行動の記録(08年1月)
            <前月までのバックナンバーはこちらです
 
 1月4日(金)、たまたま旅行で通りがかった近鉄電車の宇治山田駅(三重県伊勢市)で何と福田康夫首相に遭遇してしまいました。

 私は、真珠や水族館で知られる鳥羽から普通電車に乗り宇治山田まで来て、 この駅始発となる名古屋行きの急行に乗ろうとしました。普通電車を降りたところ、前方の乗りかえ通路は駅員により封鎖され、乗客は後方の通路へと誘導されました。すわ事件・事故か、と思って近くの駅員に聞いてみると、「福田首相が来るんで・・・」という返事。急行の止まっているホームに出てみると、6両編成の電車は最後尾車輌のみ扉が開いていて、前の5両は締切扱いとなり、近鉄関係者や警官が規制線を張っている状況でした。

 扉は締切ですが急行電車の車内は自由に動けるので、どんどん前方に進んでいくと、報道陣が脚立を並べて陣取っているのを発見。ほどなくして名古屋からの特急電車が反対側ホームに到着し、いつもの飄々とした風貌の福田氏がスタスタと降りてきました。駅長が出迎え、SPが周囲をガッチリと固める中、出口に向かって階段を下りていった、という流れです。テレビではよく見る光景ですが、図らずもこの目で見ることになってしまいました。
 ちなみに、名古屋からの特急は通常の6両編成に、首相専用の2両を名古屋方に増結した8両編成で運行されました。

 そう、福田首相は伊勢神宮参拝のために、この駅に降り立ったのです。
 ここでハタと思ったのですが、この現職内閣総理大臣および閣僚による伊勢神宮参拝もまた、憲法の定める政教分離に違反する行為ではないでしょうか。
 首相・閣僚の靖国参拝が大問題になるのは至極当然として、対照的に伊勢神宮参拝をほとんど批判しないメディアのあり方も大きな問題だと思います。

 伊勢神宮はもちろん「単なる神社」ではありません。内宮(ないくう)に天照大神、外宮(げくう)に豊受大御神を祭神として天皇制と固く結びつき、明治以降は国家神道の頂点に位置づけられた「特別な神社」です。

 福田氏が一国会議員として参拝するならともかく、総理大臣の地位にあって、しかも私が宇治山田駅で見たように、「総理大臣として」警護の人間に周りを固められながらの参拝は、上述のような伊勢神宮の特性から見ても、国家神道体制を反省して定められた憲法の政教分離原則の精神を真っ向から踏みにじる行為という以外にないと思います。しかも、聞くところによると歴代首相は「二礼・二拍手・一礼」の神道形式で参拝し、随行員の旅費も公費でまかなわれているとのことです。

 マスコミではデパートの初売りと同じように、あたかも「風物詩」のごとく首相の伊勢参拝を毎年報道していますが、こうして伊勢神宮は今も「特別な神社」という意識が、繰り返し民衆に刷り込まれていくことになります。
 国家神道体制こそが戦争体制の中心だったことを今こそ思い起こし、首相・閣僚による伊勢神宮参拝にも強く反対しなければならないと共に、マスコミにももっと問題意識を持った報道をするよう求めたいと思います。

 当日の写真はこちら
 安倍前首相宛の参拝反対声明(日本キリスト教協議会)
   ⇒ http://ncc-j.org/diarypro/archives/189.html

 福田首相参拝当日の車両運用(近鉄ファンサイト「近畿日本鉄道博物館」)
   ⇒ http://www.k-m.jp/news/2008/01/200801060020.html    (R)

 
街頭行動 1/6(日) 
 場所:千葉市
 今年始めての街宣を,Rさん,Aさん,Nさん,Kさん,Fさん,そして私の6人で取り組みました。Aさんは,3時から用事があるのにわざわざ来てくれて,30分程ビラまきをやってくれました。9条署名86筆、テロ新法反対署名16筆,、ビラは新テロ特法反対のを200枚強配布という状況でした。

  ビラの受け取りは良く,署名もまあまあという状況でした。
 「自分は,右翼だ。自衛隊の派遣に賛成」という45歳前後に見える男性が通りました。「話だけでも聞かせてくれませんか」と言うと,立ち止まり応じてきました。「北朝鮮から攻められたら,黙ってやられていいのか」「自分が,誰かに暴力を振るわれても,黙ってやられているのか」と言うので,「日本こそが攻める側になろうとしている」また「個人の喧嘩と国と国との戦争は違う,個人と個人は感情で喧嘩をすることがあるけど,国どうしはそうじゃない」といったやりとりでした。結局,「どこまで行っても平行線」だと言って去っていきましたが,せっかく会話が成立したのですから,彼が右翼の活動家なのかとか,どうやって喰っているのかとか,今の社会をどのように見ているのかといったことを聞いてみればよかったなあと思いましたが,後の祭りでした。

 また,中学生だという男性のグループが,「戦争反対」といって割と積極的に署名に応じてきたので,「ワーキングプアってどう思う」とたずねると,「ニートなら知っている」「だらしない」といったことを言うので,「彼ら自身なりたくてなったわけではない,彼らの責任ではないのではないのかなあ」と返し,さらに話していると「そうですね」と肯定するようには言うのですが,シラッとした感じになってしまいました。難しいですね。
 (T)

 
「給油新法」阻止!国会行動 1/10(木) 
 場所:参議院議員会館前の歩道
  「対テロ給油新法」はアフガン,イラク侵略戦争に協力する戦争法。戦争を許さない!という労働者民衆の怒りを国会にぶつけよう。法案の委員会での審議日である1/10前後が山場,という呼びかけに応え国会前に駆けつけました。
 とめよう戦争への道!百万人署名運動,福祉労働者連帯ユニオン,なんぶユニオン,東京東部ユニオンの呼びかけで,全体で80名余りの参加で,千葉からも複数駆けつけていました。この日,国会前では全労連傘下の組合による請願行動も取り組まれ,請願を終わった彼らも議員会館前で座り込みを行っていました。また,修学旅行の子供達を載せたバスから注目を集め,中から盛んに手を振ってきました。

 「新テロ特措法は,今日の委員会で反対多数で否決され,明日の参議院本会議でも否決,その後午後の衆議院本会議で2/3以上の多数で再議決して,成立されようとしている」という情勢が報告され,こういう中で,あくまでも反対を貫き,戦争を許さない!という労働者民衆の怒りを国会にぶつけていきました。
    (T)
 関連記事
  絶対反対!新テロ特措法 (百万人署名運動HPより)
  対テロ給油新法の可決弾劾 (
北島邦彦さんの「すぎなみ未来BOX」より)
  給油新法(新テロ特措法)反対!国会闘争 (「ヨッシーとジュゴンの家」の日誌より
  
1月7日から11日まで、連続国会闘争闘い抜きました (
人権を考える会 パイザさんのHPより)

  新テロ特措法の廃案を求めて国会行動を行った (全労連HPより)
  57年ぶり!「テロ新法」再議決の暴挙 (レイバーネットHPより)
 
街頭行動 1/13(日) 
 場所:千葉市
 この日の街宣には5名が参加。11 日の「新テロ特措法」衆院再議決強行の直後ということもあり、それぞれが気合を入れて署名に取り組みました。最高気温7℃、北風が強く吹きつける大変厳しい寒さの中、9条署名120筆、チラシ配布100枚という大きな成果を得ることができました。

 マイクアピールはいつものように私が行い、「57年ぶり」の衆院再議決は「郵政選挙」でもたらされた3分の2与党「バブル議席」により強行された大暴挙。曲がりなりにも「テロ特措法延長」が争点となった昨年7月の参院選において示された民意を否定するものと、改めて強く指摘しました。
 福田首相の「ソフトイメージ」とは裏腹に、やっていることはその戦争政策を堅持・強化した危険な政権だということが「再議決強行」からも明らかとなり、改憲に向けてガツガツとした印象を与えた安倍前首相とは違う手法で「ソフトイメージ」で煙に巻きながら、いつの間にか改憲への道が推し進められていく危険性を訴えました。

 一方、マスコミ報道(特にワイドショー)では、民主党の姫井ゆみ子参議院議員が自著のサイン会を10日(木)に行ったニュースに絡めて、「新テロ特措法」報道を押しのけるようにして同議員の「不倫問題」をまたぞろ蒸し返す有様です。これについても私は、本来しっかりと報道すべき「テロ特」問題を報道せず、姫井議員の本来の政治活動とは無関係なゴシップネタでいつまでも大騒ぎする扇情的な体質を批判。加えて、「姫の虎退治」で参院自民党の「ドン」だった片山虎之助氏を破った「野党躍進の象徴」であり、地元岡山では「九条の会・岡山」の活動にも取り組む姫井議員へのバッシングは、自民党政治への強烈な拒絶として示された昨年7月参院選の意義を否定し、何が何でも戦争政治を続けようとする福田政権を下支えするものに他ならず、私たちはこうした「俗情」に擦り寄るマスコミに惑わされずに、反戦平和の立場から本質を見極めることの大切さも強調しました。  (R)

 
街頭行動 1/20(日) 
 場所:千葉市
 この日の街宣は5人での取り組みでした。9条署名70筆,ビラは150枚配布という状況でした。

 署名を開始ししばらくしたら,久々に右翼が登場。街宣車2台で,道路を挟んで向こう側に車を止め,大音響のマイクで私たちへの攻撃をやりだしました。たかだか5名程度の署名行動(されど署名行動でもありますが)をわざわざ妨害をしに来て,いったい彼らは何を恐れているのでしょうか。百万人署名運動の存在に,彼らなりに危機感を抱いているのでしょうか。

 「おい,そこの動労千葉,中核派,九条の会!!」と私たちの運動にあらゆるレッテルを貼り,ある特定の個人名を挙げ「○○はいるか?出て来い!」と名指し攻撃までしてきたのです。
 「中国は,○と△と□などで民族抑圧をしている。これに百万署名運動はなぜ抗議をしないのですか」「中国は日本にミサイルを向けている。これからどうやって守るのですか」「アメリカがいつまでも日本を守ってくれるわけではない。自分の国は自分でを守る軍事力が必要だ」「百万人署名運動はパトリオット配備に反対だといっているようだが,パトリオットミサイルは防衛のための兵器。これに反対してどうやって日本を守るのですか」などと,とても慇懃無礼な態度で妨害。おまけに彼らは,自分たちは「市民団体だ」などと言う始末です。

 10数分ほどこんな妨害をした後,街の周辺をぐるりと廻って,またやってきて,先ほどと同じように妨害をしてきました。
 その上,今度は通行人のふりをした普通の服の男が,私たちの近くでビデオカメラを向けてきました。「これは右翼だ」と言ったら,マイクでしゃべっている人物と同じフレーズのことを言ってきて,本性を簡単に現したのです。さらに,街宣車にいた戦闘服の男も一人やって来ました。
 脅しで,署名行動を破壊しようとしたのでしょうが,そうはいきません。こんな状況の中でも,署名をしてくれる人は何人もいました。大変勇気の要ることだったと思います。署名仲間のVさんは,1時間もかからず余裕で20筆を集めてしまいました。

 そのうちに,オーバーコート姿の公安刑事と思われる(あるいは右翼かも知れませんが,見分けがつきません)中年の男2人組が現れて,右翼の2人をなだめ引き下がっていきました。

 前回右翼の登場記事はこちらです。
  (バックナンバーを見たら,もう1年半も前のことでした。)  (T)
 
インド洋への再派兵に抗議!@横須賀  1月24日(木)

 1月24日午前10時すぎ、神奈川県の横須賀基地からインド洋にむけて海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」が出航しました。「給油は戦争だ!」「インド洋に行くな!」「自衛官は派兵を拒否して闘おう!」「労働者も連帯して闘うぞ!」と訴えて、早朝から神奈川県連絡会などの皆さんと一緒に抗議行動に立ちました。

 
(上の記事は,百万人署名運動・事務局のブログより転載)
 
街頭行動 1/27(日) 
 場所:千葉市
 この日の街宣は5人での取り組みでした。9条署名106筆,根津署名4筆,ビラは200枚強の配布という状況でした。 ビラの受け取りは結構よくて,終了の30分前にははけてしまいました。

 自衛官になりたいという青年が,「戦争反対です」といって署名をしてくれました。「自衛隊に入って国際貢献したい」と話していました。
 「国際貢献」したいと考えて自衛隊に入ったのに,戦争をするために動員されたのではたまりません。あらためて自衛隊の海外派兵を絶対に許しては行けないと思いました。

  今回は,先週現れた“歓迎しない一団=右翼”は来ませんでした。お陰で署名は100筆を越えることが出来ました。先週は,「前回右翼が現れたのは1年半も前のこと」と書きましたが,この日の署名行動の時このことをみんなに話したら,「1年半前」以降にも何回か来ているとのことでした。女性陣だけの行動の時には,「そこの動労千葉のおばさん」などとマイクで騒いでいたそうです。そういえば,そんなことを聞いていたように想いました。いずれにしても「久々の右翼の登場」ではありました。   (T)
 
 1月28日(月)、東京・阿佐ヶ谷のライブ居酒屋「Asagaya/Loft A」で行われた『週刊金曜日』のトークイベント「雨宮処凛新春トーク・今年はもっとすごいぞ!」に参加してきました。
 「Asagaya/Loft A」は新宿歌舞伎町に古くからある「Loft/Plus One」の「阿佐ヶ谷版」というべきところで、居酒屋形式でアルコールや一品料理を提供しながら、サブカルチャーから政治・社会問題までありとあらゆるトークイベントが毎日開催されています。

 今回は2部形式で、第1部が「今宵、“一人占め勝ち”トヨタを車検に出す!」と題して、業界のガリバーにして批判はタブーとされるトヨタの真実に迫るトーク。林克明さん、横田一さん、山崎龍さん、鎌田慧さんといったトヨタ問題を追ってきたジャーナリストに、元トヨタ労働者も交えたセッションでは、ハイブリッドカーとして「環境にやさしい」とされる「プリウス」が実は環境にやさしくない(製造、使用、廃棄までのトータルコストでは従来車種より負荷が大きい)実態や、トヨタ流「カンバン方式」(在庫を持たず、必要なものを、必要なときに、必要なだけ)が労働の世界に持ち込まれたことが「日雇い派遣」「ネットカフェ難民」問題の元凶である、といった指摘が次々になされました。これは言葉を変えれば、「トヨタが変われば日本が良くなる」ことを意味し、もっと企業問題にも目を向ける必要性を感じました。

 第2部が、椎名誠さんに代わって今年から『金曜日』編集委員に就任した雨宮処凛さんと、同誌社長を務める佐高信さんの登場。途中、マンガ家で同誌編集委員の石坂啓さんも飛び入り参加。

 第1部の話を引き継いで雨宮さんは、ワーキングプア問題で愛知県を取材していると、全国から愛知に来てトヨタ関連や下請けの企業の労働を経験した、言わば「トヨタ経由のワーキングプア、ネットカフェ難民」が相当多数にのぼることを暴露。トヨタ自動車「本体」では無茶できないかわり、下請け労働者にその「シワ」を寄せている実態が明らかにされました。

 また、かつては「右翼」「愛国」活動にいそしんでいた雨宮さんの来歴に話が及びました。1975年生まれ(私と同世代!)の雨宮さんは、戦後50年を迎えた95年、改めて歴史を勉強したいと思ったら「右翼」か「左翼」に行くしかなかった。「左翼」にも顔を出したけれど「小難しい話ばかりでよくわからなかった」。しかし「右翼」の言うことは「わかりやすかった」のでその道に進んだ、と言います。
 そしていろいろなきっかけで「右翼」を辞め、自分の経験に基づく「生きづらさ」を考えていくうちに「憲法」に出会い、「プレカリアート」問題に取り組むなかから、いわゆる「左翼」と行動を共にする機会が増えた、ということです。

 雨宮さんの話からは、若い世代への訴求力という点で、いわゆる「左翼」の私たちの運動がきちんと考えていかなければならない問題を提示されたものと受け止めました。同時に、雨宮さんに多くの若者が触発され、この国の政治や社会を変えていく運動に何らかの形で参加してほしいという思いを強くしました。 (R)
 
ふたたび、真夜中のPAC3配備反対闘争!@横須賀市・武山基地  1月30日(水)

 1月30日未明(午前1時半〜4時)、パトリオット3ミサイルの自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)配備反対闘争を闘いました。地区労の労働者や市民など60名が緊急結集して抗議行動をくりひろげました。

 
(上の記事は,百万人署名運動・事務局のブログより転載)