高杉晋作も愛した銘菓「越乃雪」

 長岡大和屋の「越乃雪」は日本三大銘菓のひとつである。
長州藩の高杉晋作は亡くなる10日ほど前に、今年の雪見はできないからと、見舞いにもらった「越乃雪」をそばに置いてあった松の盆栽にふりかけて雪見をしたという。 
高杉晋作 高杉晋作は「越乃雪」で雪見 日本三大銘菓大和屋の「越乃雪」

この菓子は安永7年(1778)、長岡藩9代藩主牧野忠精が病で伏されていた時、城下の大和屋が献上したところ、食欲が進み病が完治したという。
忠精は大層喜ばれ、「天下に比類なき銘菓である。吾ひとりの賞味では勿体無い。これを藩の名産とすべし」と、「越乃雪」の名を贈った。
越後の美味しい餅米と、四国阿波の国特産の和三盆糖を原料とした高貴な味わいは、やがて日本三大銘菓といわれるようになった。
大和屋長岡本店 柏のご紋入り越乃雪「お殿様」

 日本人は「日本三大・・・」や「日本三・・・」が好きである。
日本三景といえば、松島、天橋立、宮島であり、日本三大花火は、大曲(秋田)、土浦(茨城)そして長岡の花火をいう。日本三名園なら、偕楽園(水戸)、兼六園(金沢)と後楽園(岡山)、日本三大銘柄米は、新潟コシヒカリ、宮城ササニシキと秋田こまちである。

 そんな中、全国に山ほどある菓子で三大銘菓の称号をもらっているのが、長岡大和屋の「越乃雪」、松江風流堂の「山川」と金沢森八の「長生殿」である。
いづれも地元の良質なもち米に、吟味した和三盆糖を原料として使用している。
そして、長岡は9代藩主牧野忠精公、松江は7代藩主松平治郷公、加賀は3代藩主前田利常公が先頭にたって銘菓を育成してきた。

 東京でも「越乃雪」は、三越、高島屋、東急百貨店などで入手できる。
長岡大和屋の「越乃雪」 松江風流堂の「山川」 金沢森八の「長生殿」

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