあ、小説作品ですので、脳内で妄想していただくしか…
後は、アニメ版を鑑賞した後、BGMを脳内再生してもらえると良いのでは。
(ちなみに深夜枠らしいので、筆者はDVDリリース待ちになるかと)
■ストーリー解説っぽいものとか
市内の御崎高校に通う少年、坂井悠二は、平凡な高校一年生だった。
だが、その平凡な日常は、突然に終わりを告げる。
――ありえない色をした炎。
陽炎のように浮かび上がる、奇怪な紋章。
――因果孤立空間、『封絶』――
――時間も空間も、世界から孤立し、停止する世界。
人々は、マネキンのように停止する。
――かわりに動くはずのないマネキンが、人形が、動いていた。
紅世の王が紡ぎだした自在法、下僕たる燐子(りんね)に率いられた、この世ならざるもの達。
――彼らこそ、この世ならざる世界から渡り来た、『紅世の徒』――
――停止した人々の中、何故か、自分だけが動いていた。
それゆえに標的となり、恐怖の中、紛れもない、死の意識――
――その瞬間。
――紅蓮の炎を纏った少女が、煌く炎髪灼眼を靡かせて――
――翻る黒衣は、『夜笠』
――手にした神通無比の大太刀の銘は、『贄殿遮那』――
――その身に宿すは、『天壌の劫火』。
紅世にその名を轟かす、炎の魔神、字はアラストール。
――心に秘めしは、討滅の使命。
人としての名を持たぬその少女の真名は、フレイムヘイズ、『炎髪灼眼の討ち手』――
日常の終焉と、これより続くであろう、非日常の始まり――
***
…という感じで物語は始まるのですが、
偶然にも紅世の秘宝を身に宿した『ミステス』、坂井悠二は、
その秘宝を狙う「紅世の王」フリアグネ一党に命(というより、その中の宝)を狙われ、
そして、その紅世の王を討滅しにきた『炎髪灼眼の討ち手』と共に戦う事になりますが…。
戦う事への覚悟も、認識も無かった平凡な少年と、
戦う事しか知らず、使命のみに生き、それゆえに純粋な少女の――
だからこそ、不器用で意地っ張りな少女との――成長物語ではないかと。
やがて悠二の周囲の人間も事件に巻き込まれていきますが、
彼らの人間模様、とりわけ青春群像のドラマも見所の一つですね。
当然、「痛快活劇アクション」の名に恥じず、
テンポ良いアクションシーンの描写も、人気の秘密かと思います。
具体的な中身については、例によって以下にある妄想プレビューとか、
現在発売中の原作をお読みいただけると幸いです。
■シナリオランキング
まあ、ゲームと違って一本道ですので、例によって好きなシーンとかについて、つらつらと。
先にも書いた通り、現在進行中の物語ですので、コメントは新刊が出る度、更新されるのではと。
●1及び2巻とか
え〜と。まぁ、実態が「登場話」みたいなものなので、コメントは控えます。
下の方に書いた、妄想プレビュー文とか、参照いただければと。
(ちなみに今回のプレビュー文、次回予告風になってます)
●3巻とか
クライマックスの「恋敵宣言」のシーンですが、実はこういうの大好きだったり。
気持ち、或いは思いの純粋さとか、真っ直ぐさとか。
いろんな所で書いてますが、人間、ぎりぎりまで追い詰められると、
本音が出てくるんですよね…この場合は心の奥底にしまっておいた気持ちなんですが。
(意識的、または無意識の恋愛感情が最たる例→雪希さんとか)
今回の「シャナ」は、(フレイムヘイズとしての能力はともかく)、人間としてみると、
成長途上の子供と変わりない心、の持ち主として描かれています。
ゲームでのキャラ例を挙げると、
魔導書という道具として扱われ続けたアル・アジフは、
人と同様に扱われる事で、人の感情を知ることになり、
大事に育てられたがゆえ、外の世界を知らなかったラッテは、
「大人の事情」などお構いなく、純粋に人々の幸せを願うに至りました。
シャナ自身は、漠然と抱いていた気持ちを、「ライバルの恋敵宣言」で、
ようやくハッキリと認識するに至ったわけですが…この辺の描写がツボにきました。
こういう純粋な気持ちって、汚れきったオヤジには眩しいですね…。
で、これを突き詰めていくと、
「飄々とした言動・行動の裏に隠された、本心」とか、
「荒っぽい付き合いの中で、ごまかしてきた本心が、あふれ出す瞬間」とか、
こういう見せ場のあるお話は大好きですね…要は「ツンデレちみっこ」のパターンです。
●4巻とか
3巻とは打って変わって、小気味良いアクションが続きます。
劣勢の中、悠二がついに、敵の罠のからくりに気付き、
戦場の中、新たな決意を持って、マージョリーが再びトーガを纏い、
絶体絶命の窮地から、逆転へと至る描写とか。
わくわくしながら、手に汗握って、読みふけってました。
●5巻とか
『炎髪灼眼の討ち手』誕生にまつわるエピソードが中心なのですが、
とりわけ、シャナよりも、男キャラのかっこよさが目立ってました。
今巻では、相対する敵キャラが都合3体(ボス入れて4体)、単なる「やられキャラ」ではなく、
しっかりと描写がありますので、この辺のキャラの立ち具合がなんとも良いです。
で、ラストに登場するボスキャラなんですが…最初から最後まで、かっこ良過ぎです。
●6・7巻とか
これねぇ…都合により、まとめて感想書きますけど、
「みんな、若いな」…ってのが、正直な感想です。
そもそもが悠二の優柔不断さに端を発しているのですが…。
シャナファンの人は、悠二に石投げたくなったんじゃないでしょうかね…。
とはいえ、悠二が優柔不断でなかったら、このドラマは成立しませんけど(ぼそ)。
設定上も16歳のガキが揃ってますし、当然と言えばそれまでかな…。
カムシンじゃなくても、んな話はとっとと切り上げるのが筋かと。
反面、アクションシーンは打って変わってギャグシーンの連続。
「教授」のキャラとあいまって、(違う意味で)楽しい描写でした。
で、エピローグ近くに至って、ベルペオル様がセリフ付きで登場するのですが…
…伏線っぽいお話なので、気になります。
ああ、後、「カデシュの血印」…ちゃんと立ち絵で見たかった気が… <無理
●8巻とか
教授とカムシンが御崎市を離れた後、一時の平穏が訪れるわけですが、
平穏(討滅の仕事がヒマ)なのを機会に、シャナの反撃が始まります。
シャナなりの、誠意と愛情を込めた、お弁当のシーンとかは、
(いろんな意味で)印象的でした。
●9巻とか
前回の戦闘で、あまりいいところの無かった悠二とシャナですが、
特に悠二は、情状酌量の余地無し、ということで。
単なる戦闘能力だけではなく、精神的にも弱い所がありありと。
涙を見せられる相手が居るって事は、幸せな事なんだよな、としみじみ。
…みんな、そうやって、大人になっていくんだよね…(遠い目)
ちょっとだけ、悠二の(俺的)好感度がアップしました。
●「ZERO」について
え〜と。この本、パラレルワールドのお話(お笑い)が数本と、
本編開始前の外伝(シリアス)が一本、という構成になってますので…。
通しで読むのであれば、6〜7巻ぐらいまで読んでからの方が楽しめるのではないかと。
楽しみが半減しますので、内容には触れませんが、ニヤニヤしてました。
否定される向きもありますが、こういった同人系?のノリは私は大好きです。
●10巻とか
5巻に続いて、再び過去編のお話。
外伝っぽい内容ですが、現在と大なり小なり関連性が有りますので、
シャナが登場しないからと言って、読まないのは損だと思います(断言)。
話としては、今まで断片的に語られていた「大戦」のクライマックス(最終局面)から始まりますが、
予想以上にドラマチックな展開が続いて、非常に楽しめる内容になってます。
で、今巻の見所と言えば、やはり「敵側のドラマ」、これに尽きると思います。
表面上は『徒vsフレイムヘイズ兵団の最終決戦』、という体裁を取っていますが、
実質上は「炎髪灼眼の討ち手」を中心に据えた、群像劇ではないかと。
単純な勧善懲悪の物語でない所が、このエピソードの魅力ですね。
世の中に「絶対の正義」は存在しませんが、それでも世の理(ルール)に逆らう事は、
やってはいけない事、望んではならぬことだと思いますし…。
とは言え、彼らが戦う理由も、感情・理性の面から見て、無理からぬ事かもしれません。
それゆえに、人の心を打つのでしょうが…。
読みながら、その生き様にしびれ、ラストシーンでは感動すら覚える自分がいました。
今巻の主役は、もしかしたら、討滅される側(アシズとか)の気がしていたり。
(マティルダの視点を借りて、敵側を描写している感があります)
●11巻とか
表面上は平穏が続いていますが、非日常は一歩づつ近づいているわけで…
気がついたら、夏休みのイベントはすっ飛ばしていきなり秋。
今巻では、御崎高校の文化祭でもある清秋祭を中心に、日常における非日常、
平たく言えば「ハレの日」(対語は「ケの日」)が描かれています。
清秋祭の初日には、生徒から選抜された美男美女?が仮装し、町中を練り歩き、
祭りを盛り上げ…シャナがいよいよ…というところで寸止め。
3・6・8巻でも有りましたが、作者得意の予告編みたいなもので…
ヴィルヘルミナならずとも、今後の展開に頭を悩まさずにはいられませんね。
●12巻とか
清秋祭のたけなわに現れたのは、まさに嵐の存在。
悠二の中に在る、零時迷子の元の所有者、フィレスさん登場の章ですね。
悠二にとっても、シャナにとっても、絶対に妥協できない紅世の王。
残念な事に、今回では決着が付かず、次巻へと持ち越しとなりましたが、
四者四様の思いが交錯する、スリリングな展開でした。
シャナを初め、紅世と悠二に関わる者たちの関係が、或いはレベルアップし、
或いは絶対的な差を見せ付けられて、絶望に近い気持ちを抱いたり。
それでも、立ち向かおうとする少年少女の描写も良かったですね。
ストーリー本編としては、悠二と、その蔵する零時迷子の謎が若干解けましたが、
更なる謎を呼んで終わってしまいました…
次巻で一体どういう結末に至るのか、またも頭を悩ます事になりそうです…。
●「S」について
13巻に先立って、本編に先立っての補完エピソードとか、サイドストーリーの短編集ですね。
一つは、マージョリー女史の活躍を描いた、「マイルストーン」。
ちょっと現在とは少し違った(笑)、それでもカッコイイマージョリーさんが楽しめます。
一つは、吉田さんのお誕生会を描いた、「セレモニー」。
時間軸的には11巻前の、文化祭前の秋のひとコマ、と言った所でしょうか。
吉田さんファンには必見の内容かと(ニヤリ)。
一つは、九垓天秤の在りし日のエピソードを描いた、「キープセイク」。
「都喰らい」を成就させ、大戦へと発展していた戦いの中、
「とむらいの鐘」のメンバー達は流浪の末、本拠地とも言うべきブロッケン要塞を完成させ、
いよいよ「壮挙」に向けて動き出すのですが…その束の間のひとコマが描かれています。
で、巻末には「ZERO」に続いて「あのコーナー」が…こちらも必見ですね(笑)。
●13巻とか
さて、色々と引っ張ってきたこの一連の事件ですが…
結果だけいうと、上手い具合にかわされた、というのが正直な所でしょうか。
プロローグ部分で敵側の事情がさり気なく描かれて、
わくわくしながら読み進めていたら、いきなり時間軸が飛んだりしますので。
で、色んな重要人物が入り乱れた末、結果的に現状維持になったりする辺り、
「こういう手が有ったのか…」と感心してしまったり。
今後の三柱臣の活躍とか、次巻での登場キャラに期待すべきでしょうね…。
●14巻とか
名前だけは結構前から出てきていた「壊刃」ですが、今回漸くのご登場となりました。
ただ、前巻の前振りからすると、意外な形から入ってきますので、
読み始めたときには「あれっ?」と思ったのも束の間、
悠二の引き立て役になって終ってしまいましたね…勿論それ以外の意味も有ったのですが。
常ならばここ(壊刃の討滅?)でお話は収束に向かうのですが、
折りしもクリスマスを控え、悠二をはじめ周囲の人間は決断を求められ、
一つの終焉と始まりを迎える形で終ってます。…何の、とはあえて語りませんが。
…それにしても、悠二、カッコいいけどサイt(ry
●15巻とか
外伝に近い形での作品となった本作ですが、作品としての質は相変わらずだなと。
で、今回は近代に近い時代でのフレイムヘイズと徒の戦いがメインになっていますが、
新たな「ちみっこ」が登場されたりするので、今後の活躍にも期待してみたり。
で、次巻以降の展開に多少繋がる要素があるとの事で、
色々と思い当たるのは「革命団」(レポルシオン)という徒集団、
もうひとつは「永遠の恋人」たるフィレスとヨーハン。
前者は予測不能ですが、後者は悠二たちとも関わってきている人物ですし、
吉田さんが今後どういう行動に出るのか(個人的ファンとしては)非常に気になっていたり。
●16巻とか
外伝を挟んだ形で本編の再開、という巻ですが、肝心な部分(下の考察参照)は、
…やっぱり語られずに、ただ新たな始まりという形で、急展開を迎えてしまっていたり。
作者得意の「寸止め」型式ではないものの、シャナを含め、
色んな登場人物に転機やらピンチやら、…どうなるの、と思わずにはいられませんが。
…これが18禁ゲームだったら、違う意味で次が楽しm(殴
(いずれ17巻が発売されますが、その折にはまた、更新いたします)
■キャラランキング
こちらも…新刊が出る度に、修正されたり、追加されたりとか。
そのつもりでお読みいただけると幸いです。
いつもなら、好感度が高い順…なのですが、その辺は、内容を読んで判断していただければ。
●シャナ
今を去ること数百年前、器たる『炎髪灼眼の討ち手』を失ったアラストールが、
ヴィルヘルミナたちの助力を得て、育て上げたフレイムヘイズ。
フレイムヘイズとして生きることのみを教えられて育ったため、
戦闘時以外では年齢相応のチビジャリにしか見えない。
好物はメロンパン。及び、お菓子全般。
悠二と出会った事により、少しずつ、精神的にも強くなっていきますが…前途多難ですね。
戦闘時の凛々しさと、平常時の純情さのギャップが、魅力ではないかと。
●マージョリー&マルコシアス
フレイムヘイズの大半は、恋人や家族を紅世の徒に喰われた者達であり、
徒に対する復讐心でもって、討滅の使命を果たすケースが多い。
マージョリーもまた、そんな経緯でもって、フレイムヘイズとなったひとり。
…但し、彼女の大切なものたちを奪った徒自体は、未だ討滅されていませんが。
この辺り、今後の連載で登場するかどうか、気になっていたり。
このコンビが日常シーンで繰りひろげる「ドツキ漫才」、結構好きだったり。
(詳しくは下の方を参照)
3巻以降では、(それなりに)話の分かる「おねーさん」として振舞ってくれてます。
子分格?の二人の気持ちが、よ〜く分かります、オジサンは。
酒グセの悪さが、玉に瑕ですけれど。…ま、それも魅力の内かな…
●ヴィルヘルミナ&ティアマトー
シャナの育ての親であり、また高名なフレイムヘイズでもあったり。
無愛想な鉄面皮の下には、誰にも見せない、本心が。
料理以外は、全てそつなくこなすメイドさん。
シャナに甘えられたり、嫌われたりする時だけ、リアクションが出ますね…。
(そうなった、或いはそうせざるを得なかった経緯が10巻でちらほら…)
二人そろってアレですから…人気が出るかどうか、怪しいです…
●吉田一美
シャナとは対照的な、おしとやかで優しくて…健気なヒロインですが…。
話が進むにつれ、日常におけるシャナの好敵手に成長。
こんな娘に、告白されたら…(妄想中)…悠二でなくても、迷うかと。 <ヲイ
●ヘカテー
現代における紅世の徒、最大組織である「仮装舞踏会」の大幹部の巫女さんですが、
そのちみっこルックの割には…あまり活躍はしていませんね…。
今後の活躍に期待していたり(勿論、ちみっこスキーとして)。
●ベルペオル
ヘカテーと同じく、「仮装舞踏会」の大幹部なのですが…今のところ、メインで活躍されていないので。
いかにも「悪女然としたねーちゃん」ですが、その(ブラックな)本領発揮はいつの日か…。
この方も、今後の活躍に期待している一人です。
●坂井千草
オトナの女、魅力再発見。…と思ってしまうほど、実は凄い方。
主にメンタル面でのサポート役になってますが、結構重要どころではないかと。
(本人は全く意識していないようですが)
…こんな人、嫁に欲しいです(ぼそ)。
●緒方真竹
「名は体を表す」…というのは、この子のことではないかと。
純情で、真っ直ぐで、元気なスポーツ少女で…おまけに…(以下省略)。
身の回りに一人くらいはいた、「気軽に話せる女友達」みたいなキャラですね。
…長所でもあり、短所でもありますけど。
●ティリエル&ソラト
「ゴスロリ&ショタ」、まんまなキャラですが…。
自らの欲望に忠実な辺り、まさに紅世の徒の生き様を見た気がします。
とりわけティリエルが遺した言葉は、シャナに影響を与えるわけですが…(謎)。
●アラストール
「炎髪灼眼の討ち手」に力を与える、紅世真正の魔神(紅世の王より格上)なのですが…。
戦闘能力はともかくとして、昨今、年頃の娘を持った父親役が板についてきました(笑)。
日常シーンにおいては、紅世の魔神も形無しですが…そんなアナタがステキ。
●フリアグネ
ナルシストな雰囲気むんむんの、いけすかないニーチャンですが、
宝具コレクターな面とか、お人形を愛でたりするとこが、なんか筆者と似ていたり。
…ちょっと複雑な心境。
●シュドナイ
ヘカテー、ベルペオルと並び、「三柱臣」(トリニティ)と称される大幹部の一人。
…なのですが、○リ好きらしいです…。
実は、ものすごく強い方なんですが…どうなることやら。
●メリヒム
かつて隆盛を誇った、「とむらいの鐘」の大幹部だった方ですが…。
気持ち良い位に真っ直ぐな、好青年ですね…最初から最後まで、カッコ良すぎ。
10巻では、その冷静ながらも恋愛一直線な所、よく出ています。
弱点はそこだけですね…パワー・スピード・テクニック…に関しては死角なし。
この方は話の主軸になってますので、詳細は原作で確認されるのがよろしいかと。
●教授&ドミノ
その行動・言動で、どんなシリアスな場面も一瞬にしてギャグにしてしまうマッドサイエンティスト。
自身の研究と実験に固執するあまり、徒・フレイムヘイズ双方から、目の敵にされていたり。
…あるいは、出来るだけ関わりたくない、というのが本音かもしれません。
私的には、(第3者ゆえ)ノープロブレム。こういうキャラは結構好き。
●カムシン&ベヘモット
最古のフレイムヘイズであり、討滅ではなく調律師として活動している(他称)じじい。
現実主義者過ぎる所が玉に瑕。
…確かに、悠二から見れば、好きになれないタイプかも…
●坂井悠二
本編における、へっぽこ&ヘタレな主人公(らしい)。
戦闘時における、的確な状況把握、対策立案は中々ですが…普段は普通以下の高校生。
シャナならずとも、「もっと、強くなって…」と言わずにはいられません。
とはいえ、彼が優柔不断でなければ、ドラマの面白みは半減しますけど。
●坂井貫太郎
悠二の実の父親なのですが…やっぱり悠二は不肖の息子なんですかねぇ…。
…ちょっと羨ましかったり。
●佐藤啓作&田中栄太
マージョリー女史の(自称)子分。…背伸びしたいお年頃なのかねぇ…。
特にケーサク。もちっと大人になれ。
●池 速人
今だ事件の蚊帳の外、のメガネマンですが、彼の頑張り次第で、
人間関係が落着く可能性が有ったり(謎)。…頑張れ、メガネマン(シャナファンなら特に)。
●マティルダ・サントメール
シャナに先立つ事数百年、「炎髪灼眼の討ち手」の名を轟かせたご本人。
未来を、運命を自ら切り開く事に喜びを感じ、また、その理解者を得て幸福をも得た、素敵な方。
シャナとは違い、精神的にも討滅者としても完成されており、
一言で言うなら「自立したイイ女」。…そりゃ、○○○○じゃなくても惚れるわな…。
これといった宝具は所持しておりませんが、多彩な自在法と戦技の数々を操り、
数百年前の大戦で、アシズ他、九垓天秤の多くを討滅し…(以下略)…。
ふと思ったのですが、彼女がフレイムヘイズとなる前、何をしていたのか、
ちょっと気になるのですが、個人的偏見では中央アジアあたりの遊牧民の末裔とか…。
自由を求める気質とか、女丈夫然とした所とか…。
要は、農耕民と違って定住せず、家畜と共に常に(馬で)移動していた事実が、
そう思わせる(=自由な気質を生んだ)のですけど。
もうひとつ。アラストールがシャナに言った言葉ですが、
「己の在り様によって(討滅=戦闘)方法は異なる、自分で(技を)磨け」てな感じで。
現在のシャナが、剣戟と多少の自在法(炎弾)で戦うのに比し、マティルダさんは実に多彩…。
同じ魔神を身に宿すのに、この違いは一体…。
最後に、一言、
「マティルダさぁああああああーーーーん」とだけ(某ロボアニメのパクリ風に)。
●ガヴィダ
天道宮を初めとする、数々の宝具を「人間と共に」作り上げた紅世の王。
「大戦」勃発時点では、徒たちと袂を分かち、隠居同然の身でしたが…。
現代世界に例えるならば、彼の考えはグローバリズムに近いですね。
人種、民族、国、文化…違うものは数あれど、人であることには変わりないですし。
グローバリズムにおいては、文化は差異であって、優劣では無い、とされます。
徒と人間を比べた場合、その能力において、人間は徒の足元にも及びません。
それゆえ、徒たちは人間を「麦の穂(食料)」程度の認識でしか見ていないわけで。
しかし、徒にも人間にも、精神(心の在り様)があり、共感も出来るがゆえ、
この世界に渡ってきたのも事実。
…ならば、徒と人間は対等であり、無闇にその領域を侵すべきではないと。
彼の行動の内には、こんな考えが有ったのではないかと。
もう一つ付け加えるならば、
「人の世に生きるならば、人の世のルールに従うべき」という考えも有ったのかも。
実態はじじいですが、考え方は近代的な方だった、ということですね…
●アシズ
紅世の徒最大の武闘派組織、「とむらいの鐘」の首領。
第1巻でその存在は仄めかされていましたが…過去編ゆえ、10巻のラスボスとして登場。
とある目的、「壮挙」と名付けた悲願を成就するため、
街ごとその存在を喰らい、18年に渡る大戦を引き起こし、討滅されるのですが…。
その壮挙の目的と理由が物語中で明らかになりますが…
個人的なエゴから端を発したとは言え、その行動は徒たちの心を捉えていった辺り、
その生き方は純粋であり、それゆえに読者の共感を得られるのではと。
で、煽っておいて何ですが、具体的内容は割愛しますので(ぇ、
各自原作を読んで、お確かめ下さいませ。
●ジャリ
手足の無いハンプティ・ダンプティ(ぇ。 <分からんわ
このお方、偵察専門だったりするので、戦闘の焦点に立っていないんですけど…。
雰囲気は抜群なんですけどね…。
●ウルリクムミ
頭部のない、鋼鉄の巨人。ファンタジー世界のゴーレムみたいなお方。
10巻においては、徒軍団の先手大将として、最初から最後までご活躍。
武人としてその生を全うした辺り、漢の生き様(硬派な意味です)を見た気がします。
ところでこの10巻って、関ヶ原合戦を想起してしまうのは何故でしょうか。
(何となく島左近をイメージしていたり)
●イルヤンカ
これまたファンタジー世界を髣髴とさせる、古竜(エンシェント・ドラゴン)みたいなお方。
メリヒムとのコンビで、「両翼」と称され、マティルダ達の好敵手でありました。
この方もまた、武人としてその生を全うした方ですね…。
ウルリクムミと違って、ちゃんと引導が渡されますけど。
ウルリクムミが島左近なら、この方は宇喜多秀家か、大谷吉継か…。 <ヤメレ
●モレク
「牛骨の賢者」と呼ばれる、「とむらいの鐘」の宰相(真名は大擁炉)。
アシズの「壮挙」に心酔し、その実現にその命を捧げた方ですが…。
目の前の勝利だけでなく、大局を見据えた判断が出来る辺り、
中々の策士ですな…どこかの中間管理職みたいな振る舞いが多いですけど。
…妙な親近感を覚えたのは、多分気のせいではないかと。
●チェルノボーグ
けもの耳を備えた人外のねーちゃんですが、担当は暗殺全般。
特に主義主張は無いにせよ、主のために敵対者をことごとく葬ってきたその手腕は流石。
主や宰相の役に立つ事だけを考えて行動していますが…。
この方は、時代の流れ、みたいなものに翻弄された一生だったのではないかと。
…そんな散り様も、またドラマの一つ。そんな気がします。
それにしても…「九垓天秤」のメンバーって、人外ルックのキャラが多いですね…
●ゾフィー・サバリッシュ
「肝っ玉母さん」の愛称を持つお方ですが…まずギャルゲーとかでは見かけないルックス。
…ソレゆえのインパクトはありましたが。
んで、10巻での「大戦」を俯瞰するフレイムヘイズとして、主に最初と最後にご登場。
…ま、確かに主役は張れないと思いますが(滝汗)。
憶測ですが、13巻以降に再登場する可能性も。
●カール・ベルワルド
「大戦」におけるフレイムヘイズ兵団の副将として登場されましたが…
物語上、炎髪灼眼のみの描写だと、大規模戦のイメージが湧きませんから、
そのためだけに出てきたような可哀相なキャラですね…。
結局の所、シ○○○イの引き立て役になってますし。
●フィレス
「永遠の恋人」と称される紅世の王。
パートナーであるヨーハンと共に、秘宝「零時迷子」を生み出した方。
零時迷子を得て以降、人の世界に干渉せず、数百年に渡って世界を放浪していましたが…
とある事件により、零時迷子とヨーハンを失い、零時迷子をずっと捜していました。
彼女の行動は、まさに恋は盲目、と言った感がありますね。
とにかく、何をしても、何を失ってでも、愛する者を取り戻したいと願う、その行動…
(ティリエルのアレ同様、シャナ(&吉田さんも)に、今後影響を与えそうですが)
その感情のみが先走った形ではありますが、(一応)どうなるのかなと(謎)。
●ユーリィ・フヴォイカ
「S」のショートエピソードに登場する、シ○タまんまなキャラですが…
近代以降、封絶の発明もあって、直接的な切っ掛けでフレイムヘイズとなる者は減りましたが、
それでも、存在の力の消滅を感じ、紅世の王と契約する者はいるわけで。
元々が心優しき少年であったせいか、マージョリーさんとは対照的なキャラでしたね…
もし大成していたのであれば、カムシンのような調律師になっていたかも…!?
●ヨーハン
フィレスと対になって、「永遠の恋人」と称される少年(あくまで外見ですが)。
気ままにこの世を謳歌していたフィレスの前に誕生し、後に零時迷子と共にミステスとなり、
以後、強力な自在師としてフィレスをサポートし、世界を旅していました。
ある事件により零時迷子の中に封印され、ある意味悠二の生命線をになっていますが…
この人、設定上とは言え、本当の事、教えて欲しかったな、と。
●ザロービ&ビフロンス
仮装舞踏会構成員たる捜索猟兵と巡回士のコンビですが…
フレイムヘイズ側、徒側双方にとって、前座役にされてしまった可哀相な方々ですね…。
や、たぶんですが、いつかまたヘンテコ話があった折には、
『間違いなく』登場されると思いますよ?…なんかウィネに次いで小物っぽい所がステキですし(笑。
●サブラク
組織には属していない、一匹狼の殺し屋稼業を営む紅世の王。
相対した者達を悉く屠ってきたその実力から、謎な部分を数多く持つキャラでしたね。
本編の始まる前、標的ではなかったフィレスとヴィルヘルミナを倒せなかったことが、
ある意味今回の戦闘の鍵であり面白さだったかと思います。
…それにしてもあのブツクサ具合、教授じゃなくても、お友達にはなりたくないなと(苦笑。
…コワイからケンカ吹っかけるのもアレですがっ。
●サーレ・ハビヒツブルグ
「鬼功の繰り手」と称されるフレイムヘイズ。
本作品内では、こういったセンスのある雰囲気を持ったオッサン?って、居なかったなと。
割といい加減な雰囲気を持ちつつも、ここぞという時にはちゃんとやってくれる辺り、
個人的にはこういう人、結構好きだったり。
現代編でも活躍してくれるかどうかは、微妙ですけれど。
●キアラ・トスカナ
15巻の主役、とも言うべき存在のフレイムヘイズですが、全く未知、という訳でもなく、
その身に宿る力はかつて「大戦」で名を馳せ散っていったフレイムヘイズのそれだったり。
その未熟な外見(笑)も相まって、討ち手としての成長が描かれていますので、
今後、2代目「極光の射手」として登場するんじゃないかなと。
勿論、世代を超えた?シュドナイとの対戦とかで。<願望
●クロード・テイラー
いかにも、というか頑固そうな外見を持ったオッサンなのですが、
中身の方もまさにそんな感じではなかったかなと。
15巻では一つの終焉、というものが描かれているのですが、
(16巻でのアレ)を見る限り、フレイムヘイズの悲哀、みたいなものを感じてしまったり。
で、やっぱり気になるのは、あの方がこうなってはいないか、という懸念なんですがっ。
●サラカエル
15巻のラスボスとなる紅世の王。
「革命団」という徒の組織が一体どんな思想の下に集まった集団なのか、
見ようによってはその説明をするためだけに登場して、退場した感じもしていたり。
…確かに、言わんとしている事は分からないでも無いですが(汗。
(…で、今後登場の他の人物についても、整理次第書く予定)
■妄想プレビュー(我学の結晶−エクセレント200509−『予告の詩篇』)
●第1章
「お前はもう、死んでいる」 <マチガイ
「そう、おまえはただのモノ、本人の残り滓、『トーチ』なの」
「お前を狙って、徒がやって来るでしょうから、暫くここに居るわ」
「…ククク。その中身、何が入っているのか、楽しみだ…」
「邪魔ッ!!」
「…フリ…アグネ…様…」
「この…討滅の道具がぁ…」
「最後に、お願いが、あるんだけど…
…『シャナ』って名前、ずっと、…使って欲しいんだ…」
***
「ふぅん…で、よく分からないんだけど、何コレ?」
「ヒャーハハハ!要は本編を読め、ってこった、我が鈍感たる傍観者、マーj ブッ!」 <げしっ!
「おだまり、バカマルコ」
●第2章
「狩人」フリアグネを退け、一時の平穏が訪れた、御崎市。
だが、かの王が消滅した後も、彼らが奪った存在の残り火は、街のあちこちに残っていた。
その異様なる状況を感知して、一人の「紅世の徒」が現れる。
そしてその徒を討滅すべく、追ってきたフレイムヘイズ屈指の殺し屋。
「蒼い火の粉で火傷すりゃ〜」
「みんな纏めてあの世いきっ!!、ハッ!」 (筆者注:適当です)
――『屠殺の即興詞』――
――破壊と殺戮衝動の象徴たる炎の衣、『トーガ』。
――その身に宿りし群青色の王の名は、『蹂躙の爪牙』。
――彼女の名は、『弔詞の詠み手』――。
「フン…誰にもアタシの邪魔はさせないわよ」
「ヒヒヒ、今日も絶好調だなぁ、我が麗しの酒盃、マージョリー・ドー?」
「いくわよ、マルコシアス!!」
「くっ…強い…」
「お願い…もっと…もっと強く…」
***
「あ〜、今回はヒドイ目にあったわね…とりあえず酒でも飲まないと、やってらんないわ…」
「ヒャハッ!もし年齢制限とかあったら、もっとヒデェ目に遭ってt ブッ!」 <ドガッ!
「おだまり、エ○マルコ」
●第3章
少しづつ、平穏を取り戻しつつあるかに見えた、御崎市。
だがそれも束の間、徒たちは確実に、その目的を果たさんとしていた。
彼らの目的は、この地に在るフレイムヘイズが持つ、神通無比の大太刀、『贄殿遮那』。
――だが、彼らは知らない。
この地には、名にし負う、フレイムヘイズが二人、留まっていることを。
彼の宝具の所有者が、『炎髪灼眼の討ち手』であることを。
秘宝『零時迷子』が、この地に在ることを。
――仮初めの平穏。
そんな中、気付かされる想い。
迫られる決断。その静寂と緊張の最中――
「…私、負けないから…」
「…っ! だめっ!…」
――かつて無いほどの巨大な、山吹色の封絶。
人の歴史には残らない、長く、壮絶な戦いが幕を開ける――
***
「何か青春してるわねぇ〜」
「ヒヒヒ、年増のオメエにゃ似合わねぇ話d ガッ!」 <バキッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第4章
「さて…おとなしく『贄殿遮那』を渡してくだされば、命は助けて差し上げますわ」
「アタシも、嘗められたもんだねぇ…」
「どうした、『弔詞の詠み手』とも有ろうものが、その程度でこの俺を倒せるとでも?」
「…(ちっ)…」
「うふふ…アナタでは、この『揺りかごの園』は破れませんわよ?」
「みつけた!ぼくの『にえとののしゃな』!!」
「そうか、貴様…そうなのか…ふふふ…」
「アナタにも分かる日が来ますわ…この…どうしようも無い気持ちが…」
***
「あ〜、今回はあのチビジャリのとばっちりで、大変だったわね…」
「ギャハハ!何度酔い潰れても、学習しねぇおめえに言われたかn エブッ!」 <ベギッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第5章
――この世にありながら、この世とは隔離された場所、『天道宮』。
ここに在るのは、人ならざるもの達。
――新たなる『炎髪灼眼の討ち手』を求め、時を待つ『天壌の劫火』。
――給仕服に身を包んだ、鉄面皮の養育係。
――日に2度、鍛錬を行う、物言わぬ白骨。
――その者たちに囲まれた、器たるべき、「偉大なる存在」の少女。
厳しくも、満ち満ちた日々。
そんな平和な日々は、少女の旅立ちと共に、終わりを告げる。
「ハハハ…見つけた…ついに、見つけたぞ…」
「一度、戦ってみたかったのであります」
「許さぬ…この『千征令』たる我に対する侮辱…身を持って知るがいい…」
「…久しぶりだね、○○○○。俺の腕を慣らすのに、君以上の適任者はいない」
「――我が太刀は、人のために在らず。
我を振るうに足る、人ならざるものの為に在れ――」
「契約を――おのが存在を、我に捧げよ――」
「――来い――『フレイムヘイズ』――」
***
「分かっちゃいたけど、肝心な部分が抜けてるわね、このレビュー」
「ヒャーハハハ!著作権の問題もあるから、おいそれと書けn ンゴッ!」 <バシッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第6章
――御崎市。2度にわたる徒の襲撃により、存在の歪みが多数生じた街。
人々は、その矛盾が何なのか、真実を知る術も無い。
坂井悠二のクラスメイト、吉田一美。
胸に秘めた儚い思いは、今だ、彼に伝わらぬまま。
――町で出会った、一人の少年。
少年であるのに、どこか年老いた印象を与える、異様な存在感。
この街の歪みを感知し、その歪みを修復するために現れた調律師――
――真の名は、『儀装の駆り手』――
だが、この街の歪みを感知していた存在が、もう一人――
修復されるはずだった街は、一瞬にして、非日常へと変わる。
――否応無く突き付けられる、残酷な真実。
――打ちひしがれる、心。
――揺れ動く気持ちの中、それでも戦いは始まる――
***
「はぁ…とっととオサラバしようかと思った矢先に、もう一仕事かぁ…」
「ヒーヒヒヒ!使命そっちのけで殺しまくっていた奴のセリフじゃn ブッ!」 <ガンッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第7章
いつもの、冷静かつ威厳に満ちたフレイムヘイズの顔は何処へやら、
闇雲に動いては、打開策も見つからないフレイムヘイズたち。
ショックから立ち直れない、一美と悠二。
現実から逃げ出した一美、捨て鉢の悠二とシャナ。
かみ合わない歯車。更に悪化する事態。
「エェェェェェェクセレーーーーーントォォォォッ!!!」
――狂気が、破滅の瞬間が、迫る。唸りを上げて、走る――
「ドーミノォー、アナタはそれでも私の助手でぇーすかー」
「すいませんすいません、いはいいはいいはい」 <ぎゅうぅぅ〜
「ふむ…それよりワシらに協力してくれんかの」
「…どうして、彼女を、吉田さんを…巻き込んだんだ…」
「ああ、あのお嬢さんのことですか。それより今はするべき事が有ります。分かっているのでしょう?」
「――ッ!!だから、アンタ達は、ガキだって言うのよっ!!」
「よくも、…よくもやってくれたわね〜〜〜」 <涙目
「ん〜、んふふ〜、こぉ〜んなことも〜、あろうかと〜」 <ポチッとな
***
「…予想はしてたけど…。やっぱり、チビジャリを行かせて正解だったわ…」
「ギャーハハハ!酒だけでも十分に醜態晒してn ブガッ!」 <ゴズッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第8章
調律は成ったものの、破壊の跡も生々しい、御崎市。
使命を終えたフレイムヘイズは、次の目的地へと旅立ち、騒がしくも楽しげな日常が戻ってくる――
だが、世界はここから、ゆっくりと、確実に、動き始める。
そして、悲愴なる使命と決意を持って、新たにフレイムヘイズがやってくる――
「悠二――」
「不穏な状況を察知したのであります」
「不純」
「――ッ!!○ィ○ヘ○○ナ!?」
***
「何か激しく誤解されてたみたいだったけど、事なきを得たみたいね…」
「ヒャーハハハ!フレイムヘイズ辞めて、『御崎の母』でも始めてm ゲッ!」 <ベシッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第9章
事件の現実処理のために、この地にやって来たフレイムヘイズは、
給仕姿に、ありえない大きさの登山ザックを背負った、女性だった。
彼女の訪問の目的は、事件の事後処理以外に、もうひとつ――
個を隠す、仮面の神器、『ペルソナ』。
戦技無双の誉れ高き、器たる者の名は、『万条の仕手』。
その身に宿りし桜色の王の名は、『夢幻の冠帯』。
無表情な顔を仮面で隠し、その真意もまた、心の奥底に――
「この程度も、出来ないのでありますか」
「脆弱」
「無理に言う事をきかせようなんて、私は絶対、嫌」
「…ホント、あんた達って、似た者同士だわ…頑固な所とか…」
「――許さない――」
「…ふ。ふふふ…ままならぬ…ままならぬものよのぉ…」
***
「あ〜、まぁ、何と言うか…今回はアタシにも責任の一端は在るかなぁ…」
「ヒヒヒ、『人のフリ観て、我がフリ直せって』なぁ、我が麗しの酔いどれt ンガッ!」 <ドスッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第10章
――はるかな昔――
異能と異形の者達が鎬を削る戦場を駆け抜けた、一人の女が居た――
伝えよう。使命に殉じた討滅者達の名を――
伝えよう。戦いに生き、戦いに殉じた王達の名を――
伝えよう。力を求め、力に溺れた王達の名を――
伝えよう。人間を愛し、共存を願った、一人の王の名を――
伝えよう。強大なる王に望みを託し、散っていった王達の名を――
伝えよう。人を愛し、人を憎み、世の摂理に抗った、哀しき王の名を――
伝えよう。義に生き、愛に殉じるに至った、清冽な王の名を――
伝えよう。我らと共に戦陣を駆け抜けた、王と姫の名を――
伝えよう。我が愛した、女の名を――その歌と共に――
「あなたたちに、天下無敵の幸運がありますように――」
「運命の交叉路で、また会おう――」
***
「何かまた、変なモノローグだけど、英雄譚のつもりかしら?」
「キヒヒ!『酒の上での武勇伝』ならこっちも負けてn オブッ!」 <ドグシャアッ!
「おだまり、バカマルコ」
●第11章
――ふわり。
清秋祭の仮装パレードの配役が決まった傍らで。
準備に勤しむ生徒達の傍らで。
――ふわり。
少年が、ついに異能者の領域に足を踏み入れた傍らで。
少女が、迷いを断ち切り、立ち向かう事を決意した、傍らで。
――ふわり。
パレードを楽しむ、人々の雑踏の中に。
思い悩む異能の討ち手たちの中に。
――どすん。
決意を秘めた少女の目の前に。
愛しき者の名を――二つにして一つの名を――
――触れて、手繰り寄せ、やってくる――
「一緒なら、もう、迷わない――」
***
「今更だけど、イライラするわね…いつにも増して勿体つけてるところとか、
…きな臭い伏線とかプンプン匂わせてるし」
「ガハハ、おめぇはいつも酒クセえがn アブッ!!」 <ガインッ!!
「おだまり、バカマルコ」
●第12章
琥珀色の風が、吹き荒れる。
――愛する者を、取り戻すため。
紅蓮の双翼が、煌く。
――愛する者を、守り抜くため。
群青の獣が、吼える。
――全てを奪ったものに、復讐を果たすため。
桜色の火の粉が舞う。
――大切なものたちの、幸せを壊さないために。
「邪魔を、するなぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」
***
――私は、あなたしか、見ていない――
放埓を続けた私が、最後に得た、たったひとつのもの。
どんなに放蕩を重ねても、私は満たされる事がなかった。
でも、そのたった一つが、私を満たしてしまった。
――私は、あなたしか、望まない――
何を見ても、何に触れても、あなたしか、思い出せない。
彼女達が、あの少年に対して、私と同じ想いでいるのは、伝わってきた。
分かるからこそ、譲れない。
どんなに変わり果てていようとも、私が望むものは、たったひとつ――
「おまえが望んだのなら、私にも、ましてやアイツなんかに、止める権利なんて、無い」
「○○○○、どうし…て、…」
***
「…やはり、非常手段に訴えてでも、零時迷子は破壊しておくべきでありました」
「妥当選択」
「ちょっと、なんで今回はあんた等が出てきてんのさ!」
「ヒー、ハー!ヒスおこしてる女にゃ何言わせたって説得力ねe ブッ!!」 <ばきぃ!
「…おだまり、バカマルコ」
●第13章
――秋の嵐は過ぎ、季節は冬になっていた――
思い出すのは、あの日の事――
何とかなりかけたと思った時に、燕脂色の磁気嵐が吹き荒れ、
更に水色の流星群が駆け巡り、再び琥珀色の風が吹いた――
結局、僕の中は、どうなっているのか、わからない――
――けれど、
――いつか、僕の、僕自身の力で、未来を切り拓いていきたい――
***
少年は、異能者としての心構えを、少しだけ――
少年は、この世の本当の事を目の当たりにしてなお、途を求めようと悩み――
少年は、現実を突きつけられて、解決策が見出せないまま、悩み続け――
少年は、漠然と抱いていた気持ちを、ようやく理解しはじめ――
少女は、与えられた過酷な選択肢に、怖れ、戸惑い、悩み続け――
少女は、再び決意を新たにする――
わずかな変化を伴いつつも、世界は、ゆっくりと、動き続ける。
――大きな変化に向かって――
「ままならぬ、か…誰だってそう、ババアだって、そうなのさ…」
***
「彩飄の一件もそうですが、今回は対応に苦慮するものが多かったのであります」
「支援要請」
「ああん?アタシは基本的にガキは嫌いだから、今更そんな事相談されてもねぇ…
…っていうか、上手い具合にかわされたわねぇ…外伝含めて散々引っ張ってきたのに…」
「ゲヘヘ!オトナの事情も含めて、お姉さんが教えt ゲッッ!!」 <ミキッ!
「…おだまり、エ○マルコ」
●第14章
――聖誕祭。
人の世において、聖者が生まれたとされる日――
この世ならざるものたちにとっても、この日はいずれ、記念日となるであろう――
彼らにとって、押し戴くものがまろびでた、言祝ぎの日として――
――決意を固め始めた少年の前に現れた、この世ならざるもの。
「「「「ほっほっほっ…では、参りましょうか…」」」」
――夕暮れにも似た茜色の世界は、傷口から滴り落ちる血の色にも似て。
「…やはり、幾度も交戦を重ねれば、逆襲に転ずるまでの時間も短くなるか、……よ。
…もっとも、……でもある、…だが…」
「おまえは望んだ――
――それは、おまえだからこそなのだ――」
「悠二が来たら、今度こそ、ちゃんと、言う――」
――日常は、決着の付かぬままに終焉を迎え、
――非日常は、一つの結実を以って始まりを迎える――
***
「あ〜、今回はアタシらあんま出番無かったわね…」
「ヒヒヒ!本編ぢゃあ出てこないみてぇだけどよ、ヤケ酒に付き合わされるみてぇだぜ?」
「…世話に、なるので、…あります…」
「同席要請」
…(どがっ)…
■その他、用語解説っぽいものとか
物語にファンタジー要素が含まれる関係上、その世界観を構成する用語は、色々とあったり。
本編をお読みいただければ、おいおい分かる事でしょうが、
読んでいない方や、公式サイトの用語説明に不満を持つ方々のために少々お付き合いくださいませ。
但し、筆者の個人的類推・憶測が混じっていますので、そのつもりでお読みくださいませ。
●封絶(ふうぜつ)
この世のある空間を、切り取って時間を停止させる術(自在法)。
近代以降、文明社会の発達に伴って、徒とフレイムヘイズの戦いの痕跡(破壊の跡)を、
存在の力を使って修復する事も出来たり。
イメージ的には、「ザ・ワールド」…が任意の時間発動できる(しかも元に戻せる)とか、
「ポドリアルスペース」のひっくり返らない版とか、
「ミラーワールド」を術者が創りだしている、みたいなイメージですね。 <余計ワカラン
●紅世の徒
この世の隣、紅世に住むもの達(存在)の総称。
彼の世界には文明が存在せず、ゆえに力のみが支配する世界のようです。
で、その力が強大な者達を特に「紅世の王」と称しています。
但し、アラストールだけは例外で、紅世では世界そのものを構築する神そのもの(の一人)
だったりします。残念ながらこちらの世界では、その力はふるえませんが。
(一応ふるう事は出来ますが…ネタバレに付き省略)
●宝具とトーチ
徒・人間を問わず、その存在の力をもって鍛えられた道具の事。
大抵は武器が殆どですが、まれに特殊な機能を持った非戦闘系の宝具も存在します。
所有者によっては、危険な事態を引き起こす可能性があるため、
転移の自在法をもって、人の体に隠されるケースもあるようです。
但しその場合、宝具の存在がその人間の存在と干渉するらしく、
存在の力を喰われ、トーチと化した人間に転移するようです…誰の事とは言いませんが。
で、宝具を蔵したトーチの事を、この世界では「ミステス」と呼んでいます。
●フレイムヘイズ
紅世の徒を討滅する使命を帯びた、異能者たちの総称。
紅世の徒たちは、存在しないはずの自分達を維持するため、また放埓に走るため、
この世にある人間達の存在を食らっていました。
ところが、本来あるはずのものが消滅し、ありえないものが存在する矛盾が生じ、
両世界のバランスが崩れ始めていました。
この事態を重く見た紅世の有力者(王)達は、彼らを字義通り「殺してでも」止める、
という選択を強いられたわけですが…。
その彼らは、自分達の存在を、この世にある者達の存在と挿げ替える事で、
この世界で存在しています(劇中では契約者の存在を使って召喚、という表現です)。
ま、要はシャナの中にはアラストールが存在している、って事なんですが。
(肉体の主導権は契約者であるシャナ本人ですけど)
文明の発達に至って、討滅行為が犯罪・テロ等、あらぬ波紋を広げないよう、
ある程度組織化されて運営されている所もあるようです。
シャナも含め、大抵のフレイムヘイズは単独で行動しているようですが。
…そういった強力な討ち手に限って、単独行動が多いのが玉に瑕(都合の良い設定、でもありますが)。
●自在法と自在式
紅世の徒・フレイムヘイズが操る術の事を自在法と呼び、
その発動方法(プロセス)を自在式と呼ぶ。
ファンタジー世界の魔法と同じく、呪文(式)と術(結果)と考えれば良いのかも。
なぜ「自在」かというと、「有り得ない事を(この世に)起こす」からです。
フレイムヘイズ・紅世の徒双方とも、個としての有り様がそれぞれ異なるため、
自在法は固有のものが多く、そういった意味でも、「自在」と言えるかもしれません。
(例を挙げるなら、シャナとマティルダさんとか、同じ魔神を身に宿すのに、
使っている自在法にはかなり違いが有る事とか)
●存在の力
「この世に在る」という事は、それ自体が世界に干渉する力だと言う事です。
人間なら、生き続けるために動物や植物を摂取(=喰らう)しますし、
他人への影響(過去・現在・未来)というものも、大なり小なりあるわけで。
これらの総称が、この作品においては「存在の力」と表現されています。
過去・現在においてはカリスマ、未来においては可能性、という事かもしれません。
この力を食われた人間は、痕跡を丸ごと消されるわけで…
「その時点からいない事になる」関係上、その人に関する事物も纏めて消滅します。
この喪失感=世界の違和感・矛盾ということで、それを緩和するため、
存在の残り滓で、「トーチ(本人の代替物)」が作られた場合は、
「そこにいるだけの人」となり、徐々に消えていくことになります。
●仮装舞踏会(バル・マスケ)
現時点での、紅世の徒最大組織。…が、今だその全容は不明。
辛うじて、「三柱臣」と称される3人の紅世の王が確認されていますが…。
(ベルペオル、ヘカテー、シュドナイの3人)
その企図するところが、対フレイムヘイズのみではないようなので…
断片的にでは在りますが、いずれ表舞台に立つ時が来るでしょう。
14巻までの内容を吟味しての話ですが、物語の鍵となる事項は、
1.彼らの掲げる「大命」とはそもそも何であるのか
2.その大命遂行に際して、何故「零時迷子」が必要なのか
3.銀の炎を持つ板金鎧の正体は結局何だったのか
4.盟主とされる「祭礼の蛇」はかつて何によって退けられ、現在の形に落ち着く事となったのか
…とりあえずこんな所ですが、他には実情を知るであろうヨーハンと、
ヒラルダを吉田さんに託したフィレスの真意は何処にあるのか、この辺が気になっていたり。
●とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)
数百年前の大戦で壊滅した、当時の紅世の徒最大組織。
首領であるアシズを筆頭に、その配下には、
「九垓天秤」と呼ばれる、いずれも強大な紅世の王が所属していた。
フレイムヘイズ打倒を掲げた武闘派の組織で、最盛期には1万余りの勢力を誇っていた。
その組織名の由来は…(ネタバレ)…。
■謝辞とか
結局、言いたいこと全部盛り込んだ形になってますので、今回も長いですね…。
最後までお付き合いいただいた方に、改めてお礼申し上げます。
原作をお読みでない方も多数いらっしゃるでしょうが、これを機に、
お手にとっていただければ幸いです。
なお、ご意見・ご要望に関しましては、当サイトのBBSまたはメールにてお願いいたします。
では、また何処かでお会いしましょう。…次が有れば。
■更新履歴
●Ver.1.00:「10巻」までの内容に基づき、Web公開(2005.09.17)
●Ver.1.01:「10巻コメント」「キャラコメント」追加更新(2005.09.18)
●Ver.1.02:「キャラコメント」更に追加更新・誤字等修正(2005.09.20)
●Ver.2.00:「11巻コメント」「11巻プレビュー」等追加、一部修正(2005.11.20)
●Ver.3.00:「12巻コメント」「12巻プレビュー」等追加(2006.02.11)
●Ver.3.01:「『S』コメント」「キャラコメント」等追加(2006.06.25)
●Ver.4.00:「13巻コメント」「13巻プレビュー」等追加(2006.09.19)
●Ver.5.00:「14巻コメント」「14巻プレビュー」等追加、一部補記(2007.02.18)
●Ver.6.00:「15巻コメント」「16巻コメント」等追加(2007.11.10)
[EOF]
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