2014年9月定例会一般質問


 一般質問を行います。東日本大震災から3年6ヶ月、福島第一原発事故により避難されている約13万人の方々、また広島で集中豪雨による土石流で被害に遭われた方々に哀悼の意を表しますとともに、お見舞いを申し上げます。
 さて、今回は経済情勢を中心に質問をさせていただきます。
昨日来の同僚議員と重複するところもありますが、視点の違いもあり、しっかりと答弁を願います。


 質問の主な項目

1 経済情勢と今後の市政運営について

2 「子ども子育て支援」について

答弁

本間 源基市長 : 白土利昭 経済部長(雇用政策) : 大和田幸治 市民生活部長(東海第二原発事故時の避難計画) : 黒沢武男 福祉部長(子ども子育て支援)


再質問

 原発の再稼働について
 責任の所在

1 経済情勢と今後の市政運営について


 異次元の金融緩和と財政出動を誘発剤として外国人の投資を誘い込んで形成してきた株高は、いま危うい状況になっている。アベノミクスに陰りが出始めました。実体経済はどう動いているのかも注目です。
 4月に消費税が8%に引き上げられ、駆け込み需要の反動が予想以上に表れました。4月から6月期までのGDP速報値が8月半ばに発表され、年率換算で実質6.8%のマイナスとなり、家計消費に関しては年率換算だと19.2%のマイナスで東日本大震災時並みとなっている。予想以上に厳しいといえます。
円安傾向にあるのに輸出は伸びずに1.8%減となっている。設備投資も9.7%減っている。
 甘利経済再生大臣は「消費マインドや設備投資の改善計画などから先行きは明るい。景気はゆるやかな回復となる」と述べていました。
しかし、勤労世帯の実質所得が減少しており、4月以降の実質賃金の前年比では4月マイナス3.4。5月はマイナス3.8。6月はマイナス3.2と、ずーっとマイナスできている。物価上昇は3%を超えて上昇しており、物価高に所得が追いつかない状況で、どんどんよくなるとは思えない。

このような経済状況下で地方自治の経営をしていく本市は、今後どのような財政運営をしていこうとしているのか。
本市経営の課題は、財政の健全化と自主財源をいかに増やしていくのかにあると思いますが、その土台は産業活性化にあると考えます。
この地域で新たな投資を呼び込み、雇用の拡大を図ることが求められていると考えます。

第三の矢といわれた「成長戦略」はどうなったのか。
ビジョン計画が語られるだけで実行計画・プロジェクト企画には至っていない。ならば地方自治体の主体的な実効性ある取り組みが必要となってくるのではないでしょうか。本市は工業生産力・ものづくりの力があります。付加価値を創出し成長につなげていくことが求められていると考えるところであります。

そこで市長にこれからの時代をどのようにリードしていくのか、ひたちなか市のビジョンはどうあるべきか、考えを伺いたいと思います。
そして、次の4点について考えを示していただきたい。


(1)市経営の基本である財源づくりについて   

政府は、地方交付税に様々な理由をつけて自治体を縛っています。過去にも公共事業により借金をさせられ厳しい財政状況に陥るなどのことがありました。そこで、自主財源の確保が大事になってきます。
その土台となる産業活性化についてですが、ひたちなか地区の企業誘致の現状とこの地区のもつポテンシャルをどのように生かしていくのか伺います。


(2)若者が希望の持てる雇用政策について    

第三の矢である成長戦略こそが国内需要を喚起し、雇用につながると思っていましたが、出てきたものは「残業代ゼロ」などの労働法制改悪への動きであり、これでは賃金の引き下げ、過労死を促進するものだ。正規社員でも長時間労働で残業代が払われていない状況があるのです。

そのうえ、2000万人を超えた非正規労働者がさらに増え、所得の減で結婚できない社会になっていく。
このような片寄った雇用対策ではなく、まともに働いて生活できる賃金のあり方、ひいては雇用をつくりあげていくことが求められるのであり、これらの課題にどのように取り組んでいくのか伺います。


(3)東海第二原発の再稼働について

(昨日も同僚議員からだされています。)

@ 福島第一原発事故の現状は、放射線量が高く建屋に入れないことや、汚染水が流れ続けており「アンダーコントロールされている」状況ではありません。汚染水の問題など収束への道が見えません。現実をふまえれば原発の再稼働はあり得ません。
安倍政権は再稼働に前のめりであり、その影響か日本原電は東海第二原発を再稼働するために様々な準備をしております。
これらの動きに対して今後どのように対応していくのか伺います。


A 原発事故時により約13万人の方が避難生活を余儀なくされている現状は今も変わりません。
先頃、県は避難計画を発表しましたが、「実効性」が伴うといえるのでしょうか。
30キロ圏内に居住する98万人の避難、ひたちなか市民15万7千人の避難も大きな課題です。

特に、病院や施設で入居されている方、障がいを持っている方は避難に当たってより困難性が増しています。
生命や健康を害することなく避難するという課題にどのように取り組んでいくのかを伺います。


(4)産業を元気にする経済対策について

大型商業施設の拡大で、かつて賑わいのあった表町(勝田地区)本町(湊 地区)通りがガレージ通りと言われて久しいです。
勝田駅東口再開発で街の活性化の起爆剤を狙ったが、賑わいが戻ったとは言いがたい状況にあります。
これから高齢者がもっと増え、身近なところでの買い物、医療、介護、図書館などの需要が高まっていく。そういうニーズに合った取り組みによって街の中心地の賑わいを復活させる施策が求められています。
人間の営みにそったまちづくりとして創業支援などの取り組みはどのようになっているでしょうか。
雇用が少しずつ増え、収入が増えれば消費は伸びていきます。このように推移することで産業活性化につなげていく取り組みを伺います。
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2 「子ども子育て支援」について


 2015年4月には、「子ども子育て」新制度が市町村の責務のもとにスタートする。
この制度は公立がしっかりリードしていかなければならないし、保育園の利用者だけでなく、在宅の子育ても自治体が見守っていかなければなりません。
それなのにいま、民間委託が進み、公立保育園の数自体が少なくなり、正規職員も減って、新しいサービスがしたくてもできない。
もっと正規職員を増やすか非正規職員の処遇を上げてもらえば、公立でやれることはもっとあるのではないかと考えるところです。

子どもを保育園に預けて働く親の状況は大変です。夜勤あり、三交代で働く看護師は子どもの発熱などがあると院内保育園と保育所に2カ所の保育料を払いながら育てることになる。大型商業施設で働く人は休日勤務、夜遅くまで働いているので休日の保育が求められている。任意で病後児保育、宿泊できるショートステイや年末保育、一時預かりなど保育のニーズがあります。 これに応えるためには公立がどうしたら充実してやれるかを検討していかなければならないのではないでしょうか。

そこで伺いたいことは、

(1)2015年度から施行される「子ども・子育て支援新制度」にむけて本市はどのように取り組み、制度の拡充策をとろうとするのか。
 また、この制度によって何が変わるのか、伺います。

(2)新たに創設される「利用者支援事業」運用のプログラムはどのようなものかについて伺います。

(3)「妊娠期からの児童虐待防止対策」の取り組みについては、昨年(平成25年)7月に厚生労働省が公表した、平成23年度に全国で心中以外の虐待で亡く なった子どもは58人。年齢別にみると、最も多いのが0歳児で、25人と半数近くを占めている。 それだけに妊娠中から育児の環境を考えてサポートするなど 医療機関との連携が必要ではないでしょうか。悲惨な事態を防ぐために取り組みについて伺います。

(4)いわゆる「配慮の必要な子ども」、「支援の必要な家庭」への支援方法についてはいかがか伺います。

(5)ひとり親家庭が、子育てしやすい環境をつくるための使い勝手のよい制度を整える必要があります。
また、行政は情報を広報により広げ周知していくことが大事ではないか、その点を伺います。

(6)障がい児保育の取り組みについて、現状と対策について伺います。
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答弁


本間 源基市長


(1)市経営の基本である財源づくりについて

 財源づくりは、自主財源の確保という観点からひたちなか地区のもつポテンシャルを企業誘致などにどのように生かしていくかがこれからも非常に大切なテーマとなっております。
本市の雇用の創出や経済の活性化、関連する市内企業の取引等の拡大、また創業に直結する企業誘致の前進は国、地方それぞれ厳しい財政状況が今後も続く見通しの中にあって、本市が財源確保のためこれからも特に力を入れて取り組んでいかなくてはならない最重要課題であると考えております。

国内外合わせて17の定期航路を持つ茨城港常陸那珂港区におきましては、昨年過去最高の取り扱い貨物量を記録しております。
将来需要に対応するため、中央埠頭の岸壁や埠頭用地の整備が急ピッチに進んでいるところです。
また、北関東自動車道が全線開通したことにより栃木・群馬方面へのアクセスは飛躍的に向上しており、ひたちなか地区は陸路と海路を結ぶ物流の拠点としての期待が格段に高まっていると認識しております。

栃木・群馬をはじめ北関東内陸部には自動車を始め多くの製造業が立地し、産業力の高い地域でありますことから、港湾貨物の集荷、更には港湾を利用する企業の本市への進出が期待をされております。
このため、今年度は県や常陸那珂振興協会などと共催します常陸那珂港区セミナーを群馬県で開催する準備を進めております。

 また、本市においては市独自の固定資産税の課税免除のほか、茨城産業再生特区計画による法人税の特例措置など企業立地のインセンテイブとなる各種優遇制度も実施しております。平成25年度にはこれらを活用してひたちなか工業団地に金属熱処理加工業の工場が立地したほか、港湾関連用地では残る5区画のうち4区画に物流業者の進出が決定したところであります。

 今後も本市の持つ優れた産業流通インフラや地理的優位性を活かしトップセールスなどを通じまして企業誘致及びそれに伴う市内企業の取引拡大、操業による地域経済の活性化に積極的に取り組み、議員もご指摘なっていますけれども若者がしっかり働くことが出来、家族を支えることが出来る雇用の場の創出、そしてまた、税収増による自主財源の確保を図りまして自立的な財政運営目指してまいりたいと考えております。

 またこのことは、県内でもひたちなか市であるからこそ、可能なことであると考えております。茨城県全体を見ましても、県北地域への経済波及効果という点からも本市の果たす一つの使命でもあるのではないかと考えております。 また、ご質問のなかでも触れられておりましたけれども、今後中心市街地の問題を考える際も、一つは新たな担い手が出てきて創業の場となることも考えられます。それからいろんな意味での公共サービスの提供の場、高齢者も含めてでありますけれども、そういう場として中心市街地を、機能集約をしていきコンパクトシテイの考え方でまちづくりを進めていくということも、大切だと考えております。


(2)東海第二原発の再稼働問題について

 国におきましては本年4月に福島第一原発事故の避難指示区域の一部を解除いたしましたが、未だに13万人もの住民がふるさとに戻ることが出来ない深刻な状況にあります。
現在、東海第二原発について原子力規制委員会において新規制基準適合審査がされておりますが、これは使用済み核燃料等の保有を含む原発の安全性確保に資するものであり、再稼働に直結するものでないことは日本原電と締結した「覚書」で確認しているところであります。

これは審査の結果、国の新規制基準を満たしていると判断がなされたとしても人為的ミスの発生は否定できないこと、安全性に絶対ということはないことから再稼働に関しては別途判断すべきものとの考えに立つものであります。
また、万一大規模な原発事故が発生した場合、その被害は広域に及ぶことが想定されますことから広域的避難計画の策定は必須であると認識をしております。

しかし、広域避難におきましては、UPZ内に生活する98万人の避難となることから15万7千人のひたちなか市民を含め、周辺市町村との間で秩序立ってかつ円滑に避難させる方法、また、地力で避難できない災害弱者への対応には現実的に大きな困難が伴っております。

また、安定ヨウ素剤については、事故発生後に配布することはほぼ不可能であるということから、全市民への事前配布が私は必要と考えておりますが、安定ヨウ素剤の更新も含め、現実的にはその進め方、手順の目途が立っていない状況でもあります。

従いまして、現状において避難計画の策定は極めて大きな困難をかかえていると云わざるを得ないものと考えております。

一方、原子力安全協定の見直しにつきましては福島第一原発事故から見ても、原発事故において行政界は何の意味もなさないことは明白であり、本市は東海第二原発の所在地域であるということから東海村と同等に再稼働の可否判断をはじめ、重要な事項について協議できる権限を有し、意見を述べることは当然であるとの認識に立っているものであります。

このため、県央地域の首長懇話会、所在地首長懇談会において協定の範囲及び権限の拡大を日本原電に要求し、覚書において原発の今後にかかる判断を求める時の前までに協定を見直すことと致しております。
その後、担当レベルの協議が行われたものの具体的な進捗がなされていない状況でありますが、今後も関係市町村長と連携し、粘り強く原子力安全協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。

私は、所在地域の自治体の長として、この再稼働問題については、市民の安全や生活を最優先に極めて慎重に判断すべきものであり、実効性のある避難計画を含め市民の安全が確保されない限り再稼働はできないものと認識しております。
この問題はこの地域固有の判断が求められている重要な問題であると考えております。

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雇用政策について


白土利明 経済部長

(1)経済情勢と今後の市政運営についてのうち、雇用政策についてお答えします。

 雇用制度の改革につきましては、国において年収1000万円以上の専門職等の労働者を対象とした労働時間規制の緩和制度のほか、働きすぎの防止、勤務地等を限定した多様な正社員の普及、労働移動の円滑化など様々な検討が行われているところであります。

 しかし、長時間労働を助長する、解雇を容易にするなどの懸念も聞かれますので、市としましては真に労働者の処遇改善につながる制度となることを期待しております。
また、非正規雇用に関しましては、正規雇用への転換やキャリア形成に取り組む企業への助成制度が拡充され、さらに求職者に対する職業訓練の多様化、キャリアコンサルテイングの体制整備などが検討されており、正規雇用に向けた支援が充実するものと思われます。

市としましては、地域での雇用の場の確保が最も重要であると考えておりますので、北関東自動車道や茨城港常陸那珂港区を有する優位性を生かした企業誘致と産業活性化コーデイネータの相談支援事業や商工会議所等との連携による市内産業の活性化により安定した雇用の創出を図ってまいります。
また、就労支援として地域職業相談室の運営や子育てママの就職応援セミナーの開催、なかネットワークシステムと連携した企業合同説明会などを引き続き実施してまいります。


(2)産業を元気にする経済対策について。

 平成24年度の国の経済センサス活動調査では本市の小売店の数は1120店舗であり、このうち店舗面積が1000平方メートル以上の大型店の数は、現在43店舗となっております。市内小売店の4%に満たない大型店において売り場面積の占有率は86%に達しており、大型店進出の影響は少なからず中小小売店に影響を及ぼしているものと考えられます。

商店街の空き店舗の状況につきましては、表町通りの商店街においては160店舗のうち約3割の50店舗が空き店舗となっております。

最近の新規出店の状況を見てみますと、飲食店の出店は増えているものの物販の店の出店は殆どない状況であり、市と商工会議所で実施しております空き店舗チャレンジショップ事業につきましても、出店者の応募件数は減少傾向にあります。
このような状況の中、市では市内の新規創業を促進するため本年7月にひたちなか市創業支援事業計画を策定し、商工会議所、ひたちなかテクノセンター、市内各金融機関、茨城高専との連携強化を図るための連絡会を立ち上げたところであります。

 この計画に位置づけた事業の一つとして、商工会議所において9月20日より計7回に渡る創業スクールが開催される予定となっております。
また、商店街活性化の施策としましては現在商工会議所において、まちづくり会社の設立が検討されており、勝田駅周辺の市街地活性化について商工会議所が総力を挙げて取り組んでいこうとしているところであり、市としても会社設立準備の段階から協議の場に参加し、支援体制の強化を図っているところであります。
まちづくり会社が実施する具体的な事業につきましては、まだ策定しておりませんが地域の活性化や空き店舗対策、高齢者対策、子育て支援対策など公共性、公益性の高い事業が実施されるよう商工会議所と連携し、積極的に支援してまいりたいと考えております。

 那珂湊地区につきましては、年間150万人が訪れるお魚市場やひたちなか海浜公園に至るまでの美しい海岸線がありますので、こうした地域資源を活かした観光施策により地域のにぎわいにつなげていきたいと考えております。
また、那珂湊で行われている「ドウナイト」マーケットやミナトメデイアミュージアムなどのイベントに加え、本年8月には「みなと御殿の松」ライトアップや那珂湊焼きそば大学院学園祭など地域の活性化を図ろうとする自発的なイベントが開催されております。
市としましては、このような地域の活性化を図ろうとする各団体や商工会議所、商店街などと蜜に連携し、地域の活性化や商業の振興をはかって参りたいと考えております。

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東海第二原発事故時の避難計画について


大和田幸治 市民生活部長

 原発事故時の広域避難につきましては、茨城県を中心に県内市町村や関係機関、団体が参加し、平成25年9月から勉強会を開催してきておりますが、UPZ内の98万人の中での15万7千人の円滑な避難方法や、避難に支援を必要とする災害弱者への対応は大きな課題となっており、避難計画の策定は容易なものではありません。
県はUPZ外の県内市当村の避難所の受入れ収容人員等を整理し、UPZ内の14市町村の避難先となる市町村とその主な避難ルートを8月に公表しました。これを受け、市では避難先となる市町村と個別に避難者の受け入れ態勢や、避難施設の運営方法等について協議を進めることとなります。

 事故時の避難においては、地震を原因として原発事故が発生した場合には、避難先となる市町村においても地元住民の避難の受入や避難諸施設が被災することも予想され、ひたちなか市民の避難受入が困難となることや、道路の被災また、放射性物質の拡散予測を考慮した避難を考えると示されたものには限界があるものと思われます。

 また、高齢者や障害をお持ちの方、病院や介護施設の入院患者や入居者などの多くの災害弱者の避難についても、迅速かつ適切に行われる必要があり、災害弱者を誰がどのように支援していくかという大きな課題があると認識しております。
病院や介護施設においては、独自に避難計画を策定することになっておりますが、策定に当たっては入院患者や入居者を支援する人員の確保をはじめ、設備や機能の整った避難先や移動手段を確保しなければならないといった問題もあります。
 また、避難させたくても動かすことによって逆に生命に危険が及んでしまう重症患者への対応についても検討が必要となっています。
市としては、引き続き県の勉強会において病院や介護施設の入居者をはじめとする災害弱者の避難について医師会や福祉関係団体等と検討してまいりたい。

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子ども子育て支援について


黒沢武男 福祉部長

(1)「子ども子育て支援新制度」につきましては質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大及び確保、並びに地域における子ども子育て支援の充実をはかることを目的にして、来年4月より本格施行される予定であります。
新制度は、認定子ども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付や20人未満の児童を預かる小規模保育事業を給付の対象とするための認可基準の創設に加え、地域の子ども子育て支援において利用者支援事業等を新設するなど、現行制度をさらに拡充する内容となっております。

市では新制度の本格施行に向け、市民の意見や本市の実情を適格に反映するため、本年7月にひたちなか市「子ども子育て審議会」を設置しました。

審議会では、幼児期の教育保育、並びに地域の子育て支援についてそれぞれの量の見込みやその受け入れ態勢の確保等を定めた「子ども子育て支援」事業計画、幼稚園や保育所等の運営に関する基準、学童クラブや少人数の乳幼児を預かる家庭的保育事業等の設備や運営に関する基準、さらには保育の必要性の認定にかかる基準の見直し等の内容につきまして審議をいただいております。

審議のなかで、施設にかかる設備や運営にかかる基準について条例で一般原則を規則で詳細な基準等を規制することとなりましたことから、条例案につきましては保育の必要性の認定に係る基準の見直し等とあわせ、今定例会に提案しております。

また、審議会では昨年度までに実施した子ども子育て支援ニーズ調査の結果も含め、本市を取りまく子育て環境等を明らかにしたうえで、本市に必要となる子ども子育て支援事業等について議論をいただいておりまして、本市の実情を的確に反映した制度となるようにさらなる検討を進めたいと参りたいと考えております。


(2)新たに創設される「利用者支援事業」運用のプログラムについて。

 利用者支援事業は、子どもやその保護者等の利用者が幼稚園や保育所並びに多様な地域子育て支援事業等を円滑に利用できるように市町村やNPО法人等が実施主体となって子育て相談を行う場所等に専任の職員を配置しまして、多様な子育てニーズに応じた的確な情報の提供や案内を行うと共に、必要に応じて相談や助言等を行うものであります。
市としましては、利用者支援事業を導入しての子育て支援機能の強化は新制度をより効果的に進めていく上で非常に重要であると認識していますことから、来年度は利用者支援を行う専任の職員を津田保育所内に開設している「子育て支援センターひまわり」に配置することを検討している。


(3)児童虐待の発生を防止するための妊娠期からの取り組みについて。

 厚労省の報告によると平成23年度の子どもの虐待による死亡の加害者は実の母親が最も多く、全体の約6割を占めております。こうした現状を受け、国は現在策定中の第2次すこやか親子21における重点課題の一つに妊娠期からの児童虐待防止を掲げ、児童虐待の発生防止には妊娠届出時など妊娠期から関わることが重要であるとしております。
また、県におきましては本年度ハイリスク妊産婦支援体制整備事業として傘下の医療機関と市町村とが連携をはかるためのマニュアルを年度内の完成を目ざして策定中であります。

 本市におきましては、本年4月から市内の出産できる傘下の医療機関の医師や助産師の意見を取り入れ、妊産婦連絡票を作成し、効果的な情報交換を図るための連携体制作りを進めております。
また、妊娠期の支援としまして電話やメールを通して健康相談を行うほか、必要に応じて自宅訪問等を行うなどして妊婦の不安解消に努めております。
さらには、虐待する怖れのある妊婦を早期に発見するため妊娠届出書のアンケート内容の充実を図ると共に、来年度は保健師、助産師等の資格を有する母子保健コーデイネータを配置し、母子保健サービスの入り口である母子健康手帳交付時に妊婦一人ひとりの状況に応じた相談や支援を行うことを検討しております。

今後とも虐待の発生を未然に防ぐため、妊娠中からの継続した支援体制を強化してまいりたいと考えております。


(4)「配慮の必要な子ども」、「支援の必要な家庭」の支援方法について。

 平成24年に文科省が実施した調査では、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達障害の可能性のある小中学生の割合は、6.5%でありまして前回平成14年の調査時の6.3%からは若干増加しております。

 本市におきましても発達障害と診断されないまでも友達とのコミュニケーションがうまく出来ない児童や、発達に課題がある児童を持ち育児に悩む保護者からの相談が増えております。
市ではこれら支援が必要な家庭から相談があった場合には、家庭児童相談室をはじめ、保育所・幼稚園・小学校等の各関係機関が相互に連携して児童一人ひとりの課題に応じた支援体制を検討し、対応しております。
また、市では年々増加する児童の発達等に関する相談等に応えるため平成25年2月にみんなの未来支援室を設置しております。

発達等に課題のある児童に対しては、それぞれの児童に合った総合的かつ継続的な支援が必要なことから、みんなの未来支援室では児童や保護者への直接的な支援のみならず児童が属する保育所の保育士や学校の先生等を対象に専門的知識を有する職員による助言等を行うなど、支援の強化を図っているところであります。


(5)ひとり親家庭が子育てしやすい環境をつくるための使い勝手のよい制度について。

 現在ひとり親家庭への支援策の一つとしまして、経済的負担を軽減するために児童扶養手当を支給しております。
児童扶養手当は児童の健やかな成長とひとり親家庭の自立支援を目的に保護者に支給するもので平成26年8月末現在、本市の受給世帯は1618世帯となっております。
また、ひとり親家庭高等技能訓練促進費等助成制度は、ひとり親家庭の生活の安定のため、ひとり親家庭の親が看護師や保育士、作業療法士等の資格の取得を目的として2年以上の養成過程で終了する場合、その費用の一部を助成するものであります。
この制度は、就業中のひとり親家庭の経済的負担を軽減させると共に、就職に有利な資格取得を対象としていることから就労の促進が図られるものであり、これまでに平成24年に1人、平成25年度3人、本年度4人に対し助成を行っております。

 さらに、ひとり親家庭に限定される子育て支援策ではありませんが、家庭において保育や療育を受けることが一時的に困難となった乳幼児を保育所等において、日中、一時的に預かる一時あずかり事業や市が契約する児童擁護施設や里親において原則として最大7日間預けることができる子育て産期支援事業いわゆるショートステイ事業もあります。

これらの事業は、現在も行っているわけですが、より多くの市民が参加できますよう市報やホームページを通じてさらなる周知を図るとともに、今後ともひとり親家庭の支援策についての検討を進めてまいります。


(6)障がい児保育の取り組みについて。

 本市の民間保育所における障害児の受け入れは、特別児童扶養手当を受給している重度の障害を有する児童については特別保育事業として、その他支援が必要な軽度な障害を有する児童については民間保育所サービス支援事業としてそれぞれ実施する民間保育所へ補助金を交付しております。
市内の公立及び民間の保育所における障害児の受入人数は平成26年度3月末現在、重度の障害者が13人であり、そのうち4人を公立で受け入れております。また、軽度の障害者については51人で、そのうち46人を公立で受け入れている状況である。

保育所を利用する障害児は年々増加していますし、アレルギーを持つ児童や発達に課題を有する児童も増えていることから保育所の果たす役割は益々大きくなっていると考えております。
市と致しましては、それぞれの児童の課題に対応しながら引き続き障害児保育の支援に努めてまいります。
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再質問


井坂議員

 原発の再稼働についてですが、原子力規制委員会による新基準適合審査でOKが出たときはどうするのか。
市長はこの件に関しては別途判断すると答えていますが、OK(合格)が出たときはかなり雰囲気が変わって原子力ムラの考え、あるいは安全神話に取り込まれている方々が、またぞろ前面に出て「それいけ」という雰囲気、圧力がかかってくると心配されます。その時の判断を伺いたい。


本間 市長

 再稼働については別途判断するということに関連して補足します。
今回の安全協定の見直しにつきましては、周辺のUPZの市町村が茨城の場合は非常に連携している。
いわゆる従来の所在自治体といわれている東海村を含めて連携しているということですから、我々の考え方には非常に重いものがあると思いますし、連携も大きな意味を持っている。
私自身としては、避難計画は必須であるが、現実的に本当に出来るのかと大きな問題を含めていますので、はっきり示して現実的にかなり厳しいということ、この地域固有のものであること、多くの市民や関係者にも理解をいただきたいと思いますし、理解を得られると考えています。


井坂議員

 責任の所在が見えないという問題があります。 福島第一原発事故が起きて、その責任は誰が取ったのかと。誰もとっていないです。
推進してきた経産省は、東京電力の後に隠れてしまい、事故の責任を東京電力に負わせるということになっている。
東電は、損害賠償などへの補償金が持ちませんので国から借金をしている。事故についてはだれも責任を取らないで今日まで来ている。
そして安部政権になってから安全が確保されれば再稼働をすると言われている。

安全性を高めたにしても市長の言うとおり絶対はなく、事故は起こります。
責任の所在というのはどこにあるのか、これからははっきり主張していくべきだ。


本間 市長

 責任の所在、これに対して各自治体はどうあるべきか、どう対応するべきかについてですが、市長会でも除染の問題から甲状腺、健康調査の問題を議論しているところでありますが、最終的には国がしっかり責任をもって対応すべきことと考えております。
当面、自治体としては現場を抱えているわけですから待ったなしの対応をしなければならないので、これについては先行してやっていくこともあるのですが、基本として国の責任を明確にし、負担すべきことは国がするという姿勢で臨んでいくということは市長会のなかでの議論でも出されている。
原子力安全協定の見直しをしているということは、個々の判断において自治体はしっかり意見を言わなければいけないと考えている。
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