土方歳三の生涯
天保6年(1835)5月5日、武州石田村に生まれた。誕生前に父、6歳で母を失い、兄に養育される。11歳で江戸の呉服屋に丁稚奉公をするが、長続きしなかった。剣を好み天然理心流近藤周助の門に入り、近藤勇と出会う。 文久3年(1863)、幕府は将軍家茂の上洛に際し、清河八郎の意見を入れ護衛の浪士を募集した。2月4日に小石川伝通院に集まった浪士は、中仙道を京に向った。 清河が江戸に引上後も京都に留まり、京都守護職会津藩主松平容保の傘下に入り、壬生浪士隊を経て新選組となる。動乱の中を京都、江戸、勝沼、流山、宇都宮、会津、仙台を転戦し、最後の戦いを求めて箱館五稜郭に入る。 明治2年(1869)5月11日、一本木関門で被弾し壮絶な戦死を遂げる。ふるさと多摩から遠く離れた蝦夷地で、闘い続けた35年の生涯を閉じた。 |
土方歳三 |
年 号 | 西 暦 | 年 齢 | 土方歳三のできごと | 国内のできごと |
天保 6年 | 1835 | 1 | 5/5武蔵国多摩郡石田村(現東京都日野市)に生まれる | . |
安政 6年 | 1859 | 25 | 近藤周助の天然理心流に正式入門 | . |
文久 2年 | 1862 | 28 | . | 8/2松平容保京都守護職 |
文久 3年 | 1863 | 29 | 2/4幕府の募集した浪士隊に応募し、伝通院に集まる。2/23京都壬生に入る。3/12壬生浪士隊発足。9/25新選組となる | 安政の大獄 |
元治 元年 | 1864 | 30 | 6/5池田屋事件 | . |
慶応 元年 | 1865 | 31 | 3/10屯所を壬生から西本願寺に移す | . |
慶応 2年 | 1866 | 32 | . | 12/25孝明天皇崩御 |
慶応 3年 | 1867 | 33 | 6/10新選組幕府直参となる。 | 12/9王制復古 |
慶応 4年 明治 元年 |
1868 | 34 | 1/3鳥羽伏見の戦い。3/6勝沼柏尾の戦い。4/5近藤勇捕まる。4/11旧幕府軍と合流し参謀となる。4/19宇都宮城を攻める。箱館に入る | 1/3戊辰戦争勃発。3/14西郷・勝会談。4/11江戸開城。4/25近藤勇処刑。閏4/22奥羽列藩同盟。9/22会津藩降伏 |
明治 2年 | 1869 | 35 | 5/11弁天台場で戦死。 | 5/18旧幕府軍降伏、戊辰戦争終結 |
日野市の多摩モノレール「万願寺駅」の近くに土方歳三の生家跡がある。現在生家跡は土方家の末裔の住宅を兼ねた「土方歳三資料館」となり、歳三ゆかりの品が展示されている。 資料館には勤皇佐幕を貫いた、新選組副長土方歳三の生き様を慕うファンが大勢訪れる。 土方家はこの地域の豪農で、多摩川に自生している牛革草から石田散薬を造り、薬の商いもしていた。八坂神社奉納額には、嶋崎(近藤)勇、沖田惣次郎(総司)の名が読み取れる。 |
多摩都市モノレール万願寺駅 | 歳三生家跡の看板(日野) | 資料館(土方家)の入口 |
資料館の庭にある歳三像 | 石田散薬を造った牛革草 | 歳三手植えの矢竹 |
道場だった日野宿本陣 | 天然理心流奉納額のある八坂神社 |
東京・小石川の伝通院は徳川家康の母である於大の菩提寺である。ここには千姫をはじめ徳川家ゆかりの女性の墓が沢山ある。 近藤勇、土方歳三、沖田総司などの浪士は、伝通院に集まり、清河八郎に率いられて中仙道を京に向った。 |
伝通院(東京・小石川) | 清河八郎の墓(伝通院) | 千姫の墓(伝通院) |
上京した浪士組は壬生の郷士である八木源之丞邸を宿舎とした。浪士組は20日ほどで江戸に戻ったが、近藤勇、土方歳三などはそのまま京都の警備に残り、京都守護職の支配下に入った。 八木邸は「新選組宿所」の標札を掲げ、新選組発祥の地となった所である。 慶応元年(1865)4月、屯所は西本願寺に移った。 |
新選組発祥の八木邸(京都) | 八木邸庭 | 屯所が移った西本願寺 |
新選組は京都の治安維持に大きな働きをしたが、慶応4年(1868)1月、鳥羽伏見の戦いに敗れ、江戸に帰還した。江戸に戻った新選組は甲陽鎮撫隊として甲府城の守りに向ったが、目指す甲府城はすでに新政府に占領され、勝沼の戦いにも敗れた。再び江戸に帰還したが、流山で近藤勇が新政府軍に捕らわれることになり、歳三は近藤と決別し、旧幕府軍と合流した。 宇都宮、会津で戦闘を繰り広げ、やがて旧幕府海軍榎本武揚と蝦夷地に渡った。蝦夷政府を樹立し、榎本が総裁、歳三は陸軍奉行並となった。 明治2年(1869)5月11日、歳三は一本木関門にて銃弾を浴びて戦死する。 日野に届いた歳三の戦死の悲報に、辞世の句が添えられていた。 早き瀬に 力足らぬか 下り鮎(土方歳三) 英雄土方歳三の戦死地、埋葬地に関しては諸説があるが、箱館のどこかに眠っていることは確かである。 たとひ身は蝦夷の島根に朽ちるとも 魂は東の君や守らむ(土方歳三) |
甲府城の石垣 | 流山の新選組陣屋跡 | 宇都宮城の本丸跡 |
会津若松城 | 五稜郭の歳三(函館市) | 五稜郭タワーの歳三 |
歳三終焉の地一本木関門 | 菩提寺高幡不動尊の歳三 | 歳三の墓がある石田寺(日野) |
幕末に大きな足跡を残した多摩の新選組、そんな中でも歳三人気は衰えることがない。5月連休には日野市において盛大に「日野新選組まつり」が開催される。 新選組の隊士に扮装するのは、圧倒的に女性が多い。 |
毎年5月の日野新選組まつり | 会津若松市から参加のみなさん | 菩提寺高幡不動尊に入る歳三 |
八坂神社に勢揃い。観客 よりも参加者が多い |
京王線高幡不動駅前で熱 の入ったパフォーマンス |
日野宿本陣で挨拶するNHK で歳三役を演じた山本耕史 |
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