■はじめに

 ここでは、「その1」で紹介できなかったエピソードを紹介します。
 (要するに、文才がなくてパロディに出来なかっただけ)
 事実を基にしてはいますが、脚色がふんだんに盛り込まれたフィクションです。
 実在人物との関係がちょっとだけ存在します。
 では、そのつもりでお読みください。


■○○○版・アニメ店長列伝

 (注)プライバシー保護のため、一部音声を変換してお届けします。
   お聞き苦しい点もあるかと思いますが、ご了承ください。

 ★〜その1〜店長の思うツボ〜売り言葉に買い言葉〜

 ある日の模型店。
 分厚い財布を抱えた一人の客。
 「…店長のお勧めキットってある?…それか、僕に作例やらせたいキットってある?」
 「じゃあ、この○○○○のキットなんてどうです〜」
 「ほぉぉぉぉぉぉ…(中身チェック中)…買います(断言)」
 「ありがとうございま〜す」
 「一応聞きますが、作例できたら、飾ってくれますよね?」

 他の日。
 前回と同じ客が来店。とあるキットコーナーで新製品を手に取っている。
 「なんで、こんな時期に○○○○のキットを仕入れるかな〜」
 「ま、商売ですから」
 「どうせまた、コレ1個しかなくて、次回入荷は未定、なんですよね…」
 「ハイ」
 「うむううううう…(考えるフリ)…買います、ていうかむしろボクに売って下さい」
 「ありがとうございま〜す」
 「しつこく聞きますケド、作例できたら、飾ってくれますよ、ね?」

 …こうして、その客が入手した○○○○には以下のキットが該当します。
  1、MSコレクションの数々。
  2、MHコレクションの数々。
  3、a-brandコレクションの数々。
  4、x-brandコレクションの数々。   <順不同・敬称略>

 (…具体的に挙げる予定でしたが、キリがなさそうなので省略)

 なお、この事実を裏付ける以下の証言も寄せられています。
 「100個から先は覚えていない!」(本人談)
 「100万から先は、(使った金額など)覚えていない!」(コレも本人談)
 「…最近では、「箱の置き場所がない」とか言って、金を払ったくせに置きっぱなしとか…」
 (友人のSさん<仮名>証言、信頼できる情報筋より紹介分)

 以上、現場からお伝えしました。


 ★〜その2〜客が店長を再教育〜

 店長とアニメの話題で盛り上げようとする客。
 ふと、その話題にあまり店長がノッてこないことに気付く客。
 「…店長、もしかして○○○○見てないの?」
 「…ええ、まあ…」
 「じゃあ、今度、見てください。面白いですよ〜」

 数日後。その客は、そのアニメの感想を聞くことにした。
 「どうでした?」
 「いや〜、面白かった…それにしても…(以下、薀蓄が続く)…」

 違う日。今度は特撮ものの話題で店長と語り合う客。
 再び、その話題にあまり店長がノッてこないことに気付く客。
 「…店長、もしかして○○○○見てないの?」
 「…ええ、まあ、その、等身大ヒーローものってあんまり見てなくて…」
 「わかりました。じゃあ、今度出るシリーズのDVDをここで買いますから、…(以下同文)…」

 その数日後。その客は例によって、DVDの感想を聞くことにした。
 「どうでした?」
 「いや〜、面白かった…それにしても…(以下、同様)…」
 「店長、食わず嫌いは直した方がいいですよ〜(ニヤソ)」

 (おまけ)最近でのひとコマ。a-brandキットを購入しようとする客。
 レジでいきなり、そのキャラについて熱く語り始める。
 例によって、店長がその話題にノッてこない。
 「…店長、自社ブランドのキットのことも知らないの?…よくそれで模型屋が務まりますね…」
 「…ええ、任してください(意味不明)!」
 「とにかくプレイしてください」

 …さらに数日が経過。

 「どうです?ゲームやってます?」
 「…ええ、任してください!コレでも子供のころはザリガニ取りの○○ちゃん
  と呼ばれていたんですよ〜(更に意味不明)」
 「…正直にやってないって言えばいいのに…」

 (お詫び)一部、伏字の意味がない箇所がございました。
  事態の重要性に鑑み、再発防止に努めますのでご容赦ください。

 
 ★〜その3〜再教育により、「特撮店長」となる〜

 ある日の会話。
 「そういえば、最近店長の口から、ゲームとか模型製作とかの話題が出ませんね…」
 「いや〜、最近、『龍騎』にハマってまして…
  吾郎ちゃんサイコー!!…もう、面白すぎですッ!!」
 「…(ニヤリ)…」
 「…(教育、完了)…(ココロの声)…」

 後日。定期購入しているDVDのシリーズが完結することを受け、次に何を購入しようか迷う客。
 「…どうしようかな…」
 「555、なんてどうです?…」
 「う〜ん、…」
 「だから、ファイズなんて、どうです?…」
 「…いやに勧めますね…」
 「…(自分が観たいからって、言えないよな)…」


 ★〜その4〜刷り込みにより、デジャヴュを体験〜

 ○○○の某模型店では、流行のJーPOPの類ではなく、アニメなどの主題歌が流れていた。
 そこに足を踏み入れた客は、知らず知らずのうちにその世界に引き込まれてしまう…。
 (その客は、平日・休日共にテレビを殆ど観ていない)
 
 時は流れて、パソコンゲームに興じるようになる客。
 何気に立ち上げたゲームから、聞き覚えのあるテーマソングがッ…!?
 「あれ、…この歌、どこかで…」
 
 発信源が○○○の某所だと気がつくまでそれほど時間はかからなかった。
 彼が『名作』と呼ばれるゲームを立ち上げる度、このデジャヴュ(既視感、この場合は既聴感)を
 経験することになる…

 ところが、最近では積極的攻勢の賜物か、特撮系のテーマソングも流れるように…
 …原因は私、ですか、…いろんな意味で『俺の店』と化していますね…。


■実録・作例持込の瞬間リプレイ集

 ★〜その1〜素直になりましょう〜

 初のモータヘッド作例(サイレンF)を持ち込む客。
 「ところで、このファイヤーパターンは何ですか?」
 「まあ、その、何となく、かな…」
 「あ、こんなところに気泡が〜
 「!……それ以上、何も言わないでください…」

 今度はアルカナサイレンを持ち込む客。
 「ところで、この、シールドのマークはどうしたんですか?」
 「まあ、その、何となく、かな…」
 「…聞かなかった事にしておきましょうか?」
 「……そうしてもらえます?」

 懲りずにプロミネンスを持ち込む客。
 「ところで、この、右腕はどうしたんですか?」
 「まあ、その、『黄金の右腕』って事で…」
 「…これ以上聞いても無駄のようですね…」
 「当然ですッッッ!…仕様ですからッ!
    

 ★〜その2〜触らぬキットにタタリなし〜

 完璧を期し、アシュラテンプルを持ち込む客。
 「どうです、今度は設定通りですよ…」
 「ホオオ…(しばし眺め回す)…あ、こんなところに指紋が…勿体無い…」
 「げ…(しばし絶句)」

 白銀の騎士・シュペルター完成。
 「すいません、どうせわかっちゃうんで最初に謝っときます…」
 「…指紋とか、剥げちゃったとか、ですか?
 「野暮な発言は控えてください!(ついに逆ギレ)」

 ○○○○(都合により名前出せません)完成。
 「…とりあえず、出来ましたよ…」
 「…ふうううん…。で、この『(塗料の)ハミ出し』は?」
 「仕様ですッ!!」
 「…また、そのオチですか…(呆れ顔)」

 ★〜その3〜ホメても何にも出ませんよ(オレの常識は他人の非常識)〜

 店長にダマされた、と思いつつもザメル完成。
 「いや〜、今回は結構疲れたけど、楽しかった〜」
 「…こ、これ、どうやって塗ってるんですか…(驚愕の視線)」
 「塗料と筆ですが…」
 「え、筆?筆って、普通の筆ですよね…」
 「まあ、戦車塗るときと同じ様に、ドライブラシでグラデーションかけただけですが…」
 「へえ〜…(しばし感心)」
 「あの、…どうしたんですか?もしも〜し?」
 「かっ、かっこいい…(しばらく連発)…」

 ある日の模型店。製作(塗装)途中の感想を聞きにサンプルパーツを持ち込む客。
 「取り敢えず、普通にグラデーションをかけてみたんですけど…」
 「…仕事中毒さん、こないだのアレ、で仕上げてみませんか?」
 「…へ、アレって…?」
 「ドライブラシ!
 「…いや、まあ、やるのは全然かまいませんけど、どうなっても知りませんよ…」
 …そして数日。ビブロス完成。
 「出来ましたよ」
 「…こないだのアレが、どこをどうすればこんな風になるんですか?(暫し絶句)…」
 「まあ、ザメル程ではありませんが、7色ほどドライブラシかかってますが…」
 「ええ〜ッ!!」
 「あの、…どうしたんですか?もしも〜し?」
 「かっ、かっこいい…(しばらく連発)…」

 プロミネンス(本編版)完成。
 「…いや〜今回は申し訳ない…。特に新しいコトやってないんだけど、
  忙しくってさあ、2ヶ月もかかってるのにものすごく普通な仕上がりなんだけど…」
 「…(しばらく見入る)…」
 「(店長に気付かず)…ま、同じネタも2個目になると、慣れちゃうと言うか、
  熱い心が失われるというか、あんまり入れ込めないんですけど…
  …ん?…あの、…どうしたんですか?もしも〜し?」
 「かっ、かっこいい…(しばらく連発)…」

 得てして、作者が入れ込んで作ったモノに限って、あまり評判は芳しくなく、
 普通に作ったら大絶賛…そんなものか…俺の腕って…(しょんぼり)。

 ★〜その4〜アナタのセンス、問われてます〜

 2002年元旦。お年賀代わりに「バウンドドッグ」を持ち込む客。
 「やっぱり、ロザミア仕様はオモチャっぽくてイカン、ということでゲーツ仕様です…」
 「…渋い、渋すぎてカッコイイ…」
 「…(ニヤリ)…なら、これからはカラーバリエーションの作例ですね…」
 こうして、彼の作例はよりマイナーな方向へ向かうことになる…。

 ゼータガンダム(通称・C3ゼータ)完成。
 「…ところで仕事中毒さん、これはどういう意図でこうしたんですか?…」
 「○宿がノーマル、秋○原がゼータプラス(赤)、ということでリガズィを意識してみました…」
 「…まあ、それはいいとして、この表面処理は…」(渋い顔)
 「…やり直すの、面倒だったし…僕、アマチュアですから(逃げ口上)…」
 「…(暫し沈黙)…」
 …その後、この作例がミソクソにけなされた事は言うまでもない…。

 クインマンサ(通称・C3クインマンサ)完成。
 「…今度は何をモチーフにしたんですか?…まあ、聞かなくても分かりますが…」
 「…いや、設定の黄緑色って、あんまり強そうに見えなかったし、
  強そうな緑色って何かあったかな〜と思っていたら、こんな風になっちゃいました…」
 「しかも警戒識別色まで…最近、コワれていってませんか…」
 「お察しの通りです(断定口調)」

 …最近では、知らないことをいいことに、好き放題、勝手なカラーリングを
 楽しんでいるらしいが…何をどう使ったのか、本人すら説明出来なくなっているらしい…(実話)


■野望だけならナンバーワン?

 ある日の模型店。本日は○○○の周年祭ということもあり、大盛況である。
 そんな中、例の客は高額商品(モーターヘッド)とにらめっこしていた。
 数分後。「買うたやめた音頭」(命名者・横山宏先生)を踊りだす客。
 1時間後。アルカナ・サイレンとサイレンAのキットを購入する客。
 「…あれ?…仕事中毒さん、このキットはもう買っているのでは…?」
 「…う〜ん…、悩んだんですけどね、いざ作ろうと思ったら、どの型式で仕上げようかと
  悩むじゃあないですか…ならばいっそのこと、全型式で製作しようかと…
 「…本気ですか?…(唖然)…」
 こうして、野望はスタートした。

 別の日。今度は渋○の周年祭で再びサイレンA型を購入する客。
 無論購入する際、野望について(初対面の)S店長に熱く語ったことは言うまでもない。

 また別の日。今度は池○の周年祭に出没する客。例によってサイレンA型を購入する。
 「…4機目です…(かなり自慢げ)…」
 「…凄い…今までいろんなお客さんを見てきましたけど、そんな人は初めてです…」
 …ところが、これは通過点に過ぎない…

 ・・・

 舞台は再び○○○に戻る。またもや周年祭にあわせて、高額商品をゲットする客。
 「…そのアルカナ・サイレン…何個目ですか?…」
 「3機目です…(ニヤリ)…あと1機…」
 …時は流れて、ファイブスター関連のエキシビジョンの日。
 目ざとく例のブツを発見した彼は、迷わずレジに直行する。
 「…何個目、でしたっけ?…」
 「…(かなり自慢げに)…4機目です…これで、コンプリート…」
 「でも、作らないと、全く意味、ありませんよ…?」
 「…う”…痛いところを…ところで、しばらく置きっぱなしでいいかな…」
 「…(しかし、…もう言葉もありませんね)…」

 ・・・

 2000年秋。FSSファン待望の「ナイトフラッグス」発売。件の設定資料集を、
 貪るように熟読する彼。
 「…皇帝色、か…。この前赤いヤツ作ったばっかりなのに…どうしよう…」
 「…(なら、作るべしッ!!)…」
 そのまま、○○○に向かう彼。目的はサイレンF型である。
 「すいません、コレください…」
 「…何をするつもりなんですか?…」
 「買うんです」
 「…そうではなくて…」
 「作るんです」
 「…会話が成立しませんね…」
 「…皇帝色のコレと、こないだの赤いのと合わせて、グループリーダー機を揃えるんですよ…」
 「…なんと、壮大にして無謀な…」

 …ということで、再販のたびに同キットを購入、計4機を入手。
 2002年2月頃。漸くにして2機目「黒」リーダー機完成。
 「ビアンコ・ネーロ(イタリア語で白黒、の意味)」と命名、それなりに好評を博す。

 あと2機か…野望完全成就までは、あまりにも遠い…

 ・・・

 2002年2月某日。ワンフェス会場にてFSSイベントが開催。
 会場限定の「デストニアス」を入手すべく、有明に出現した例の客。
 なんと、出かける前に「仮面ライダー龍騎」第1話をフルで見ていたため、
 目の前で売り切れるという憂き目に会う(後日、これは伝説と化す)。
 軍資金の使いみちに困った客は、当日散々に迷った挙句、
 「アシュラテンプル(リファイン)」を購入。
 …当然、2機目である。

 2003年正月。「お年玉」と称してヴァージナルアートより「アシュラテンプル」が入荷。
 現場に居合わせた彼は、訳の分からない独り言をつぶやきつつ、レジへ向かう。
 「…うふふふふふふふふふふふ…(にやけた顔)…」
 「…やはり、ソレを買われますか…」
 「…やっぱり量産機は数を揃えないとネッ!!(ケロロ軍曹談)…」
 「…(…ダメだ、このヒト…どっかおかしいよ…)…」
 …3機目である。

 またしてもFSSイベント開催。…もはや何も言うまい。
 …4機目購入(まだ模型店に置きっ放し)。
 「…パイドル仕様のヤツも欲しいな…(ぼそり)」
 「…そういえば、クラーケンベールの姫沁金剛(フランベルジュ・テンプル)も、
  …欲しいな…某クスさん、やるって言ってなかったっけ…(さらにささやき戦術)」
 「…(まだ買うつもりだよ、このヒト)…」

 ・・・

 2002年秋頃。サイレンD型発売。とはいえ、期間限定商品なので、そう簡単には数が揃えられない。
 さすがの彼も、どうするか迷ったらしいが、現場に来て考えを一変…。
 「何だ、沢山売れ残ってんぢゃん…ということは…
  …俺に、買えって、コト、ですよね〜(勝手に解釈)」
 「…うわ…(驚く店員)…」
 「…すいません…コレ、3個下さい…」
 「そのココロは?…」
 「いや、劇中のあのシーンでは、B・C・D型が音速突撃してましたから…」
 「…(終始無言)…」

 その後のFSSイベントで、有無を言わさず4機目をゲットしたことは伏せておこう…
 (まだ模型屋から引き上げていない)…

 ・・・

 2001年正月。ニューキットエキシビジョンにて、A−TOLL(コブラ)を入手。
 そして、再販を機にMM版A−TOLLを入手。
 さらに、何かの機会にもう1機購入(計3機)。
 「魔導大戦ですからあ〜、せめて3機くらいはあ〜」
 「…機体番号書き換えて、ギラさま仕様に…うふふふふ…(妄想の領域へ)…
  個人的には、シュマイス仕様の「スキーンズ」も欲しいんですが…」
 「…あの、…客に言うことじゃありませんけど、ソレ位にしておいたほうが…」

 ・・・

 さて、舞台はどこかの模型屋に移る。給料日またはボーナス支給の後、彼は○機目のキットを
 求めて、都内各所を徘徊する。…そして。
 ギラ・ドーガ3機所有(4機目物色中)。
 バウ2機所有(同じく3機目捜索中)。
 インフェルノ・ナパーム2機所有(片方は普通に不透明で仕上げる予定、あくまで予定)

 なお、余談であるが、彼の家には、全バリエーションを製作しようと、買い漁ったプラモが、
 多数眠るという…ガレキの類は、氷山の一角に過ぎない…
 「もしも〜し、目的と行動が一致しませんよ〜」(さまざまな方面よりツッコミ)

 伝説は、今もなお続く…


■おわりに

 …モデラーとは、何と罪作りな人間なのだろう…
 限定キットに走り、自分だけガメて、しかも作らない…
 作っても、作らなくても増え続けるコレクション…
 俺が死んだら、コレ、どうなっちゃうんでしょうか…

 「…この物量なら…あと10年は戦えるッ!!」(オデッサ撤退?)


●付き合いきれないのでTOPページに帰る●

[EOF]

モデラー伝説 その2〜爆走編〜

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