自衛隊をイラクから撤退させよう! STOP!有事法制 「国民保護」法案に反対する4.10集会 各登壇者の発言要旨 いつ:2004年4月10日(土) とこで:中野ZEROホール 主催:とめよう戦争への道!百万人署名運動 リポーター(文責):管理人 | |
小田原紀夫さん(百万人署名運動書紀局次長) 3人にはなんとしても生きて帰ってもらわねばならない。イラクの人質事件の全責任は日本政府にあるにもかかわらず、撤兵を最初から考慮していない。 (辺見庸氏の論稿を引用して)戦後社会の平和・安定を求めるだけの平和市民運動には疑問がある。それは、南北間格差と、南の収奪を前提にしたものだから。 また、共謀罪は話し合っただけで罪なるような突出した悪法であるが、今でさえすでに、市民社会は息の詰まるような状況になりつつある。労働者・民衆が十全に生きることができ、世界の民衆とともに生きる社会を目指してがんばりたい。 玉田雅也さん(全国港湾労働組合協議会事務局次長) 2月17、18日の室蘭行動では、全国からそして、百万人の人々に支えられて、荷役阻止闘争をやりぬいた。 3人の拘束は自衛隊派兵に原因がある。この期に及んでも小泉「首相」は米国追従の姿勢を改めない。 「国民保護法」は治安維持法、国家総動員法以外の何ものでもない。 日本国憲法を生かす道が国民保護だ。 労働者は仕事に誇りを持っているがゆえに戦争には協力できない。 戦前の歴史を繰り返させないことが今を生きる者の責任だ。 国民保護法がなくても立川テント村のような人権弾圧が行われている。 彼らの策にはまってはいけない。 労働者は無関心でも、権力者は労働者に対し、無関心ではいない。 この大会を闘いのバネにしよう。 高山俊吉さん(憲法と人権の日弁連を目指す会代表) 全国5000人の弁護士を代表して挨拶をします。 自衛隊は直ちに撤退せよ。 「日本人救出」が突出して叫ばれることに強い違和感を持つ。 これまでどれだけのイラクの人々が殺されてきたのか。 これを考える人こそ救出を考える資格をもつ。 日本はすでに戦争する国になっている。 すさまじい勢いで悪法が国会で審議されようとしている。 「裁判員制度」は権力者志向の教育である。 「日本司法支援センター」は重大事件の国選弁護人を管理し、 個々の事件の弁護人の割り振りも行って、弁護士会の推奨権はなくなる。 「刑事訴訟法改悪」は、証拠調べ決定まで、密室の手続きとなる。 「共謀罪」は「意思の連絡」があったと権力が認めれば、何の行為がなくても犯罪となる、恐るべき法律だ。 「労働組合法改悪」は労働委員会の審査迅速化を口実に、労働者の主張・立証を制限する。 「審問を妨げるもの」は退廷・過料。 偽証は懲役。 団結権を否定する労働審判制だ。 国会の終了する6月15日まで、ともに闘おう。 4月21日(水)18:00〜弁護士会館2階(講堂:クレオ)を埋め尽くす集会を行うのでぜひ来てほしい。 Aさん(都立高校教員) 東京都の公立学校では「日の丸、君が代」強制の嵐が吹いている。 この3月、都立高校の卒業式には、200人の教職員が不起立で抗議した。都教委は3月31日迄に全員に不当な処分を言い渡したが、これに対するため、弁護人をつけることを申し入れたが、70人に対し、これを拒否してきた。 生徒の不起立に対しては、その担任が事情聴取を受ける始末である。 ある高校で、生徒が起立しなかったところ、都議の土屋が「起立しろ」と怒鳴り、生徒から逆に「思想信条の自由がある」と反撃された。 養護学校の卒業式でも、自分で起立のできない子を教員が支えて強制的に立たせた。 子どもたちは、自立を目指して勉強に励み、この日を迎えたにも拘わらず、まさに、この卒業式で人の手を借りて立たねばならなかった気持ちはいかばかりか、察するに余りある。 このような強制の嵐は、石原「都知事」の下、都教委と都文教委員が行っている。 これに対し、私たちは、予防訴訟(注)で闘っている。 皆さんの絶大なご協力をお願いしたい。 (注) 予防訴訟とは、一般的には処分が出されて、撤回裁判をするのが普通ですが、予防訴訟は処分がでされる前に、命令そのものが不当・向こうであることを問う裁判です。命令による「起立・斉唱・ピアノ伴奏」の一律強制は、思想・良心・信教の自由という重大な人間の尊厳に対する侵害であり、命令は精神的・身体的な暴力です。これは教育の基礎を破壊し、若者の未来を閉ざします。不起立をする人も、やむなく起立させられる人も前もって命令の不当性を訴えることができます。現在都立学校の教員228名が原告となり、都教育委員会と石原「知事」を被告として裁判を開始しました。原告はさらに増えて第2次提訴も予定しています。画期的な教育裁判になっています。 裁判の予定
松尾高志さん(ジャーナリスト、大阪経済法科大学アジア研究所客員研究員) ジャーナリストで大阪経済法科大学アジア経済研究所客員研究員の松尾高志さんは、「日米安保から見た有事法制」というテーマで講演を行った。 「いまなぜ有事法制か」、冷戦の終結とともに日米安保が日米同盟に変質してきた経緯が説明された。 「日米新ガイドラインから「国民保護」法案まで、憲法の破壊行為そのものであり、残ったものは字句だけである。みんなで知恵を出し合ってゆくしか方法がない。」と講演を結んだ。 知花昌一さん(沖縄反戦地主、読谷村議会議員) 東京で3人の解放を要求する街宣でチラシを撒いたが、受け取らない人が多く驚いた。 沖縄でチラシを撒けば70%の人々は受け取ってくれる。何でこんなに無関心なのか。無関心の大衆に支えられて、いまの社会状況がある。何とかしなければならない。 有事法制は沖縄戦を教訓につくられている。 勝つためには全てが動員される。人権が守られるはうそだ。戦争遂行上、足手まといになるものは排除されるのだ。沖縄は本土決戦を遅らせるために捨石にされた。 米軍の上陸地点が分かっていたので、日本軍はここから、住民を残して、島内の他の地点へと逃げてしまった。年より、子どもは逃げることができず置いていかれた。しかし、洞窟に逃げ込んだので却って被害が少なかった。 子どもは本土へ疎開させられたが、これは、食糧確保と足手まといを無くすためだった。 住民が逃げ込んだガマや亀甲墓で日本軍は住民を盾にして戦った。軍隊は住民を守らない。(管理人独白:今回も小泉、福田は3人をアメリカと日本の国家主義の犠牲にしようとすることをいとわなかった。) 有事法制だけでは戦争はできない。戦前の教育の恐ろしさ・重要性を強調してもしすぎることはない。沖縄戦での集団自決・玉砕は戦前教育の「成果」だ。いまこれが着々と行われている。 日米安保は「世界安保」になりつつある。 韓国・米国本土・沖縄の基地の一部を日本本土に移そうとしている。 多くの人が大きな声をあげてもう一歩、二歩進もう。 清水雅彦さん(明治大学講師・憲法学) 清水雅彦さんは「平時から戦争をつくる『国民保護法制』と題して講演を行った。 「国民保護」は欺瞞であり、ようするに、民衆の広範な人権を制限して、戦争をし易くする内容のもであること。 自治体や民主党が日本が戦場になった場合の想定して問題を提起しているが、狙いは「アメリカの戦争<朝鮮有事、南側の収奪に対する反抗を抑える>」のためものであるという視点が見抜けていないことなどが指摘された。 現在、いくつもの自治体で、「治安の悪化」を口実に「生活安全条例」が制定されているが、これは自治組織で犯罪をあぶりだそうというものであり、この体制が「有事」のときの体制にとなる。 また、思想・良心・表現の自由は不可侵としているが、これ以外の人権が侵害されることになること、地方自治という民主主義の根幹にかかわる国・自治体との役割関係などが変わってしまう、などなど、現行の憲法に抵触する多数の重大な問題が含まれている。 終わりに、 (1)現在の平和運動の問題として、運動の中で分裂・対立し、労働者が加われないような運動をするものがあること。 (2)国民保護法制の欺瞞を訴えることと、憲法擁護の運動を結びつけること。 (3)憲法擁護は9条を守るだけでなく、前文を重視し、積極的な平和主義によって、南北問題をなくすことがテロを無くすことになることを念頭に、グローバルな運動の構築をすることが必要ではないか。 ・・・・との提案を貰った。 渡辺鋼さん(人間回復を求める石川島播磨重工原告団長) 渡辺さんは「戦場に派遣される労働者」と題して、防衛産業の労働現場からアピールを行った。 石川島播磨重工(以下IHI)は40年近くも、共産党支持などを理由に、昇級、賃金の差別に始まって、職場行事にいたるまで、徹底した差別を行ってきた。これを名づけて「ZC(zero communist)運動」という。 渡辺さんら原告8人は、3月22日東京地裁で「画期的勝利」の和解を勝ち取ることができた。 このような差別はIHIだけの問題ではないようだ。 最近は「防衛機密」の範囲が拡大し、従業員本人はもちろん、連れ合いや子どもまで、夫(父親)が会社で何をしているか、どこへ出張したか、世間話もできない状態にある。 IHIでは、「国民保護」法制ができる前の今でも、防衛庁と会社の担当レベルで日常的にメールで派遣要請がきているような状況だ。 インド洋へは、すでに10回、32人が密かに派遣されている。懲役付の「防衛機密保全義務」が睨みを利かせているので、従業員は不安の声すらあげられない。 組合も「戦地派遣は重要不可欠な業務」と、会社とまったく一体となっている。 そして、派遣先での安全について、防衛庁、厚労省、会社のいずれが責任を持つのか分からないという始末だ。 「職場の人権無くして、平和はありえない」ことを強く心にとめねばならない。 4.10「政府は3人を殺すな!自衛隊はイラクから即時撤退させよ!」国会前行動 集会途中、国会前行動から、急遽駆けつけた仲間たちが報告を行った。 「1000人が国会前に集まった。イラクの人々と手を結んで3人の解放を求めていこう!」などの報告・呼びかけがあった。 「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」 今日、立ち上げたばかりの「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の元自衛官の2人の若者が「自衛隊をイラクから撤兵させよう」とのアピールを行った。 このなかで、「隊員や家族の声が圧殺されている」、「イラク派遣の現状について、隊員達が疑問を持ちは始めている」などの報告が行われ、「早期完全撤退」のアピールしました。 なお、O4.10集会(@中野ZERO)での、この会の立ち上げについて、朝日新聞で報道されました。 西川重則さん(百万人署名運動事務局長) 西川さんは、中国で開催された、小泉「首相」の靖国参拝に関する「1万人集会」に参加して、帰国したばかりである。 その集会では、日本の自衛隊派兵に関すること、小泉「首相」の歴史認識、731部隊など中国の民衆に甚大な被害・犠牲をもたらした歴史問題が取上げられた。 いま、日本では権力による「民衆の分断」が行われているが、これにどう立ち向かうべきか。 立川で、公教育の場で、人々は投獄されたり、理不尽な扱いを受け続けている。 今ほど百万人署名運動が必要な「とき」はない。 (西川さんは)憲法の講演で日本各地に出かけてきた。 憲法を学んで悪法を問い、地方から世界へ連帯して闘おう。 民衆への支配・統制を強めつつある現在の状況は、戦争体制の日常化を行おうとするものだ。 共産党、社民党を併せても議席が10%そこそこで、我々はマイノリティーに見えるかもしれない。 しかし、我々はマイノりティーではない。国際連帯がある。 この後、東京事務局のKさんが、18時から行われる「政府は3人を殺すな!自衛隊をイラクから即時撤兵させよ!」の新宿駅頭街宣への集結を呼びかけて閉会となった。 |