●モデラー伝説 その1〜覚醒編〜
■はじめに
この物語は、事実を基にしたフィクションです。元ネタは虚構ですが、
さらにとあるモデラーの人生がオーバーラップされることで、より深い物語に
なっているはずです(大嘘)。実在人物との関連が若干ありますが、
脚色により針小棒大の表現もありますので、お気をつけ下さい。
今後の人間関係に問題が生じる場合もありますので、100%信じない方がよろしいかと。
では、また後でお会いしましょう。
■プロローグ
時は20世紀末。一度は閉じたはずのミラーワールドが、ここ○○○において再び開くことになった。
何の気なしにそこを訪れてしまった主人公は、なし崩しに契約を迫られ、
訳の分からないままモンスターキット群との戦いに巻き込まれることになる。
そして。
とある事件をきっかけに、彼は最上位の契約カードを手に入れ、最強のモデラーを目指して、
戦いを続けることになる。果たして、彼を待ち受ける運命は?
そして、最後の一人になったとき、彼は何を望むのか?
それとも、その前に脱落者となってしまうのか?
…今、男達の熱き戦いの物語が幕を開ける…
■ミラーワールドに遭遇
「…いらっしゃいませ」
…そこは、異様な空間だった。アニメなどのロボットやヒロインが、3次元になって存在していた。
「…本日より1週間、開店記念セールをやっております。
この機会にコレクションにゼヒお加えください。…どうぞ、ごゆっくりご覧ください…」
「…あの…ここは…?」
「本日より復活しました、某クス○○○ショウルームです」
「…なるほど、ココがウワサに聞く、ミラーワールドか…」
(…おお、コレは…300機限定の、透明版LEDミラージュではないか…)
「…すいません、コレください…」
「ありがとうございます〜」
「某クスのポイントカードはお持ちですか?」
「…いいえ…」
「では、お作りいたしますので、こちらの紙にご住所とお名前、電話番号をご記入ください」
「…はあ…」
…こうして、ミラーワールドとの契約は成立した(半ば一方的ではあるが)。
■モデラー「騎士」ことG氏に出会う
「ふっ、貴様、まだモンスターと契約していないのか?…」
「何だよ、それ、…」
「貴様のように、成り行きでモデラーになった者に、話すことなどない!」
「くっそ〜、何とかしないとな…」
「モンスターと契約するんですか?…ではコレを…」
「…作れって、言うんですか?…」
「…それが、ルールですから…契約した者は、最後の一人になるまで、
作り続けなければならない宿命を背負わされるのです…」
「…どうして、俺が?…」
「最初にココへ来たとき、契約、しましたよね…会員カードだけでは、モデラーになれません…
…モンスターが、必要なんです…」
「でも、モンスターといえば、モーターヘッドのキットですよね…
…まだ、完成させたコト、ないんですけど…」
「…え!?…あれだけ、コレクションしてるくせに…?」
(くっそ〜、絶対、あいつに認めさせてやる〜)
そして数日が過ぎた。
見よう見まねで、「サイレンF型」(赤)完成。
「なんだ、結構上手いじゃないですか…」
「…そうですか?…」
「…では、この『赤い龍』と契約してください」
「…じゃあ…これで、晴れてモデラーになれるんですね!」
「…ひとつ言っておきますが、一度モデラーになってしまえば、もう元には戻れませんよ…」
「望むところですッ!!」
(ぴかーーーーーーーーーーーー!!)
(しゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・)
「…おまえが、龍騎士か、…また随分と派手なカラーリング、だな…」
「…うるさい、モーターヘッドは、ド派手なのがいいんだよッ!!」
…こうして、またもその場のノリで、モンスターと契約してしまう彼だった…。
■アドベントカード発動?
「ッッッッッッしゃあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッ!!(変身時の気合)
…はじめるか…」
「最初に断っておきますが、モデラーの能力は、戦って作例を完成させる度、
その力を吸収して強くなっていきます。お気をつけて…」
…何度目かのモーターヘッド。漸く店長に認められ、
テロル・ミラージュが単独で展示されることに…
「スラッシュベントッ!!」
「…そんな技、ありません…」
・・・
「…実験は、成功だ…」
「…K崎ッ、貴様ッ…!!…○リーを、よくも…」
「…待て。ここで俺を殺すか、戦いを続けるか、どちらか選べ…」
「…(何てこった)…」
「闇の翼」、ミラーワールドの下僕に…(脱落ではない)…?
■シザース参上(でもあっさりと敗北)
調子に乗って、海○堂のクロス・ミラージュを持ち込む彼。
製作途中ではあるが、完成の暁には、○○○で第2の人生を歩むはずだった…。
「…で、次はコレを完成させる予定なんですが…」
「…(無言)…」
「…何とか言ったらどうです?…」
「…ココで売っていないものは、置けないルールなんです…」
「ふっ、貴様にはモデラー同士の戦いは無理だ、大人の事情を知らなさ過ぎる!」
騎士モデラーに怒鳴られ、小さくなる彼。
「シザース」ベイル、ここにおいて脱落(現在もそのまま)。
■ナスティーベント!
模型製作には常に悲鳴が付きまとう。
モデラーの行動を中座させるためにはこの技、「ナスティーベント」。
その1。パーツの整形中、デザインナイフで指までカット…
(ぷしゅ〜…どくどく…)
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
「…ナスティーベント…」
その2。いよいよ塗装。エアブラシ用の塗料を攪拌している最中など。
ところが、何かの拍子に、フタが空いたままのビンが倒れ、大変なことにッ…。
(どばどば…)
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
「…ナスティーベント…」
「…あ…良かった…キットのほうは無事だったか…」(すぐに作業再開)
その3。マスキング塗装終了。…ついに、マスキングを剥がす瞬間がやってきた。
(ぺりぺりぺり…)
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」(塗料、思い切りよく剥がれる)
「…ナスティーベント…」
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」(他の場所でもさらに発見)
「…ナスティーベント…」
その4。完成後に発動。
「…あ、塗り残しが…」
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
「…ナスティーベント…」
おまけ・完成後の持ち込み時にも発動。
「…ここ、塗料がハミ出してますよ…」
「ぎいいいぃぃぃぃぃゃああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
「…ナスティーベント…」
■閑話休題〜モデラーの日常アドベント〜
…ああ…ハラ、へった…
…今月も、限定キットの買い込みで、財政難だよぉ〜…
…こんな時は…変身ッ!!
「…ノリベント…」
ほかに、コンビニベント、などが存在しますが…
キット購入に予算を回すあまり、衣食住に金をかけない(又はかけられない)者達、
…人は彼らをヲタクとは呼ばず、モデラーと呼びならわす…。
「俺は、エンゲル係数低いぞッ!!」
「…自慢になってません…。でも、ウチはそれで潤ってるんですケド、ね…」
■ファイナルベント初登場
1999年末に受注限定で発売されたヤクトミラージュ。
…なぜ、こんなものが2000年も半ばの吉祥寺にッ…!?
「仕事中毒さん、コレはもうお持ちですか?」
「…ココが開く前、○○で…店頭在庫があったモンで…つい…」
「なんだ、持ってるだけ、か…見掛け倒し、だよな…」
「なんだとおぉぉぉぉッ!!」
「…ふっ、これだから、成り行きでモデラーになったヤツは…
…まあいい、俺の契約モンスターを見せてやる…」
「…アドベント…」
(で、でかい…これは、ツインタワー…!?契約したヤツがいたのか?)
「…貴様らとはもう二度と会うこともない…いくぞ、ファイナルベントッ!!」
…(全砲門一斉射撃中)…<通称・エンドオブワールド>
「…あいつ、強え…」(かなり虫の息)
…いつか、倒さなければいけない、敵、なんだよな…(ぼそり)…
決着の日は遠い。
■ストライクベント(鉄の爪フリーク)
モーターヘッド作例は初心者だが、それなりに修練は積んでいる。
彼は、打突系の武器が好きらしく、事あるごとに完成させている。
…例えば、こんな風に。
「パイルバンカー!!」
「アイアンクロー!!」
…そして。
「…ほほう。今度も、フル可動で組みましたね?…」
「…部分的に壊しちゃってますけど、概ね…」
「…おおおッ!ドラゴントゥースが開く!…カッコイイ…」
「ストライクベントッ!!」(必殺ぱんち、のつもり)
…アシュラ・テンプル完成。
■ライアー(ウソつき野郎)の章
「ワンフェス会場で、300機限定かあ〜…欲しいなあ…」
「…まあ、何とかなるんじゃないんですか?…それだけあれば…」
…ところが。
…当日、開場30分にて完売。…当然、非難は甘い見通しを立てたその人に集中。
「…俺の占いは絶対に当たる…」
「…いや、占いじゃなくって、アンタの見通しはいつも甘いんだけど…」
・・・
戦いの最中。俺をかばって敵モデラーの必殺技をまともに喰らったライアー…。
「しっかりしろ、おいッ!!…」
「…俺の占いでは、次に消えるモデラーは、お前だった…。
…でも、お前がいなくなったら、この、馬鹿げた戦いを止める者はいなくなる…。
…だから、…頼む、俺の分まで作り続けてくれ…」
「…(メタリックピンクに半透明だと?今の俺には、作れるはずも無い…完敗だ…)…」
「海洋生物」、脱落…。
(ホイップベントか…モーターヘッドにはムチなんてないしな…没です)
■「メタル」ゲ○スの挑戦
「店長、次の作例のリクエストって、ある?…」
「そうですね〜、アウゲ、なんてどうですう〜?」
「…メタリック塗装なんて、やったこと無いんですけど…」
「大丈夫…。君なら、できる。…(根拠なし)…」
「…つまんないなあ〜、これはゲームなんだよ、ゲーム。…」
「…(くそ、なんてイヤなヤツなんだ)…」
「アンタ、ソレでよくモデラーやってられるよね…何のために、高額キットを買ったの?
…ははん、俺が怖いのかい?…バッカじゃない?…」
…くそ、言わせておけば…くそ、でも、ヤツの言うとおりだ…
…俺は、失敗して、高額キットを台無しにしてしまうことを恐れている…
…(ファイナルベント・ヘビープレッシャー炸裂中)…
「…シラケちまったよ…アンタ、もうモデラーやめたら?」
・・・
「クッ…、テメエ、俺を、盾にしやがったな…ッ!
…誰のおかげで、こうして、戦えると、思ってるんだよッ…!!」
「…知らねえな…、これが、戦いってモンじゃねえのか…?」
「…畜生…開き直りやがった…」
…かくして、アウゲもどきの「オージェ・アルスキュル」が完成した。
いつの間にやら、キャラが変わっていることには、触れないで欲しい…。
「一角獣」、脱落…。
■「元」戦車モデラー改めて登場
「…イライラするぜ…たまには戦車が作りてえ…」
「…でしたら、今度はリアル系のロボットはどうですか?…」
「…退屈してたトコだ。…付き合うぜ…」
(ぴきーーーーーーーーーん!)
「…コレが、モデラーの力か…じゃ、早速、遊ばせて貰うぜ…」
「ハハッ、…モデラーって、楽しいじゃねえか、オラアァァァァァァァッ!!」
乱暴に工具を振り回す男。…型も何もあったもんじゃない…。
「…さあ、コレでトドメだ…」
、…(ファイナルベント・ベノクラッシュ炸裂中)…
ドドドドドドドドドドドドドドドドド…(完成)…。
…恐ろしい技だ…相手が倒れるまで、ひたすらドライブラシを叩き込むとは…
(…というわけで、「ビブロス」完成)
「…ハハッ、スッキリしたぜ…(ギラリ)」
「…だが、足りない、足りないぞオォォォォォォォォ!!
…もっと、もっとだ…俺を、楽しませろォォォォォォォッ!!」
…こうして、最凶モデラーが戦いに参加した。
■ユナイトベント完成!
「3機セットか…コレはなかなか…強敵だな…」(注・マイティシリーズ)
「仕事中毒さん、そろそろVIP会員になられた方が、お得ですよ…」
「ほら、この銀のオ○コカードで、買い物のたびにポイントがたまりますし、
従来どおり某クスのポイントもたまりますから…」
「…ふむ。ミラーワールドを制するためには、そのカードで契約せねばならない、ということか…」
「…?…はあ…?」
「…コンタクト!!」(契約の合言葉)
(ぴかーーーーーーーーーーーーーッ!!)
(しゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……)
「…ふふふ。これで、名実共に、ミラーワールドの覇者となる条件が揃った、ということか…」
「はははははっっっ…これで、思う存分、暴れられるぜ…(ニヤリ)」
「…あっ、あの、…すいません…意味が分からないんですけど…
…ついでに、キャラが王蛇になってますよ…」
「みなさ〜ん!どうですか、最近イライラしていませんかぁ〜」
「…それ、もっと違います…」
「これで3匹共俺のモンだあ〜」
「…はあ、そういうオチですか…しかし、本物と同じで、その必殺技、いつ披露するんですか?…」
「…生きてさえいれば、きっといつか…」
■タイムベント現る
彼は、一応メカモデラーとして日々作例と戦っている。
…とはいえ、フィギュアも作ってみたいと思ってみたりもする。
模型雑誌を片手に、サフレス塗装を試してみる彼。
…マスキング終了後、塗装はあっさりと剥がれてしまう。
「…くっそ〜、やり直しかぁ〜…」
「…不測の事態が起こった。…今から時を巻き戻す…タイムベント!!」
「…お、お前はいったい…何者だ…」
「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜」
「…塗料は全て落とした…もう一度、やり直すが良い…」
「…くっ、コノヤロウ…せめて一発、当ててやる…」
「フフフフフフフフフフフフフ…さらばだ…」
…金色のアイツは、そう言い残して消えた…。
…それにしても、これがタイムベントの威力か…ひでえ…言いようの無い脱力感が…
…当面立ち直れそうに無い…
■新技・ダブルベントでサバイブモードに変身!
その日は、突然にやってきた。
数々の何敵キットを製作してきた彼だったが、型通りのパターンに嵌ってしまっていていいのか?
その時、彼の前に、ミラーワールドの創造者がいきなり現れた。
「…コレを使え…これからの戦いには、必要な力になるだろう…」
そう言い残して、創造者は消えた。
彼の手には、パールパウダーとクリアーカラーが…
訳も分からず、メタルブラックとスモークの2段重ね吹きを試す彼。
「…こっ、これは…スゴイ、威力だ…」
「これが、2コートの、サバイブモードか…」
…こうして、「2代目黒騎士」は完成した。
その後、彼は、「白」、「黒紫」、「黒緑」、「赤」、「青緑」の
サバイブ能力をえることになるが、それは、まだ先の話である…。
■ソードベント披露
新しい力を得た後というものは、つい「試し切り」をしてみたくなるものである。
それが、発売前のゲームキャラ、ならば余計に試してみたくなるもの…。
「…で、コレはいったい何のつもりです?…」
「…銀の下地に、半透明の白、まあ、白銀に、吹雪っていう名前からヒントを得ました…」
「…で、このポーズ改造には何の意味が?…」
「…左手に刀を逆手持ち、とくれば、アレですよ…(ニヤリ)」
「ソードベントッ!!」(「騎士」の決めポーズ)
「・・・・・・・・・」(呆れている)
■懲りずにシュートベント披露
周りの迷惑など顧みず、再び「吹雪」シリーズを手がける彼。
「…で、今度は何のつもり、で・す・かッ…!」
「…いや、でっかいランチャー構えているから、あの方をイメージして…」
「…それで、緑色、なんですか、…はあ…」
「シュートベントッ!!」(例によってポージング)
「…一人で好きなだけやってて下さい…」
■二者択一(オルタネイティブ)の章
コンパチキットを製作した場合、どちらの仕様で完成させるか、そんな瑣末なことですら、
モデラーには重要な意味を持つ。
ましてや、ガレージキットの場合、元が高額であるゆえ、なかなか2個も購入できない。
別仕様のキットとはいえ、同じ塗装仕様の場合、どうすれば良いのだろうか…。
…その答えが、ここにある。
「…仕事中毒君。英雄的行為、とは、どういうことか、分かるかね?」
「…いえ…」
「…大事の前の小事。みんなのために、ひとりの者が犠牲になること…
…この馬鹿げた戦いを終らせるためには、あの者を抹殺せねばならない…
…私は、そう思っている…」
「はい、先生…」
・・・
「…ゴメン。僕が英雄になるためには、君の犠牲が必要なんだよ…」
「…ッ!ぐはあッ…」(1号脱落)
・・・
「…しっ、仕事中毒君…。なっ、なぜ、私を…」
「…先生、申し訳ありません…。
僕は、英雄になるため、ミラーワールドの覇者を、目指します…」
「…(ガクリ)…」(0号脱落)
こうして、1号(ネプチューンMM版)の尊い犠牲の元、
0号(ネプチューン・ハイランダー仕様)が完成した…
(…現物の仕上がり具合が大して変わっていないのは、気のせいだ…)
■インパラ(スピンベント)の章
混迷を続けるモデラー同士のサバイバル。
そんな最中、またしても新顔が登場。
「〜いや〜、モデラーの先輩方、カッコイイッす〜
…できれば、僕にもお手伝いさせてもらえませんかぁ〜」
「…まあ、いいけど…」
「あ、コノヤロウ…寝返りやがったなあ〜!!」
「ごっ、ゴメンナサイィィ〜!!…向こうの方が待遇が良かったもんで…」
「サイッテ〜な野郎だな、お前…」
・・・
「ねえ、もしも、『願い』が戦いの途中で叶ってしまったら、どうすればいい…」
「最後まで勝ち残って、願うしかない…それが、ルールだ…」
「そんなあ〜」
・・・
「…僕が、英雄になるために、君も、犠牲になってくれ…」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィッッ!!」
「だらしねえヤツだな。…遊び方を教えてやるぜ…」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
…(ベノクラッシュ炸裂中)…
「畜生…俺は、俺は、…せっかく4機もそろえて、1機しか完成しないなんてぇ〜
…俺は、ただ、幸せに浸っていたかっただけなのに〜」
(…しゅーーーーーーーーー…)
…半端な覚悟では、モデラーにはなれない。ましてや、量産機を買い込んだのなら、
なおさら、後には引けない…
…アシュラテンプル・リファイン完成(まだ3機手付かず)。
…共通点は、カラーリングだけだったりする…ということで脱落。
(モーターヘッドにはドリルが付いていないので、スピンベントは不発に終る)
■フリーズベントの章
燦然と輝く銀のアドベントカード。ミラーワールドで使用した場合、
毎月末に締め切られ、翌月28日に引き落としされる。だいたい25日頃までには、
請求書が届くのであるが、…。
「…しまった、先月は遣い過ぎたか…」
「…フリーズベント…」
…(ぴきーん!)…(凍りつく)…
「ふっ、所詮ヤツは小物だった、というコトだな…
…自分のカードの残高すら把握していないとは…
…ソレより、お前の限度額、20万しかないだろ?…身の程知らずが…」
「なんだと〜、…気にしているコトを〜ッ!!」
「おまえ、英雄になりたいんだってなあ、…呆れたぜ…。
…英雄ってのはな、なろうとしてなるモンじゃねえんだよ…」
「くっそ〜、モデラーなんて、最低の野郎共は、皆死んでしまえばいいんだぁ〜!!」
「言い残すことはそれだけか?…
…じゃあ、二人で仲良く、あの世へ逝きな…」
…(ファイナルベント・エンドオブワールド炸裂中)…
「…(先生、僕、英雄に、なれたかな)…」
このころ、「ラストジュノーン」完成…。
…「白虎」、脱落…(苦しいネタだ、悲しいくらいに)…。
■ゴルトフェニックスと対決
金色の鳳凰、いや、不死鳥を従えた始原の巨人、オーディンが、このミラーワールドに…。
…彼を入れても、まだ13人にはなっていないはずだが…。
「私と戦うのか?…ふむ、まだその時期ではないと思ったが、
…脱落を望むならば…相手になろう…」
(くっ…これは…透明レジン…硬い…それに、透明だから、パーティングラインが見えにくい…)
「フフフフフフフ…」
(…しかも、パーツ数が異様に多い…デザインのせいで、塗装前の接着すらままならない…)
「フフフフフフフ…どうした、さっきまでの勢いは…?」
(…き、金色?金色を半透明で?…どうすれば…とにかく、何とかしないと…)
「…サバイブ…」
「フフフフフフフ…それで、どうするつもりなのだ…?」
「こう、するんだよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
クリアーイエロー・オレンジ、に金パール、メインにただのクリアー、隠し味に
蛍光オレンジ極少量…頼むぜ、コレで何とかッ…!
(ぷしゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
「…脱落、するがよい…」
「なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「…グオォォォォォォォォォォォォォォッ!!…(断末魔の絶叫)…」
「…はあ…はあ…はあ…何とか、完成、したぞ…コノヤロウ…」
「…見事だ…そのまま、そのまま迷わず、作り続けろぉぉぉぉぉぉッ!!」
(…え、アンタ、「ラスボス」、ぢゃないの…?)
こうして、半透明「パトラクシェ・ミラージュ」は完成した。
■エピローグ〜戦わなければ生き残れない〜
オーディンとの対決から数日後。
確かに俺は、あの時、最凶のキットを完成させたハズだが…。
願いなど、最初からなかったが、それでも、依然としてミラーワールドは存在し、
今日も誰かに契約を迫っているに違いない。
…契約を盾に、戦いを迫られることがなくなった…ただ、それだけか…
さらに数日後。今度は半透明の「デストニアス」を完成させる彼。
「…これ、どうしたんですか?…」
「…まあ、折角生産リクエストしたキットだからな…
とりあえず、途中で脱落した、ライアーの代わり、ということにしないかい?」
「…まさか、コレでおしまいっ、てことはないですよね…」
「…さあな…(本編はコレで終わりだけど、外伝があるんだよッ!!)…」
…作り続けなければ、モデラーは名乗れない。 >おわり
■おまけ・アナザーエンドの章(幻のTVスペシャルより)
…あの日。確かに俺は、この終わりのない作例の日々を終らせるため、
ミラーワールドの「核」の鏡を、この手で破壊した。
…それなのに。
…この手の中にある、このカード…
「…フフフフフフフフフフフフ…」
(そ、その声はっ…)
「…最後の一人になるまで、戦いは終らない…」
(うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!)
…紛失・破損したカードは、再発行
されます…(合掌)…
■外伝その1〜白きモンスターキット登場編〜
ひょんなことから知り合った女。…そいつは、俺と同じ、モデラーだった…。
しかし、女の身でモデラーとは…時代は変わったのか?
…それとも、俺が男尊女卑の儒教的偏見に毒されているからか?
…悩んでも仕方がない。ここは本人に直接聞いてみるか…。
「…何でモデラーになんか、なったんだい?…」
「…あたしの姉さんを、『塗装実験』だとか言って、適当に作ったモデラーが居るの…
…折角の、限定キットだったっていうのに…
…アイツはあろうことか、そのまま修正作業もせずに、お店にまで持ち込んで、
姉さんを晒し者にしたの…この意味が分かる…?
…あたしは、姉さんの敵を取りたいの…
…だから、あたしは、絶対に、負けない…負けられないの…」
・・・
「ハッ、どうした…相変わらず、非力な姉ちゃんだなあ…
…それじゃあ、俺を楽しませることはできないぜぇ…」
「…クッ、…やっぱり、あたしの力じゃ、アイツには勝てないの?…」
「…いよいよいくぜ…ドゥームズデイ!!」
…その瞬間。黒い閃光が、王蛇をなぎ倒す。
…力を失った王○は、断末魔とともにミラーワールドの霧となって消えていく…
「…あんた、あたしを助けてくれたの?…」
「……」
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!な、何をするの?…
…あ、あたしを、助けてくれたんじゃ、なかったの…?」
「…邪魔だったんだよ…あの男も、お前もな…
…俺が、このリューガが、ミラーワールドの覇者になるためには、な…」
さらに力がこもる。
「…ちっ、邪魔が入ったか…まあいい…」
「おいっ、しっかりしろ!!」
「…あたしは、もうだめ…だから…あたしの代わりに、このキットを、完成させて…」
「…もう、モデラー同士で戦うなんて、金輪際やめろよ…」
「…わかったわ…(ガクリ)…」
…そして、LEDミラージュ・ライドギグ(ハイスペック版)が完成…
(MM版のことは、この際忘れよう…突っ込むと矛盾がばれるから…)
「白鳥」ことブランウイング、ここに脱落…
…残るモデラーは、あと僅か…
■外伝その2〜黒い「アレ」と対決〜
「テメエ、紛らわしいカッコしやがって…一体、何モンだ…」
「…分からぬか?私はお前であり、お前は私なのだ…」
「…ワケわかんねえ…」
「…私はお前の裏人格…。このミラーワールドで、表人格のお前が来るのを待っていた…
…我らは2人でひとつ…さあ、我らが力を合わせれば、モデラーの頂点に
立つことも容易い…我々が、モデラーの王、ミラーワールドの覇者となるためにッ!!
…いざッ、融合(ユナイト)ッ!!」
(ぴかーーーーーーー)
…融合を果たした「彼ら」は、たったの2週間で「3代目黒騎士」を完成させる。
…だが、その瞬間。
「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!」
「…残念だったな。…俺、TVチャンピオンとか目指してくより、
アマチュアのまんまでさ、好きなものを、好きなように、好きな時に勝手に作る方が、
性に合ってるみたいでさ…」
「…ぬう。…なんと勝手な男…ならば、貴様のその腑抜けたモデラー根性ごと、
わが力に取り込んでくれるわァァァァァァッッッ!!」
(ドカーーーーーーーン!!)
「…ふう。…どうやら、取り込まれずに済んだみたいだが…マズイな…
…アイツの趣味嗜好が、俺に取り込まれちまってるみたいだな…まあいいか…」
黒い「サイレンF型」完成(命名・ビアンコ・ネーロ=白黒)。
…リューガ、脱落…しかし、萌え属性が発現…
■外伝その3〜緑のモンスター〜俺にはこう見えた〜「緑の悪魔」のコピーベント〜
…ここは、パラレルワールド。
並み居る強敵キット群をなぎ倒して、戦いを続けていたはず…だったが、
素人に戻ってて、なぜかまた一から戦いなおすことに…
…取り敢えず、みんなに戦いをやめるように説得して回っていたんだが、
今度は見知らぬオヤジに説教を受けることになっちまった…。
「…バカか、おまえ…いいか、人間はな、誰でもモデラーになる資格を持ってるんだよッ!!
…他人を押しのけ、従わせて、支配する…それのドコが悪いんだ?…ああ?」
「…(圧倒されている)…」
・・・
コピーベントで仲間になりすましたアイツは、そのスキに必殺の一撃を放つ。
「…いいか。これはサバイバルなんだ。…弱いやつから死んでいく。
…こういう風に、なッッ!!」
…(パイルドライバー炸裂中)…
「しっかりしろ!!…」
「…迷惑かけてすまなかったな…お前に、頼みがある…俺の、この、カードで…
…俺のこの力を使って、ミラーワールドを、…破壊してくれ…
…頼んだぞ…」
「…ああ…お前の遺志は、必ず俺が…成し遂げてみせる…」
・・・
「…で、今の話と、この作例、何の関係が?」
「コピーベント!…ということで、『ニセ』ヤクトミラージュです…」
「…相変わらず、苦しいオチですね…もうやめましょうか?…」
・・・
「…ふう。なんか、あいつを見ていたらさ、つくづくモデラー続けていくことが、
な〜んか、バカらしくなってきちまったなぁ〜…もう、やめようか…」
「…同感だな。…確かに、アイツはバカだ。
…だが、モデラーの中で、本当はアイツが一番、まともなヤツなのかもしれないぞ?…」
「…かもな…」
…「騎士」「緑の猛牛」、ともに戦意喪失?
…ともかく、戦いは終ったらしい…今度こそ…
■妄想実現!トリックベント!
「…で、終った、…とか言っておきながら、何のネタですか?…」
「…実は、その、…今、フィギュア製作中でして…
3体同時製作中、なんですが、完成したら、ネタにしようと…」
「…紛らわしいことしないで下さい…
完成してから、披露してくださいッ!!…まったく…」
「…ゴメンよお〜、色々とやりたいコトだらけで、全然進んでないんですぅ〜」
「言い訳して、『ガードベント』…とか言うのは、ナシ、ですからね…」
「…ちい…俺の行動なんてお見通し、っていうことか…」
「…わかりやすすぎです…」
(一応、続く予定…!?)
■非公式ファンサイト〜最後に生き残るのはただひとり〜
さて、ここでは本作の元になった「仮面ライダー龍騎」について語ってみたいと思います。
大好評だった「クウガ」「アギト」に続く本作は、かなりの野心作といえます。
かつて「アギト」で試みられていた群像劇が、完成をみた、と言えば良いのでしょうか。
と言うのも、歴代シリーズ最大の人数を誇るライダーたち…
しかも、戦う理由が、各個人の「願い(=エゴ)」を叶える為、だったりしますから…
まあ、今更「世界平和」だの「正義の実現」だのの為、…というのも荒唐無稽ですが。
監督インタビューなどで語られているのですが、
ライダーという超人の力を、ごく普通の人が突然手に入れてしまったら、…という発想が
本作の根底にあるそうです。
確かに、主人公である城戸真司は、どこかにいそうな好青年です。…それゆえ、
非情になり切れず、戦いにおいては常に後手後手に回ることになります。
対して他の12人は、初めから最後の一人になることが目的の者が殆どで、
モンスターは無論、人間(ライダー)を殺す事に罪悪感を抱くことすらない…
当然、その罪悪感を上回る理由が人それぞれ存在するのですが、
その理由を描き出すことによって、ドラマを生み出しています。
恋人の命を救うため、戦う「ナイト」。
罪から逃れるため、戦いを始めてしまった「シザース」。
不治の病を克服し、永遠の命を得ようと戦う「ゾルダ」。
亡き友の遺志を受け継ぎ、戦いを止めようとする「ライア」。
平凡な日常に飽き、ゲーム感覚で戦う「ガイ」。
闘争本能のまま、戦いだけを求め続ける「王蛇」。
その意味を知らず、英雄になろうと足掻く「タイガ」。
現実世界での幸せを得るため、戦う「インペラー」。
王蛇への復讐、だけのために戦う「ファム」。
欲望を肯定し、生き残るためにあらゆる力を利用する「ベルデ」。
妹を救うため、ミラーワールドを作り出し、戦いを仕掛けた張本人「オーディン」。
…メインのドラマ部分としては、こんなところでしょうか。
でも、普通のドラマに飽きたオトナたちは、OREジャーナルのメンバーや、吾郎ちゃんの
活躍に釘付けらしいのですが…まあ、それは、人それぞれ、と言うことで…
ビジュアル的な特徴としては、恒例のイケメン軍団の俳優陣もそうですが、
ケレン味の利いた「ハッタリ」アクション、コレに尽きると思います。
従来、仮面ライダーはあくまで人間をベースにしているため(改造人間だろうが超能力者だろうが)、
肉弾戦系統のアクションが主体でしたが、本作では「モンスターと契約」し、
「その力をカード化して」状況により使い分ける、と言った形になっています。
従って、ライダーが振るうその力は、人間の制約を受けないブッ飛んだものばかりで、
視る者を虜にしてやみません。ハッタリ、というのは、その技を発動するとき、
ベルトのバックル(カードデッキ)からカードを取り出し、
「ドォォォォォォォォォン!」
…と、カードを見せびらかし(?)、召喚機にセットするアクションのことです。
…スキだらけです…はっきり言って…
間合いが近いときなどは、省略されていたりしますが、結構やってます…
しかし、このカードアクション…定期券を取り出したり、買い物のときにポイントカードを
出すときとか、…つい、なり切ってしまうんですよね…
まあ、コレを読んでいる人なら、筆者もそのクチだということはバレバレですね…
視てない人。それから、子供向け番組だと思ってバカにしている人たちへ。
…偏見の塊です。今スグ心を改めて、レンタル屋なりソフト販売店へ行け。そして全巻視ろ。
…そして、それでもつまらないと言った人…寂しい人ですね…娯楽、ないんですか?
…以上。
■おわりに
う〜む。構想自体は以前から存在したのですが、なかなか難しいものです。
当初は、「カード」を使う、ということで「買い物時のネタ」を中心にまとめようと、
画策していたのですが、「爆走編」で大体のネタが出てしまいました…。
どうしようかと思っていたら、「モンスター=モーターヘッド」のアイデアが浮かんで、
こんな感じになってしまいました。
一応、TV本編でのシチュエーションとセリフが合うように構成したつもりですが、
作者の妄想が勝手に喋らせている箇所もあるかと思います。
本編を見たことのない方は、作中の「モデラー」を「ライダー」に戻してみると、
雰囲気がつかめるかもしれません。保障はいたしかねますが。
個人的には、準レギュラーの人たちにもご登場いただきたかったのですが、
いかんせん、いいアイデアが浮かばなくって…。妄想爆発の割には、貧相な頭脳ですな…。
取り敢えず、モーターヘッドの製作を通して、少しずつ腕を上げていく過程が見えてくれば
作者としては満足なのですが…。わかりませんね、コレじゃ…。
実を言うと、製作の順番は、各キャラの登場順を優先したため、実際と異なります。
ついでに言うと、原作は2002年2月から2003年1月なのですが、
このパロディに登場する作例・実際の事件(?)は、2000年から2003年2月頃のものです。
その点、最初にもことわって置きましたがご容赦願います。
…むう。そういえば、ミラーワールドって、本当は模型屋のコトではなくて、
俺の家のコトだったりして…ホラ、銀色の箱、ものスゴ〜ク一杯あるし…。
さて、シリアスモードは疲れるから、このへんで。
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