有事法制に反対する君津地域市民連絡会
「自衛隊のイラク派兵延長反対,撤退を求める街頭宣伝行動」
当日配布のチラシ


   日にち : ’04年11月20日(土)
ところ : JR木更津駅頭
呼びかけ :有事法制に反対する君津地域市民連絡会
リポート : T.M.さん
自衛隊をイラクから撤退させよう!!
 米英軍がイラク・ファルージャヘの総攻撃を行っています。攻撃に直接参加しているのは1万5千人といわれています。すでに多くの民家や病院などが無差別に爆撃されています。昨年のイラク攻撃開始以来、米英軍は10万人以上を殺しました。
 小泉首相は「(ファルージャ攻撃を)成功させなければならない」と発言しました。許すことはできません!
 また、自衛隊派兵について、小泉首相は、「12月14日の派兵期限まで『状況をよくみる』」、といい続けて開会中にはまともに立場を示さず、閉会後に国会をまったく無視して勝手に延長を決めるというやり方をすすめようとしています。自衛隊を出すときも国会を無視し、延長するときも,無視しています。国権の最高機関がまったく踏みつけにされ、ないがしろにされることを繰り返すわけにいきません。

 さる10月31日、香田証生さんがイラクで殺されたという悲報に接し、私たちは痛恨の思いです。
 香田さんの家族は遺体が発見された31日、記者会見で次のように話しました。
 「支えていただいた多くの方々に、大変なご心労をおかけしましたことを心からおわぴ申し上げますとともに、お礼と感謝の気持ちでいっぱいです。このようにはなりましたが、イラクの人たちに一日も早く平和が訪れますようお祈りいたしております」戦争反対のツラベト おじいさん、看護師さん‖子どもたちが戦争に怒っています|

 家族が殺されたにもかかわらず、「イラクの人たちの平和を願う」と語るご両親に、強く胸をうたれます。だからこそ、拘束が発覚した直後に躊躇もなく「自衛隊は撤退させない」と発言した小泉首相を許すことができません。
 政府やマスコミはこぞって「犯行グループ」の残酷さを強調していますが、それは問題の核心を覆い隠すものです。「危険地帯に行くのが悪い」と言う人もいますが、いったい誰が、いつから「危険地帯」にしたのでしょうか。

 アメリカのイラク爆撃開始から1年半、米占領軍はイラク人民を残虐極まりない手段で虐殺し続けています。その数はすでに10万人に及ぶといわれています。先日もサマラでは8時間もの空爆が行われ、計3万9千個のクラスター爆弾と計1万8千個のナパーム弾が落とされました。このような戦争を続ける米軍に対して、多国籍軍に参加する自衛隊は物資や人員を運ぶなどの支援を続けているのです。イラクを一方的に「危険地帯」=戦場にしたのはブッシュ大統領であり小泉首相です。私たちはまずこの事実をはっきりさせなくてはなりません。

 政府のいう「復興支援」はまやかしです。自衛隊派兵の真の目的は、戦後初めて、武装した自衛隊を戦場に送り、実際の戦場で自衛隊を人殺しの軍隊へ飛躍させることです。そして、世界有数の埋蔵量を誇るイラクの石油支配権を奪うことです。だから政府は、「安全性の確保」を口にしながら、どんなに危険な状況になっても決して自衛隊をイラクから撤退させようとはしないのです。
 小泉政権は、自衛隊イラク派兵の1年間延長と、陸自の増派を予定しています。イラク派兵阻止のたたかいを全力で強めていきましょう。
 イギリス、アメリカで緊急行動が闘われています。世界の人々と共に抗議の声をあげましょう!
 小泉首相「ファルージャ攻撃支持支持」発言弾劾!香田さんを死に迫いやった小泉首相を糾弾する!
イラクの人をこれ以上殺すな!自衛隊は直ちにイラクから撤退せよ!


有事法制に反対する君津地域市民連絡会

イラクの人々の声は
 占領軍こそ原因   アブドルサラーム・クベイシ師(イスラム聖職者協会幹部)

 われわれは民間人の拉致に同意もしなければ支持もしません。民間人拉致は抵抗運動とはなんの関係もありません。
 私は取材をうけた日本のメディアに対し、聖職者協会として人質解放に力を尽くすと述ぺました。しかしそれには条件があったのです。それは,日本の首相がこの問題でいかなる声明も出さないということでした。しかし残念なことに首相は,拉致犯人をテロリストだと声明してしまいました。人質がいまだ犯人の手の中にある時点です。政治問題と人道上の問題との区別が出来なかったのです。
 占領軍こそ,拉致事件を激化させている最初の,そして最大の原因です。米軍は現在,かつてのどの時期よりも凶暴になっています。彼らは抵抗に直面し,いたるところで殺人,破壊,爆撃行為をおこなっています。
 占領軍が最初にイラクにやってきた際には,彼らに石を投げる子どもはいませんでした。しかしいまは違います。小さな子どもまで米兵に強烈な敵意を持っており,テレビに米兵が映っただけで,スクリーンに物を投げつける子どもまで見られるのです。

 人質殺害はテロ           ファトマ・サルウミさん(女性ジャーナリスト)

 このような犯罪行為はイスラム教徒をまったく代表していません。この行為はテロであり、真の抵抗運動とは相いれません。これらの行為を根絶する唯一の方法は、多国籍軍の撤退であり、国際的にも認知されたイラクの政府をつくることです。一人のイラク人として,日本人に平和のメッセージを送るとともに,自衛隊が一刻も早くイラクから撤退することを望みます。米軍を追い出すことはもちろんです。

 「復興」ではない                    マーヘル・アッショマリ氏(政治評論家)

 私は占領軍に無関係の人間を拉致することに反対です。聖職者からもそれを拒絶する宗教令が出ています。イラクにはさまざまな犯罪集団が存在していますが、それらはすべて米占領の結果としてもたらされたのです。もし、米占領軍の撤退時期が明確になれば,全ての問題が改善の方向に向かうでしょう。
 私には,軍服を着て,武器を携行する軍隊が復興のためにやってきたなどとなぜいえるのか,理解できません。イラク戦争の前にもイラクには日本の大企業や建設会社の労働者がいましたが,当時は危険な目に遭う日本人は誰もいませんでした。日本の国民に訴えます。日本の純粋なイメージを守るため、政府に自衛隊を撤退するよう圧力をかけることを。

外国の軍は拒否      マハ・アブデルファタさん(女性を支援する全国連盟)

 私は,人間性を大事にする立場から拉致行為に反対します。占領こそ,拉致事件や,これを引き起こしているザルカウィやその他の過激組織が現れたことの最大の原因です。私たちイラク人は,北から南まで,イラクに存在する外国軍を拒絶しています。そこには日本の軍隊も含まれます。米軍の一部としてイラクにやってきているからです。

 攻撃拡大の根拠          サバーフ・アルジャーフ氏(ジャーナリスト)

 拉致行為を私たちは避難し,拒絶します。しかし,拉致事件の最大の原因は米占領に協力する国々です。日本の首相が自衛隊を撤退させないと明言したことは、今後、自衛隊に対する攻撃拡大の最大の根拠となるでしょう。
 イラク人はさまざまな勢力の協力と統一を基礎に,新たなイラクを建設する能力を持っています。西側の民主主義とは違った、正義に基づくわれわれの民主主義をつくりだすこともできます。日本を含むすぺての外国軍がイラクから撤退することを要求します。

 苦難を理解して          カリーム・ハムザ氏(バグダッド大学教授・社会学)

 占領軍はイラクで巨大な誤りを犯しました。治安と安定を担う組織を解散させてしまったこともその一つです。そのような状況の下,世界中から悪の勢力がイラクに集まってしまったのです。
 死亡した日本人にお悔やみを申し上げます。一方で,同じように,日本の国民がイラクの国民に今以上に心を寄せ,私たちの苦しみに関心を持つよう望みます。問題は,経済的支援の額ではありません。イラクが毎日,どのような苦難のもとで生活を送っているかをしっかり理解してもらえるかどうかなのです。

 復興は私たちで         スアード・トラーンさん(主婦)

 米占領軍はわが国を破壊し,巨大な混乱をもたらし,そしてすべての拉致と殺害の行為をそそのかしてきました。イラク社会はこの米占領軍を拒絶しており,占領が存在するかぎり抵抗が終わることはありません。日本政府は自国民の生命に関心を持っていません。なぜなら、米国との間の利益の方が国民の命よりも大きく重要だと考えているからです。
 私たちにとっては、日本の軍隊も米占領軍の一部です。日本の軍隊は米連合軍の粋組みのなかでイラクにやってきたのです。占領とともにある復興などあり得るでしょうか。
 戦争開始から二年近くがたちましたが,私たちは米国によるいかなる復興も見ることができません。国民が望んでいるのは米軍と全ての同盟軍がイラクから出ていくことです。外国軍が出ていった後で初めて私たちは合法的な政府を選び,自分たちの手で復興することも可能になるのです。
 私は日本の母親がすぐに息子をイラクから呼び戻し私たちの現実を伝えてほしいのです。イラクの母親は,息子が外出したら最後,彼がいつ戻ってくるのか,はたして戻ってこれるのかどうかもわからない,つらい思いで日々を暮らしています。
                                     (新聞『赤旗』11/5より)