さきちゃんの「徒然ぺンペン草」
(9)武器は鶴首ピンセット!
<共通語バージョン> 原種ばらにオールドローズ、そしてイングリッシュローズ。 狭いベランダに所狭しと並んだ鉢。 どうなることかと心配したが、ばら達はスクスクと育ち蕾も沢山ついた。そして、ありがたくもない虫も沢山ついた。 と手にしたるわ伝説の名剣ではなく鶴首ピンセット。 右手にピンセット、左手にキッチンペーパ。 朝の水やり後、せっせと虫と戦う。 倒しても倒してもきりがない。 たかが数鉢なのに、毎日の戦いに根を上げそう。 無農薬野菜の値段が高いのもうなずけた。 農薬を使うとその時は一気に戦いのかたはつくだろうが、どうせすぐ敵方は復活する。 で、また散布しないといけないが、今度は違う薬にしなければならない。 そんなこんなや、時折遊びに来るトンボや住み着いている蜘蛛やカエルすらも犠牲にしてしまうだろう。 それがイヤならやっぱり自力で戦うしかないわけだ。
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<出雲弁バージョン> げんし(原種)のばらねオードロージ、そーねエングリッシロージ。 しぇめ(狭い)ベランダねおじぇほど並んだ鉢。 どげなーことだいと心配したども、ばらやち(達)はノクノクとおしぇねなって蕾もえっぱいちいた。そげしたとこーめが、あーがたもね もし(虫)も えっぱいごとちいた。 てて手にしたは伝説の名剣だなて鶴首ピンセット。 右手にピンセット、ふだーて(左手)にキッチンペーパ。 朝の水やーのあと、しぇっしぇともし(虫)とたたかー。 倒いても倒いてもきりがね。 何のこたね ちょんぼばかーの鉢だね、毎日のぼいちゃげやこね根を上げーやな。 無農薬野菜の値が高けちーのも うなずけー。 農薬使っても えっときほだ えだども、どうせ じき敵方は復活すー。 そーで、また散布さんとえけんだども、こんだ(今度は)違ー薬にさなえけん。 そげなーこげなーで、たまね遊びん来ートンボや住み着いちょー蜘蛛やカエーやちも犠牲にしてしまー。 そーがヤならやっぱ自力で戦ーしかね。 |
(10)隠れシマリス教
<共通語バージョン> 犬と一緒に暮らしたい。 理想は狼だけどそれは現日本ではちょと無理なのでせめて犬と暮らしたい。 物心付いたときには異様にでかい柴系雑種が家にいたし、それからも紀州犬だのハスキーだのと大きめの犬ばかりが家にいた。 だから、「犬のいる生活」というのは当たり前だった。 だけど、進学や就職で家を離れると、寮やアパート暮らしになるのであって、犬を連れ込むなんて考える方が無謀だった。(ペット禁止だから、当たり前か^o^;) ある時ハムスターを飼っている知人が子供が沢山産まれたのでいらないか? ![]() と聞いてきた。 今まででかい犬ばかり考えていた私はそっかー小さな獣もいるのだわ、と今更ながら気が付いた。 でも、ハムスターは小さすぎるよな、他に何かいないかな? そこでペットショップとかのぞきに行き始め・・・ とうとう犬の約300分の1サイズの獣を狭アパートに連れ込んでしまった。 勿論いま暮らしているアパートはペット禁止だ。 契約書に「シマリス」は記載されていないがペットであることには間違いない。 部屋の中でひっそり飼うだけだから見つからないよね、と自分に言い聞かせながら、大家さんらしき車の音にびくびくする「隠れシマリス教」信者がここに生まれた。
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<出雲弁バージョン> えの(犬)と えっしょ(一緒)ね暮らしてー。 |
<共通語バージョン> 大家さんに内緒のペット「シマリス」を どんぐり と名付けた。 リスにはクルミのイメージで「くるみ」と名付けようと思ったが、オスだしなんとなく頭の形がドングリに似ているようでそう名付けた。 シマリスを連れ帰って最初の一週間はゲージが間に合わなくて仮設住宅暮らし(^o^;)を して貰った。 掃除の時や万が一病院などへ行くことがあれば、と用意した小さなゲージなのだが、そのゲージには巣箱がなかった。 仕方がないので牛乳パックを2つ組み合わせてちょちょいと簡単な巣箱を作りおがくずをたっぷり入れて置いてみた。 微かに残る牛乳の匂いがいいのか気に入ったらしく直ぐに寝床に決まった様子。 ![]() 上手におがくずに体を潜り込ませるその姿はまるで魚のヒラメのよう。 それから一週間 彼は ひらめ と呼ばれた。 取り寄せをお願いしていた大きめのゲージがやっと届き、色々揃えた道具類がやっと使えるようになった。 「シマリス」を飼う! と心に決めたその日に買った丸太をくりぬいた巣箱。 最初は警戒をして牛乳パック巣箱で寝ていたが、2日目には木の巣箱に入って眠った。 この木の巣箱の丸くくりぬかれた出入り口から頭だけを出して周囲を伺う時、耳がねてしまうからウツボそっくりになる。 その姿を見るとつい「やぁ、うつぼ ちゃん」と声をかけてしまう。 リスが自分の名前を認識するか定かではないが、もし出来るのならきっと自分は「ひらめ」か「うつぼ」だと思っているに違いない。 |
<出雲弁バージョン> 大家さんね内緒のペット「シマリス」を どんぐり てて名付けた。 リスねはクルミのイメージで「くるみ」てて名付けらかともったが、オスだしなんとなしね頭の形がドングリね似ちょーやで そげ名付けた。 シマリスをちぇて帰って初めの一週間はゲージが間ね合わんで仮設住宅暮らし(^o^;)を してまった。 掃除ん時や万が一病院やちへ え(行)くことがあら、てて用意した ちょべゲージだども、そのゲージねは巣箱が あーしぇんだった。 仕方がねもんで牛乳パックを2ち組み合わしぇて ちょこちょこと簡単な巣箱を作り 鋸くずを えっぱいごと えて置いちょいた。 めめくそほど残っちょー ぎーにー(牛乳)の匂いが えはで 気ねえったやで じきね寝床ね決まったやな。 まいこと鋸くずね体を もぐー込ましぇ そぎゃん姿はまーで魚のフラメだわ。 そーから一週間 こなは ひらめ と呼ばいた。 取ー寄せをお願いしちょった大きめのゲージが やらやっと届き、品々ね揃えた道具やちがやっと使えーやねなった。 「シマリス」を飼ー! てて心に決めたその ふ(日)ね買った丸太をくーぬいた巣箱。 ずんど最初は警戒して牛乳パック巣箱で寝ちょったが、2日目ねは木の巣箱に ひゃって(入って)眠た。 この木の巣箱のまん丸ね くーぬかいた でひゃーぐち(出入り口)かー頭ほど出いて まわーを伺っちょー時、耳がねてしまーけんオツボそっくーねなー。 そぎゃん姿を見ーと ちい「やぁ、おつぼ ちゃん」てて声をかけてしまー。 リスね わの名前が判ーだい解らんだども、もし判ーなら わは「ふらめ」か「おつぼ」だてて思っちょーね違いね。 |
(12)と……と……とける……
<共通語バージョン> と……と……とける…… |
<出雲弁バージョン> おちは せんべー体質だ。 と……と……とけー…… |