6エレF9FTアンテナ

<ANTの全景>

 

<材料と製作>
材料は近くのDIY店やホビーショップで簡単に手に入る物ばかりで、5エレ八木と
同じものです。表1に材料リストを示します。

加工で厄介なのは給電部ですが、ABSのボックスにΦ12のアルミパイプを取り
付けます。この時ラジエータエレメントはブームから絶縁してください。

またエレメントを固定するガスホースクリップも5エレ八木と同じ方法です。

 

<表1. 材料リスト>
材料名 規格寸法 数量 備考
アルミパイプ φ3 ― 1m 1本  
φ10 ― 1.5m 12本 Φ10とΦ8継ぎ足し可 
φ12 ― 1.5m 1本  
φ22 ― 0.5m 1本  
φ25 ― 3.5m 1本  
φ28 ― 2m 1本  
エレメントクランプ φ12用 5個 ロケット店オリジナル
クロスマウント MAX φ50 1個  
プラスチックケース 1個  
目玉クリップ 2個  
ガスホースクリップ 小,15mm用 12個  
同軸線 5DFB 1m  
M-M(メス-メス) 結合用 1個  
圧着端子 M3用 4個 給電部、ショートバー用 
ビス M3 8個 給電部、ショートバー用
ナット M3 8個 給電部、ショートバー用
ワッシャ M3 8個 給電部、ショートバー用
ビス M5 4個 ブーム接続用
蝶ナット M5 4個 ブーム接続用
シリコンゴム KE45(信越化学) 少量 給電部防水用

 

<給電部の製作>
給電部は市販のF9FTと同じTマッチ方式としました。
図1の様にABSの箱で給電ボックスを作り、シリコンゴムで防水します。

給電部分は、同軸の芯線と編線に圧着端子を付け、φ12のアルミパイプにビス留めします。
給電部のエレメントは、各々ブームから絶縁します。

ショートバーは、両端に事務用目玉クリップ小にφ3のアルミパイプを圧着端子で固定し、
着脱可能にします。
このマッチング部分の利点は着脱がクリップ2個で簡単にできるところです。
(下写真参照)

 

<給電部の写真 上と下からの写真>

 

<図1>

 

<ショートバー>

<マッチング部の写真>


<エレメントクランプ部の加工>
次に各エレメントのブームへの取り付け部分の加工ですが、ロケット店のφ12用の
エレメントクランプを使い、ブームから左右にφ12のアルミパイプを10cmずつ出し、
両端を2cmずつ各々4箇所割りを入れます。
割りを入れた先端は外側へ各々4箇所曲げてヤスリで滑らかにしておきます。
これはエレメントを取りつけて固定するガスホースクリップが抜け落ちないようにする
工夫です。(下写真参照)面倒な場合は割りを入れるだけで十分でしょう。
ガスホースクリップを加工し、φ12のアルミパイプの中にφ10のパイプを入れたとき
に抜けないように内径を調節し、うまく締め付けるようにします。
加工が面倒な場合はアルミ板で作ってもOKです。

 

<エレメントクランプ部の写真>

 

<ブームとエレメント寸法>
ブームはφ28とφ25のアルミパイプを4分割して組み立てられるようにしています。
つなぎの部分はφ28とφ25の部分は、φ25をそのまま挿入し、φ25どうしは
φ22のアルミパイプを介してて蝶ネジ1本止めとします。
エレメント間隔、エレメント長は5エレF9FTとシミュレーションソフト:MMANAにて
最適化プログラムによって寸法出しを行ない、その後実物でカット&トライで決定しました。
このカット&トライには、MFJのアンテナアナライザーが威力を発揮しました。
ブームとエレメントの寸法を下図に、シミュレーション結果を図2に示します。

 

 

<図2.シミュレーション結果>

 

<ビームパターンシミュレーション結果>

 

<調整と運用>
各エレメントはシミュレーションより少し長めに切っておき、実際の調整時に少しずつ切って
最適値を決めます。
ショートバーの長さはいろいろ変えても、SWRはあまり変わらないため450mmに固定しました。
特にショートバーの径およびショートバーとエレメントの間隔が微妙に影響するようで、カット&
トライで最終的に妥協した寸法としました。(径:φ3アルミパイプ、エレメントとの間隔:20mm)
出来上がったアンテナのSWR特性は中心50.5MHzで、50.0MHz〜51MHzで1.5以下となり、
実用できるものとなりました。(下図参照)

 

<シミュレーション結果とANTアナライザによるSWR>

 

アンテナゲイン、FB比の実測はしていませんが、5エレ八木と比べてFB比がよくなった
ように思われます。
これから移動に実戦投入して色々と性能を確かめたいと思います。
ただ、5エレ八木と比べると重いのでお手軽運用というわけには行きません。
今後交信時にレポートいただければありがたいです。