えんきょまつがあばふいた話(隠居さんが泡を吹いた話)>

 

ふるふなかに、おっそのえんきょまつが、「みなんとがわり。」てて、口からあばふいて、ふくかえったげな。

昼日中に、後ろの隠居が、「胸元の(気持ちが)悪い。」と、口から泡を吹いて、ひっくり返ったそうだ。

 

そーで、隣のほうけまつに、医者はんを呼びにいってまったら、寺のばーじをちぇてくーもんだけん、みたんねててあーせんわ。

それで、隣のまぬけに、お医者さんを呼びに行って貰ったら、寺の坊主を連れてくるものだから、みっともないわ。

 

ばーじが言ーことには、「けー、ごーぎに引っ張ーもんだけん、手がもっせーかともたがな。」

坊主が言うことには、「もー、強く引っ張るから、手が千切れるんじゃないかと思ったわ。」

 

 

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おばばがまくれた話(おばあさんが転んだ話し)>

 

 

こないだのばんげに、おらがちょーずであんこしちょったら、ばばくたが来てかーね、「はやことしてごせ、わしゃ膀胱がはっせーがな」てて、言ーもんだけん、おらも代わっちゃらないけんと思ったがね。

この間の夕方に、私が便所で、大便をしていたら、婆さんが来て、「早くしてくれ、私の膀胱が破裂するぞ」と、言うものだから、私も代わってやらないといけないと思った。

 

だどもこーがまた、こじょーぼに出ーだけん代わられんがね。

けれどもこれがまた、たくさん出るから代われなっかった。

 

そげしたら、庭でさかともたはなで、竹んばを杖にして走ーかけたら、まいしこちょーず鉢にすねこばーじを、まげに撲ってかーね、目をさんぐりがえさせちょーだ。

そうしたら、庭でしようかと思ったみたいで、竹の棒を杖にして走りかけたら、旨いこと(運悪く)手水鉢に膝頭を、凄く撲ってからに、目を逆さまにして居た。

 

そーで、おかかがおべて手ぬぐいを水にかやかいて、ばばくたのふたいぐちに載せて、ふーてぶったら目さまいたげなわ。

それで、家内が驚いて手ぬぐいを水に浸して、婆さんの額際に載せて、揺さぶったら目を覚ましたそうだ。

 

「おばばほんにせわねかね。わりしこだったね。おまえさんがほが見しちょーけん、きゃんことになーわね。」

「お婆さん本当に大丈夫かね。悪い出来事でしたね。あんたが脇見をしているから、このような事になるのよ。」

 

「ひらべったなとこばっかあーせんけん、気つけらな。」

「平らな所ばかりは無いから、気を付けないと。」

 

「部屋んなかさんごしたども、薬箱ん中はからっぺて゛何だいねわ。ま、おだいかにしちょら、じねんに治ーわね。」だとや。

「部屋の中を探したけれど、薬箱の中は空で、何も無いわ。まあ、穏やかにしていれば、自然に治ると(思う)よ。」だそうだ。

 

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おちのおばやんが飲んだくれた話(家内が飲んだくれた話)>

 

おちのおばやんは、にょーばだにかん、のみ助で、飲んだらおぜもんなしで、てにゃわんてにゃわん。

うちのおばさん(家内)は女なのに、飲み助で、飲んだら怖いものなしで、手に負えない手に負えない。

 

こないだも あんさんとこで、え年からげてたわいがね程飲んだげなども、あんさんが「も、いねてて言ったてて いなせんだけん、ちぇて来たじ。」てて、ねこぐーまにのへて、ちぇて来てごさいた。

この間も、お兄さんの所で、良い年になってたわいがない程飲んだそうで、お兄さんが「もう、帰れと言っても、帰らないから、連れてきたぞ。」と、一輪車に載せて、連れて来ていただいた。

 

そーで、「たんびたんびねわりね。」てて、おちん中へえたども、ふくかえーしなに「腰ふねれー。足ふねれー。」てて、くただれーだけん、あちゃきしゃがわりてて、あーせんわな。

それで、「何時も悪いね。」と言って、家の中に入れたけれども、ひっくり返ったら直ぐに「腰をもんでよー。足をもんでよー。」と、だだをこねるから、私は気分が悪いと言ったら、この上ないわ。

 

そーね、こーがまた、たらふくまんまだけん、がいに肥えちょーだ。

それに、これがまた、たらふく食べる人だから、凄く太っている。

 

どこが腰だいけつだい、わからんだ。

何処が腰やら尻やら、判らない。

 

「わーのは腰だねわ、胴ちもんだわ。」てて、くさんじげに言っちゃったら、まげに睨んつけーだけん、おらおぞておぞて、座敷のへじでこまんなっちょった。

「あんたのは腰じゃない、胴と言うものだ」と、くさすように言ってやったら、凄く睨み付けるから、私は怖くて怖くて、座敷の縁で小さくなっていた。」

 

そげしたら、「はやことせ。」てて、怒ーだけん腰をふねってやったら「もっとつよにさんと効かせんがなー。」てて、言ーだけん、おばやんの胴にまたがったわね。

そうしたら、「早くしてよ。」と、怒るので腰をもんでやったら「もっと強くしないと効かないよー。」と、言うから、家内の胴を跨いでやった。

 

こーがおまえさん、アリンゴがゾウのせなに、乗っちょーやなもんだわね。

此があなた、蟻の子が像の背中に、乗っているようなものでね。

 

そーで、すねこばーじで胴の上に乗っちゃったら「きさんじー。」と、ふとこと言ってかん、あとはおまえさん、おおいびき。

それで、膝頭で胴の上に乗ってやったら「気持ち良いー。」と、一言いってから、後は貴方、大いびき。

 

こーがまた、家がみげーだねかち程、おべふくかえーやな音ないがすーだけん、しゃくらんやなわね。

これがまた、家が壊れる程、驚きひっくり返るような音がするから、目の前が真っ暗になるようだった。

 

こげんなーと、けつをつめくったてて なんとげだいねだけん。

こうなると、尻をつめくっても、何とも無いから。

 

こーをまた寝床までふっぱっていくのが、おおごとだわね。

これをまた寝床まで引っ張っていくのが、おおごとだ。

 

もたてもたて、あちゃほねこつがどげにかなーやで、きんよりごしになったらどげさかともたがね。

重たくて重たくて、私は骨がどうにかなるようで、きんより腰になったらどうしようかと思ったわ。

 

この話はどれくらいおそが混ざっちょーと思ーかね。ごっとだわね。

この話は、どれくらい嘘が混ざっていると思いますか。全部です。

 

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<けんべきかぜの話>

なんと、こないだ ちょんぼし家のてごさせらいて。

なんと、この間 少し家の手伝いをさせられた。

 

西んつまの木をもそんてて言いだすだけん。

西側の木を運ぶと言い出すものだから。

 

おらは「いまんご けんべきかぜひいちょってかん ぼんたくが難儀で いきどわしてあげーやなけんこらえてがっしゃい。」

私は「今 けんべきかぜをひいているので 首と後頭部が痛くて 息苦しくて嘔吐しそうなので 勘弁して下さい」 

 

てて言って座敷でながまっちょったら

と言って座敷で長くなっていたら。

 

「何たわいがね事言っちょら。」
「よろくそだのぅ、ねたらの三助みたいな事言っちょらんこにはや てごしたぁ。」


「何を たわいの無いことを 言っているのだ」
「貧弱なやつだな、怠け者のようなことを言わずに早く 手伝ってくれ」

 

…そーで てごしたは えだども、えーたい さくばいすーばっかしで おらばっかし 動かないけんだけん せつてせつて木からぼろけーし きんより腰になーわ みいりはすーわでくたーべたとまっしゃい。

..それで 手伝ったのは 良いけれども、始終 差配するばかりで 私だけが 働かなくてはいけないので きつくて木から落ちるし ぎっくり腰なるは 筋肉痛はするは 疲れたましたよ。

 

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