有事法制に反対する君津地域市民連絡会 | ||||
講演 『忠米同盟=「戦争できる国家」への暴走』 講演 : 筑紫建彦氏 日にち : ’03年7月26日 主催 : 有事法制に反対する君津地域市民連絡会 リポート : T.M. | ||||
私たちの会は,昨年来この地城において,「有事法制」に反対する活動を続けてきました。 しかし,政府・与党と野党・民主党および自由党は、ほとんどまともな名審議をしないまま、6月6日、有事法制3法の採決を強行し成立させました。7月25日には、自衛隊をイラクに派遣する「イラク復興支援特別措置法法案」を強行採決しました。 私たちのたたかいは,これらの法律が国会を通ってしまったからといって終わりではありません。自衛隊をイラクに行かせない,そして有事法制を破棄に追い込むために,その発動を許さない,戦争をするためのさらなる法整備を許さない,戦争への協力を断じて拒否する,といういっそう重要な段階に入りつつあります。 7月26日,結成1周年の集会を行い,この1年間の私たちの活動を振り返り,これからの活動をどう闘っていくのか確認しあいました。そして,憲法を生かす会の事務局長・筑紫建彦さんから講演をしていただきました。 以下は,講演のメモです。 0.有事法制,イラク特措法の背景 昨日イラク復興支援特措法が国会を通った。野党4党が反対したが,牛歩戦術も不徹底だった。24日委員会で問責決議案4つ出したが,夜中までかかったとはいえ手続きが進んでいき4本とも否決されてしまった。25日は,衆議院での内閣不信任案1本だけにとどまった。 昔の国家総動員法時代は,馬も戦力の一つで,獣医までも動員されていった。三矢研究でも,自衛隊だけでなく国を挙げての動員がないと戦争は遂行できないとして,国民の動員の研究も行っている。三矢研究は,80名近い制服組が関与している。 小泉首相は,「備えあれば憂いなし」というが,万一の場合ではなく,必要があって国会に提出している。今度の有事法制は何が目的か。防衛庁長官は,「日本を攻める国」は,冷戦時代は「極東ソ連軍」だといって北海道に備えを敷いたが,実際は,ソ連には攻める船はなかった。冷戦後,対ソ連という理由がなくなり,自衛隊は,引き続き海賊への対応などで必要だとして陳情を行っていった。湾岸戦争では,130億ドルの拠出金を出したが,「血を流さない」と批判され,PKO法をつくり,自衛隊の海外派兵に踏みだしていった。 武器使用についても,「自分を守るため」からPKO法では「要員の生命などの防護のため必要最小限」,テロ対策特措法では「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命・身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」と活動範囲を広げることを一歩一歩やってきた。 北朝鮮の核問題が大きく報道されるようになってきた。’94年には,アメリカは北朝鮮を核攻撃する間際までいき,第7艦隊も動員していった。日本にどういう対応が出きるのか米国から問い合わせてきたが,この時,日本は支援の法律がないということで断った。’94年をバネにして,有事法制の研究が本格的に進んでいった。安保の再定義が’96年に行われたが,日本の防衛のための安保からアジア・太平洋の安全のための防衛関係に主要目的が変更になり,日本は「日本の周辺地域に起こることだから」という理由を付けて,米軍への補給などで支援するところに踏み出した。 米国がイラクへ派兵するとき,米軍兵士は「正義の戦争」だと思って行った。いってみたら様子が違った。任期(3ヶ月)が延びる間に戦死者が増えていった。圧倒的な多数の国民の応援がなければ,兵士は戦うという風にはならない。 住基ネットは「住民票を取るのに便利」,国民総背番号制について政府は「脱税を防ぐため」などといっているが,小沢一郎は,「日本の安全と治安維持のために必要」と本音で語っている。 国民保護法制について,福田は憲法の「基本的人権は永久に侵してはならない」といいつつ,「公共の福祉に反しない限り」でそれを調整するなどといっている。国の安全を守るのは「単なる公共の福祉ではなく,高度の公共の福祉」などといっている。思想表現の自由について,福田の憲法解釈は「内心の自由に留まる限り尊重する」「外部的な行為がなされた場合は絶対的といえない」,つまり「制限する。思っていてもいいが,戦争に協力しろ」と言っている。 拉致問題について,小泉首相は「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」といっている。拉致そのものは悪いが,かつて日本がやってきた戦争責任の謝罪をし,補償をしていかなければいけない。ところが今のキャンペーンは,日本の戦争責任の問題がなくて,拉致問題を使って「北を倒せ」という風になってしまっている。これを利用して,有事法制を通すのだという雰囲気になり,世論に押されて流された結果,有事法制が通されてしまった。 民主党は,有事法制に賛成していったが,民主党の得たものは「中身のない飾り」にすぎない。民主党は,有事法制について,「最大の問題は基本的人権」だとして,「制限については最大限に尊重」という文言が入れられたから賛成にまわっていった。しかし,「必要最小限」とか,「最大限の尊重」といっても,それを判断するのは政府の側である。 また民主党は,武力攻撃の認定について,「認定根拠を示し」という情報開示の修正を入れられたからとして賛成にまわったが,政府は根拠を正直に開示するはずがない。 民主党内は,まとまっていない。イラク派兵法について,衆議院は,採決にスイスイ応じていった。参議院では,色々問題点も出てきた。しかし,選挙の思惑もあり,衆議院で用意した内閣不信任案は4つだったが,提出したのは1つだけだった。 国会を通った有事3法は,首相の代執行権が明記されているが,首相は独裁権を手に入れたことになる。代執行権のおよぶ範囲は,自治体,民間の指定公共機関も含まれる。 「1.有事法制〜6.大同の思想」・・・・・>以下のレジュメを参考にして下さい。 【当日のレジュメ】(抜粋)
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