1エレデルタループアンテナ

 

<製作動機>
ローカル局のJCC/JCGサービスに移動用お手軽アンテナとして作りました。
モービルホイップではイマイチで八木アンテナでは組み立てが大変。
で、迅速にQRVできてそこそこゲインがあるものということでデルタループアンテナを
作ることにしました。
アンテナセッティングが1分で可能な優れものです。
当のローカル局も作っているようです。

 

<1エレデルタループANT全景>

 

<材料>
材料は4エレデルタループと同じで、その1ループ分と考えてください。
車のルーフキャリアに取り付ける構造となっています。(車の屋根から1mH)
給電部はフィルムのプラスチック円筒容器を使いました。この中にフェライトコアと
ビニール線3本で1:1のバランを作って入れてあります。
MJコネクターで同軸と結合します。
エレメントのサイド2本はΦ8とΦ6のアルミパイプを差し込んでいます。
デルタの上部はビニール線で事務用目玉クリップにて両サイドのエレメントを留めます。
表1に材料リストを示します。

<表1. 材料リスト>
材料名 規格寸法 数量 備考
アルミパイプ φ6 ― 1000mm 2本 エレメント上
φ8 ― 1000mm 2本 エレメント下
φ10 ― 95mm 2本 エレメント固定用
φ25 ― 800mm 1本 ブーム
φ25 ― 120mm 1本 ブームベース
φ22 ― 100mm 1本 ブームベース - ブーム接続用
クロスマウント デベクランプ 1個 市販品
目玉クリップ 2個 エレメントワイヤー用両端
フィルムケース 円筒プラスティック容器 1個 マッチングBOX用
フェライトコア ジャンク品で特性? 1個 バラン用
ビニール線 UL1007 AWG#24 200mm 3本 バラン用 (色違い)
Mコネ,メス M-BR  1個 マッチングBOX用
圧着端子 M3用 2個 エレメント結合用
ビニール線 UL1007 AWG#18 2000mm 1本 エレメントワイヤー用
ビニール線 UL1007 AWG#18 100mm 2本 エレメント - バラン結合用
アクリル板 t=5mm、90mm×60mm 1個 ブーム固定用
ビス M3 6個 Φ10アルミ、エレメントワイヤー
ナット M3 6個 Φ10アルミ、エレメントワイヤー
ワッシャ M3 6個 Φ10アルミパイプ固定用
ビス M4 3個 ブーム、ブームベース固定用
ナット M4 3個 ブーム、ブームベース固定用
ワッシャ M4 3個 ブーム、ブームベース固定用
ビニールテープ 少量 Φ6エレメント固定用
接着剤 エポキシ2液性接着剤 少量 バラン固定用

 

<ブーム部の加工>
ブームはφ25のアルミパイプをルーフキャリアのブームベースに差し込むようにうにしています。
つなぎはφ22のパイプを介しています。
アクリル板にブームとエレメントベースをビスナットで固定し、フィルムケースに入れたバランの
給電部をブームにインシュロックで固定します。




<ブームベースとワイヤーエレメント>


<エレメントの加工>
エレメントはφ8とφ6のアルミパイプおよびAWG#18のビニール線で構成します。
φ8のアルミパイプとφ6のアルミパイプは全長1000mmで統一します。
ビニール線の両端には事務用目玉クリップを圧着端子でカシメて取り付け、
φ6のアルミパイプを引っ張ることによりたるみをなくします。
φ6のパイプのφ8への挿入ストッパーはビニールテープを数回巻きつけます。
φ8のパイプのφ10パイプへの挿入部分は、φ10パイプのアクリル板への取り付けビス
M3がストッパーになります。(風で抜けない程度の長さでよい)
以下ANTの全体図です。


 
<給電部の製作>
給電部のM-BRコネクタ部分はフィルムの円筒ケースを利用して作っています。
フェライトコアによじったビニール線3本を5回巻きつけて1:1のバランを作ります。
線の固定は2液性のエポキシ樹脂接着剤を使いました。
バランとM-BRコネクターを半田付けし50mm程度の長さのAWG18のビニール線の片側にM3の圧着端子
をカシメてバランに半田付けします。
フィルムケースのビニール線の出口の穴はエポキシ樹脂またはシリコンで固定し隙間を防水します。
フィルムケースは耐候性のインシュロックでブームに固定します。
下写真参照

<給電部とアンテナ全パーツ>

<調整と運用>
調整はφ6のエレメント長を変えるか、ワイヤー長を微調すればSWRが落ちると思います。
またエレメントの角度(本アンテナは約80度)を少しいじってもSWRに効いてきます。

本アンテナでローカル局のJCC/JCG穴埋めに三重県内移動して実績を残しています。
特にモービルホイップでは苦しい場所でもそこそこ飛ぶので大きな八木アンテナを
あげなくてよいというメリットがあります。
なりよりも、短時間で組み立てられすぐQRVが出来ることが一番のメリットだと思います。
以下、ANTシミュレーション結果と実測結果を記します。

 

<1エレデルタループANTシミュレーション結果>

 

<1エレデルタループANTビームパターンシミュレーション結果>


<ANTアナライザによる実測値>