THEATRE OF FATE (1991)★★★★ VIPER |
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VIPERといっても91年の本作だけ。これ以前でも以後でもない。というのも本作だけがVIPER脱退後ANGRAを立ち上げることになるヴォーカルのアンドレ・マトスがサウンドメーカとなって作られた唯一のアルバムだからである。基本的にVIPERはパワーメタル系のバンドであり非常にアグレッシブなサウンドでデビューした。ところが本作(2ndアルバム)ではそれとは全く異なるシンフォニック且つ美旋律につつまれたサウンドを打ち出してきた。その立役者こそアンドレ・マトスだったのである。初めてこれを耳にしたときは衝撃だった。その曲構成、スピード感からHELLOWEENに近い気もしたが、圧倒的な違いはこちらの方が遥かにクラシックからの影響を受けていることとメロディの洪水である。それは早くも2曲目の「AT LEAST A CHANCE」ではっきりと認識できる。特に中盤、ギターソロからシンフォニックな展開をみせるところなど、今でこそ珍しくはないが当時こんなバンドはどこにも無く、新鮮さと大きな衝撃を受けた。いちばんHELLOWEENっぽい「PRELUDE TO OBLIVION」もすばらしいが、なんといってもハイライトは「THEATRE OF FATE」。凄いバンドが出てきた!と思ったのもつかの間。アンドレ・マトスが脱退。バンドも元のパワーメタルに戻ってしまった。
1.ILLUSIONS
2.AT LEAST A CHANCE
3.TO LIVE AGAIN
4.A CRY FROM THE EDGE
5.LIVING FOR THE NIGHT
6.PRELUDE TO OBLIVION
7.THEATER OF FATE
8.MOONLIGHT
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ANGELS CRY (1993) ★★★★★ ANGRA |
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VIPERを脱退したアンドレ・マトスが立ち上げたANGRAのデビュー作品。音楽性はVIPERで確立したメロディアス且つクラシカルでスピード感のあるサウンドを継承している。まあ本作が俗に言うメロスピの「はしり」と言えるだろう。注目は私がリスペクトするカイ・ハンセンがゲスト参加しているところ。さすが先生お目が高い!といえる。本作はVIPERで見せたメロディアスな面はそのままに楽曲の完成度を上げ、さらにスピードチューンを前面に打ち出すことでインパクトの強い作品となった。特に1曲目シューベルトの「未完成」に続いて繰り出される名曲「CARRY ON」には予想もしていなかったスピード感とアンドレの美しい声そしてメロディの津波にあっという間に呑み込まれる。この曲が今やメロスピファンのバイブルとなっているのは言うまでもない。それから忘れてはならないのが大作「EVIL WARNING」である。楽曲の良さは言うまでもないがポイントはギター。特にソロがすばらしすぎる。アルバムとしてみてもスピードチューンからバラードまで絶妙な配置でみごとに起承転結しており全く文句無い。これぞ名作といえるだろう。
1.UN FINISHED ALLEGRO
2.CARRY ON
3.TIME
4.ANGELS CRY
5.STAND WAY
6.NEVER UNDERSTAND
7.WUTHERING HEIGHTS
8.STREETS OF TOMORROW
9.EVIL WARNING
10.LASTING CHILD
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REBIRTH (2001) ★★★★ ANGRA |
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なんとアンドレ・マトスが脱退。確かに1st「ANGELES CRY」以降の作品はアンドレがブラジル音楽への執着を見せ始めたことで、ANGRAの音楽性が変化してしまい正直がっかりしていたのも事実。とはいえアンドレ脱退となればANGRAはどう考えても無理だろうと思っていたのも事実。ところがまさにミラクル!ANGRAの凄い新アルバムが届いた。それも1stに最も近いサウンドで。まさに2001年版「ANGELS CRY」がそこにあった。これは2001年最大の衝撃。そう、ANGRAサウンドはいつのまにかアンドレマトスだけのものではなくなりメンバーにしっかり根付いていた。それは本作の楽曲を聴けば誰もが理解できるはずである。そして新ヴォーカルのエドゥ・ファラスキがこれまた凄い。声質、パワー共に文句なし!アンドレを超える程の歌唱力も持っている。つまりアンドレの穴は完全に埋められ、逆にこんもり小山を作ってスコップで上から叩いてしまったのだ(笑)。そのくらい完璧な復活劇だった。それは2曲目「NOVA ERA」で早くも浴びせられる。間違いなくあのANGRAだ。実際は相当に苦労したんだろうとは思う。しかし完全に報われたといっていい。アルバムタイトルでもある名曲「REBIRTH」。この曲にメンバー全ての想いが集約されている。凄い!合格。
1.IN EXCELSIS
2.NOVA ERA
3.MILLENNIUM SUN
4.ACID RAIN
5.HEROES OF SAND
6.UNHOLY WARS P1,P2
7.REBIRTH
8.JUDGEMENT DAY
9.RUNNING ALONE
10.VISIONS PRELUDE
11.BLEEDING HEART (Bonus)
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TEMPLE OF SHADOWS (2004) ★★★★☆ ANGRA |
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新生ANGRAとしては2作目。11世紀の十字軍をテーマにしたコンセプトアルバムである。このバンドには2作目のジンクスなどという言葉は微塵も無い。まさに馬車馬のような怒涛の突進でさらに進化を遂げようとしている。また、1st以来久々に我らがカイ・ハンセン先生とBLINDのハンズィ・・等々がゲスト参加している。さすがお目が高い。先生が絡むとみんな傑作になるねぇ(でも頭が痛いからあんまり歌わないで)。本作だが、頭の「SPREAD YOUR FIRE」から既にKO寸前。結構好きな「WISHING WELL」。そして6曲目カイ先生との「THE TEMPLE OF HATE」で灰になる。後半は抑え気味だが物語の展開と考えれば壮大でみごとな世界観を演出しているといえる。ただ、個人的には11,12はいらなかったかなと思う。こうして聴いていると、バンドはかなりの引き出しを持っていることが伺える。このままいくとプログレ路線に走り出さないか若干心配ではある。私はこの状態を安定させてこそ新生ANGRAのサウンドスタイルのベースが完成するとみているため、間違えてもDREAM THEATERにはなってほしくない。
1.DEUS LE VOLT
2.SPREAD YOUR FIRE
3.ANGELS AND DEMONS
4.WAITING SILENCE
5.WISHING WELL
6.THE TEMPLE OF HATE
7.THE SHADOW
8.NO PAIN FOR DEAD
9.WINDS OF DESTINATION
10.SPROUTS OF TIME
11.MORNING STAR
12.LATE REDEMPTION
13.GATE XIII
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