11月23日 晴れ 中潮 月齢18.3 室津沖(エルモ坂口船長)

まさかまさかの竿頭

「シーズンが終ってまう前に1回ジギングに行かへん?」

と言う釣友すえさんの誘いに二つ返事でOKしたのが11月初旬、約半年ぶりになるジギングです。

実は春に出雲大社沖に出たのですが波と風で船長以外全員ボ○ズをくらったのです。

AM5:25の乗船時間に岡山からやって来る釣友達との集合はAM4:30。

「赤穂からやったら30分もあれば着くやろ?」

と言うすえさんに

「なんぼなんでもそりゃ無理やでぇ、もちょっと早ょ来てよ。」

とメールで打ち合わせたものの集合場所にすえさんとジギングの師匠O師匠が到着したのが4:20。慌てて道具を積み換え出発です。

道中いつもの釣り談義、特に笑えたのが北○鮮のキム・ジョ○イル氏にまつわる話で

「なんでも彼は釣り好きらしい。船の上から”次は鯛じゃ!鯛が釣りたいぞ!”と言うと水中に待機している工作員が針に鯛を掛けるそうな。」

という話で

「よっしゃ!そんじゃぁオイラ達も”ブリじゃ!ブリが釣りたいぞ!”と叫びながらシャクれば工作員が付けてくれるかもね?」

ブリじゃ!ブリが釣りたいぞ!と大合唱しながら高速を飛ばすもすでに時刻は5:00を回っています。

「ところで乗船時間て何時でしたっけ?」

「・・・5:25。」

「間に合うんやろか?もしかしておいてかれたりして・・・。」

夜間工事中で1車線の加古川バイパス、遅いダンプにイライラは更に募ります。やっとこ2車線になりアクセル全開!ヒヤヒヤしながら

玉津インターを降りたのが5:20。一般道に入ってからも車通りが少ないのをいいことにスピードは緩めず港に到着したのは集合時間を

少し回ったところでした。大慌てで準備を整え船に飛び乗るも船中はのんびりとした雰囲気。

顔を見合わせ一息ついた3人でしたが出船時間は日の出に合わせているらしく船長は隣の船と大声で談笑中でした。ひとまずおいていかれる

ことは無いと安心しポイントに着いたらすぐにシャクれるようにとジグをセットしたり握り飯をかじったりしながら出航を待ちます。

と、気が緩んだ瞬間胃のあたりがイヤな感じ。まだ港の中で船も繋がれたままだというのに軽い吐き気が・・・。そういえば昨夜は久々のジギング

に興奮してしまい(ってオマエは幼稚園児か)いつもよりちょぴっと酒の量が進んでしまいました。

『こりゃヤバイ。始まる前からこれでは1日もつんやろか?』

すかさず酔い止めドリンクを飲んでみたもののむかつきは納まってくれません。

『日が昇れば気分も変わるやろ』

だいぶ空が白み始めた6:00前にようやく出航、見ると波止にも多くの釣り人が並んでいて糸を垂らしています。

「ヘタしたらウチらもああなる(波止から釣らなきゃならなくなる)とこやったね。」

「・・・。」

ともあれ船は一路ポイントへ、よぉ〜っし!がんばっどぉ〜!!

 

ポイントに到着し皆張り切ってロッドをシャクりはじめます。朝イチはやっぱグロー系かな?ベイト、スピニング共白系のジグでシャクりますが

反応無し。と、すえさんのロッドが曲がります。

「来た!」

上がる声に振り向きますが何やら様子が変です。ファイトしている様にも見えるし根掛かってるようにも・・・。しばらくしてまっすぐに伸びてしまった

ラインの先にはジグも付いていませんでした。

「ひょとしてサワラとちゃいます?飲まれたらリーダー1発やもんね。」

というジガーですが何やら腑におちない様子のすえさんです。砂地らしい底を叩くようにシャクッていたオイラのロッドに魚らしき感触が!

「何か来た。でも軽いわ。」

とニューロッドにしてから初めて味わう感触を楽しみながら上げて来ると茶色いヤツ。

「エソや・・・。」

掴むのも面倒なので海面で遊ばせてからナチュラルリリ−ス。ちなみにヒットジグはハオリキングのショッキングピンクでした。

 

すっかり日も高く昇り朝イチの気合が緩みかけていた頃今度はO師匠のロッドが曲がります!

「来てる来てる!!」

船の反対側でシャクッていたO師匠のロッドが気持ち良さげに曲がっています。ところが!

「バレたぁ〜!口やのうてスレやったみたいっすわ。」

さすが師匠!と言いたかったのですが本人曰く

「通行人を引っ掛けちゃっただけ。」

更にしばらくして師匠の横でシャクッていたジガーのロッドにヒット!くわえタバコで気持ち良さげにファイトを楽しみ上がってきたのは丸々した

ハマチ君でした。エエなぁ〜。

「やっぱ底の方?ゆっくり巻いてたん?」

と釣れたジガーに質問攻撃(笑)の同行者の声に耳をそばだたせヒットカラーをしっかりチェック。ついでにジグの種類まで拝見しオイラも同型の

ジグにチェンジします。気合を入れ直してシャクるも反応無し。

海を見ると濁りがきつく赤く小さな物体が漂っているのが見えました。

「こりゃハデハデカラーがエエんかな?」

と金黒カラーをセットして投入。と、何やらヒットしたような感触が!でも引くかん??

「何や?魚か?」

と曲がっているオイラのロッドを見た船長が駆け寄って来ます。

「わからん、でも引かんのや?」

手応えらしい手応えもなままスルスルと巻いてみると”ギンギラギン”の長いヤツ。

「タチウオや!タチウオ!!でもこりゃなんじゃ?」

まるで絞首刑(笑)にでもあったようにリーダーが首に巻き

ついていました。

ヒットジグはスティンガーバタフライの金黒カラーでサイズ

は指3本でした。

絞首刑状態で上がって来たタチウオ君に一同爆笑。こんがらがっているかに見えたラインにどうしようかと思案していたオイラでしたが暴れて

いるうちにラインはキレイにほどけていました。

「???」

更に深まるヒット状態にお構いなしの船長。

「覚えとってな。タチ(ウオ)はこう締めるんや」

と上あごにフックを引っ掛け首を”パキッ!”と折る船長。さすがのお手並みです。

「ナイロン袋にでも入れてクーラーに入れとき。そのまま入れとったらクーラーわやになってまうで。」

とあまりタッチーが好きでない様子の船長。水深が20m程度しかないのでよもやのタッチーに「?」マークを浮かべるジガーもいましたが

「ヘタなハマチよか美味い!」

が口癖(?)のすえさんと師匠、よっしゃタチウオや!と追加を狙いますが後が続きません。何度もポイントを流し船中にまったりとした空気が

漂い出しオイラの胃も遂に逆流をはじめてしまいました。青白い顔に気づいたんでしょうか、優しい釣友達が声を掛けてくれます。

「薬飲んだ?」

「手元見んと遠くを見といた方がエエよ。」

幸い大噴火(笑)には至りませんでしたが快晴ベタ凪の海で酔ったなんて情けないやら悔しいやら・・・。

と、近くを流していた船が大騒ぎしています。

「明日の新聞に載るかもしれんでぇ〜!!」

見ると一人のジガーのロッドが大きく曲がり引っ張り出されるラインに必死の形相で耐えています。

「あれマグロちゃうか?止まらんでぇ〜。」

ジギングでドラグジージー鳴らしたことが無いオイラ、「どんな引きなんやろぉ〜?」とか思いながら魚を追っかけていく船を見送ります。

「あのまま太平洋まで行くんちゃうかぁ〜?」

『もしやオイラにも?』と全員が思いながらシャクり倒します。しばらくして後尾でシャクッていたジガーにツバス級がヒットしますが状況は

変わらずまったりムード。気温も上がってきてますますまったりです。

と、オイラのロッドに明らかに魚のものと思われる感触が!

「何か来た!」

おぉ!結構な引きをしてくれます。でも青物にしては?期待に胸を膨らませて感触を楽しみながらお顔拝見。んん?茶色いし丸い?

上がって来たのはデッカいガシラ君。今までこんなデッカイの

釣ったことがなかったんで「ま、いっか!」です。

ヒットジグはタメンタイ(ブルー)でした。

「デカイガシラやなぁ。こら値打ちあるでぇ〜。」

と船長もご満悦の様子。クーラーに入れようとするオイラに

「アカンアカン!イケスに入れとき!死んでもたらもったいないやろ!」

見ると近くではエサ釣りと思われる大型船が次々とメバルらしき魚を釣らせていました。

「石(根)の上やでぇ。引っ掛かるでぇ〜。」

声を上げる船長に「ほならメバルや!」とジグで狙ってみるもヒットせず。あ〜ぁ何やってもアカンわ。

そんな声が聞こえたんでしょうか、今度は船長から「アカン!みなタコ釣るでぇ〜!上げてぇ〜!」

と船長が用意してくれたタコテンヤを全員でセットし

「止まったらガーン!と合わせるんやでぇ〜!」

と何やら元気になった船長のレクチャーを受けつつ船を流しながらアタリを待ちますがタコにも見放された一同でありました。

「今日はアカン!ゴメンみんなアキラメてぇ〜!」

との船長の声にガックリと肩を落とす一同でありました。

港へと向かう船中、お疲れの一同は爆睡状態です。

港に着きタックルを降ろしていると

「せっかく釣りに来たのにおかずも無いんやったらカワイソウやもんなぁ。」

と乗船者全員にイケスからマゴチとヒラメをわけてくれた船長さん。

「残りもんで悪いなぁ。3日ほど前に(ヒラメの)デカイの売ってもぅたばっかりなんや。ハマチも終ってもうたなぁ。さっき聞いたんやけど

この前(漁師)みんなで網で獲ってもうたんや。あれで今年はおしまい!あんたらヒラメ釣りたかったら連れてったるで、そらゴッつぅ

デカイのが釣れるわ。あの網に入らんくらいの・・・etc。」

という船長のお話を聞いた後港を後にしました。久々のジギングでしたが激シブで船中7名で青物2本と最悪の釣果。そんな中他魚の部(?)で

2匹も釣ってしまったオイラが思わぬ竿頭になってしまいました。

 

帰りの車中でO師匠から悪魔の囁き。

「冬の日本海はイイっすよぉ、なんたってブリ!10kgくらいのが釣れるんすから!行きましょうよ!!」

「でも波が・・・。」

「大丈夫っすよ!12月の日本海を乗り越えられたらどんな海も怖くなくなりますって!」

「・・・。」

「ね!行きましょうよ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

で、今回のジギングでの反省点。

1.前夜のお酒はほどほどに。(あたりまえやね)

2.出発時間は余裕も持って。(これまた当然)

2.あらゆる状況を考慮し、ジグ以外にもタックルを用意しておく。(同船者は青虫持って来るんやったぁとか言うとった・・・)

 

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