東峰神社裁判
東峰神社裁判(所有権移転登記手続き等請求事件
(第5回口頭弁論)
03/03/31
@千葉地方裁判所
記録:T.M.
  • 準備書面(原告3)を提出
     前回法律的な主張をまとめてもらいたいとなっていたことについて,陳述した。原告側は,神社境内地が東峰部落の総有関係にあることを明らかにした。
    ・ (1)神社の土地は寺田増之助氏から東峰部落に寄贈されたものであり,東峰部落の共同事業として東峰神社を建立した。この時,神社林も部落で植林。この時から神社の土地,社は部落の所有になった。所有の形態は総有(入会権)で登記は不要である。
    ・ (2)仮に百歩譲っても利用権は東峰部落にある。東峰部落が存続する限り,存続する利用権である。
    ・ 次回,被告側の反論がある。

  • 25号〜33号証まで提出
    ・ 接触事故
    ・ オーバーラン事故
    ・ 公団から提出された黒塗りの資料について(「工事実施計画変更認可申請」段階で公団が作成した添付書類
  • 次回公団側は,一定の反論を行ってくることになっている。
東峰神社裁判(所有権移転登記手続き等請求事件
(第6回口頭弁論)
03/05/19
@千葉地方裁判所
記録:T.M.
  • 公団が,準備書面(3)を提出(原告側の主張に対する公団側の反論)
    (1) 東峰部落は所有権の主体にならない。権利の主体にならない。
    (2) 入会権は,江戸時代の遺物で,この入会慣習を権利として認めたものであり,だから新しく入会権が発生することはない。神社の利用権は,生活上欠くことのできない財物を得る入会権とは違い,入会権ではない。
    (3) 対抗要件がない。(所有関係が第3者にわかるように公示されていない)
       
  • 公団の陳述に対する弁護団のコメント(裁判終了後の総括会議において)
    ・ 「権利の主体にならない」ということについて : 東峰部落名義で登記が出来るかどうかということで,公団の主張は問題にもならない。権利能力なき社団の形態が東峰部落にある。
      
    ・ 「入会権は江戸時代の遺物で,新たに発生することはない」ということについて :  入会権は1896年(明治29年)の民法制定後も,村落集団が集団として土地を取得し総有的に支配する場合,新たに発生する。これを認める判例もある。近くは,横堀墓地の所有権を争った横堀墓地裁判で,1903年(明治36年)入植後に造った墓地の入会権が判決によって認められた。また,九州の炭鉱地帯の廃棄物を集積する場所について,総有であると認めた判決がある。

    ・ 「神社は入会権になじまない」ということについて :  入会地の利用形態には制限がなく,入会者の意思によってその内容を決めることが学説によって認められている。
     
    ・ 「対抗要件がない」ということについて : 入会権は登記なくして第三者に対抗できるし,神社はだれが見ても神社であることから,社会的に見て神社の存在とその権利関係は明らかである。社会的に見て関係がはっきりわかれば充分なのである。部落の産砂神社を部落で管理しているということで充分なのである。だから,特別の登記,公示は必要ない。公団は,部落所有であることを百も承知でこんなことを主張している。

      
  • 次回裁判の期日は6月30日(月)午前10時30分,千葉地裁501号法廷です。傍聴に駆けつけてください。
東峰神社裁判闘争カンパ支援要請
原告および東峰区住民一同
記録:T.M.
東峰神社裁判の原告と東峰部落住民から裁判闘争の支援カンパが訴えられています。以下はその呼びかけ文です。

  

 現在、千葉地方裁判所民事第二部において、千葉県成田市東峰区の産土神社(東峰神社)の境内地の所有権確認と神社林伐採の違法を問う裁判が行われています。
 私たち原告ならびに東峰区住民は、この裁判闘争の支援カンパを訴えます。

 二〇〇一年六月十六日、新東京国際空港公団は当時建設中の成田空港暫定滑走路の飛行の障害になるとして、東峰区に何の相談も通告もせずに、機動隊が地区住民を排除するという異様な状況のもとで、東峰神社の神社林を伐採しました。直後に空港公団総裁(中村徹=当時)は「神社の土地の所有権は空港公団にあり、そこにある立ち木も公団の所有物である」との暴論をもってその違法行為を弁明しました。

 私たち東峰区住民は、@神社境内地の所有権は東峰区にあることを認め、A伐採した神社林を原状に戻すこと等を求める訴えを、翌年四月九日千葉地裁に起こしたのです。
 
この裁判の核心点は、滑走路間近に集落があることを度外視して建設を強行した暫定滑走路開港のために、空港公団が神社林の伐採を迫られたところにあります。神社林は地区住民全体の所有(総有)関係にあります。これを切り倒すための同意を住民から得られないとみた空港公団は、神社境内地が空港公団の所有物であるとの偽りを掲げることで神社林伐採の根拠としたのです。

 これは近代的な土地所有関係が確立される以前からの所有形態として、民法(263条)においても各地方の慣習上の法理に従うべきものと規定されている総有を真っ向から否定する前代未聞の暴挙です。
この裁判は数ある公共事業において住民の権利を守るためにも大きな意義をもつものであると考えています。
 また
地区住民にとって東峰神社は、苦しい開拓時代を乗り越えた部落の象徴であり、いまも精神的拠り所としてあるのです。空港公団による土地所有権の剥奪と神社林の伐採は、私たち地区住民の歴史と人格を否定し、助け合いの絆を断って村落の解体につながりかねないものであり、村を守るためにも勝利しなければなりません。ここに私たちは、空港公団の違法・不当と闘うことをあらためて決意し、皆様へのご支援を訴える次第です。裁判闘争勝利のための支援カンパに、皆様のご協力を切にお願い申し上げます。

 2003年3月15日
 原告:石井恒司、川嶌みつ江、小泉英政、島村昭治、萩原進、樋ケ守男、平野靖識、東峰区住民一同


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 カンパ送り先:
  郵便振替口座 00130−2−83027  三里塚野戦病院
             “東峰神社裁判カンパ”と記載してください。

第5回口頭弁論
(2003年3月31日)


第6回口頭弁論
(2003年5月19日)

裁判闘争カンパ支援要請
(原告及び東峰地区住民一同)