幕末維新祭り(東京の松陰神社)

 東京都世田谷区若林の東急世田谷線「松陰神社前駅」でおり、北に数分歩いたところに松陰神社がある。 松陰神社は吉田松陰を祀った神社で文久三年(1863)、高杉晋作、伊藤俊輔(博文)らにより松陰の亡がらは小塚原(回向院)からこの地に改葬された。
明治15年に長州藩士の門弟ら(伊藤博文・乃木希典・木戸孝允など)が中心となり、神社の社殿が造営された。従って御祭神は安政6年に安政の大獄に連座し、江戸伝馬町の獄中にて30歳の若さで刑死した吉田松陰すなわち「吉田寅次郎藤原 矩方命」である。
 
松陰神社前駅の商店街では、毎年秋に幕末維新祭りを開催し、幕末維新、奇兵隊、新選組などの歴史ファンが関東や遠くは九州から駆け掛ける。またここでは萩市と会津若松の観光業者が呉越同舟で隣り合わせで営業している。

 「吉田松陰辞世の句」

 身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂

 親思ふこころにまさる親ごころ けふの音づれ何と聞くらん

  (子供が親を慕う心持ちより、親が子を思う親心はどれほどまさっているか。私の死の便りを故郷の親はどんなに悲しむことか)

松陰神社前駅の賑わい 松陰神社入口 鳥居をくぐる人々
松陰神社社殿 会津若松市も参加 松陰先生墓所
松下村塾の複製 幕末野外劇「きょうの音ずれ」 日本の明日を憂える松陰
松陰捕らわる 作家一坂太郎「松陰先生のことば」 桂太郎首相の墓所

 神社境内は歴史ファンでいっぱいである。松下村塾を模した建物の前で開催される幕末野外劇や作家一坂太郎先生の講演は盛況である。この日の出し物は、幕末野外劇が松陰先生の辞世の句から「きょうの音ずれ」、一坂太郎先生は「松陰先生のことば」であった。

 一坂先生の講演、

藩校明倫館跡に建つ明倫小学校では、毎朝全校児童が松陰先生の言葉を声高らかに朗唱している。学年、学期ごとに言葉が変わり、卒業するまでには18の松陰先生のことばを覚えることとなる。
小学生には難しい言葉であるが、毎日声を出していうことによりだんだん意味も理解し、松陰先生の言葉が子どもたちの心の支えになっている。
入学した1年の1学期は「親思うこころに・・・」から始まる。


安倍総理が好んで引用する「至誠にして動かざる者は未(いま)だ之れあらざるなり」は5年の1学期に登場する。

明倫小学校1年朗唱(左から1、2.3学期)

幕末維新祭りのもう一つのイベントは奇兵隊パレードである。地元の若林小学校、国士舘大学、日野市の新選組が奇兵隊の行進に色を添える。

若林小学校鼓笛隊 国学院大学ブラスバンド 錦の御旗を先頭に官軍行進
長州奇兵隊の行進 新選組登場 国学院大学の演奏

もどる