まず、最初のページに写真がありますが、一般的にいえば隅削りカッターといえばいいのかな?
代え刃式スクエアエンドミルかな?スロウアウェー方式エンドミルかな?について
書きたいと思います。
当社では10年ほど前から使っている日立のカッターと3年程まえから使い始めた
サンドビックのカッターと最近買ったビックのカッターがあります。
さすがに10年前のカッター(とはいえ3年前まで常用)とくらべて3年前
から使っているものとを比べるとあたりまえの話だけど新しいほうがよいです。
ここの技術の差というのはすごいです。
何が違うのか、一言で言えば生産性です。
送り速度は10年前の物を基準にすると2倍から3倍あげられる。
チップの寿命も正確にはわからないけど2倍から3倍はもちます。
そんなにもつのにチップ(代え刃)の値段は同じくらい。
(昔のチップは焼結後研磨が必要だったけど、今は焼結のみで精度良く作れるようになったために研磨のコストがかからないらしい)
そんな理由と3年前にサンドビックを買った決定的な理由は、
スロウアウェー方式エンドミルを選ぶポイントは、あたりまえと言ってしまえばそれまでなんだけど、
いかに早く送れるか=生産性、
チップの耐久性、
チップの値段、
本体の精度(直角度)
機械の回転数との相性、
等ありますが、当社の使い勝手から言うと、しつこいようですが汎用機での使用も考えると、直角は重要です。
上の図は直角が良い場合、と悪い場合のZ切り込み3回における側面のけずれかたを表した図です。
これでわかるように直角が良いと仕上げ記号ひとつ山は十分にクリアーできます。したがって
特に厳しくなければエンドミルで仕上げる必要がなく工程を減らす事ができます。
(サンドビックのカタログで言いたい事だと思います。)
鉄鋼場をやっていると、工具メーカーの営業の人が地元の工具屋さんと一緒に来て製品のピーアールをしていきます。
そのときサンプル工具を持っていたら必ず借りて試し削りしてみます。
今まで、試し削りをしたメーカーは、サンドビック、コベルコ、ビックです。
サンプルとして貸してくれた物のなかで直角をクリアーしているのはサンドビックとビックです。
3年前、一番初めに試し削りをしたサンドビックがその当時、えらく気に入ってしまい、
D40(直径40mmの柄つき、チップの大きさ15mm)、をすぐに買いました。以後D20(直径20mm
柄つき、チップの大きさ10mm)を買いD32(直径32mmの柄つき、チップの大きさ15mm)、
も買いました。
しかし、一番初めに買ったときは、キャンペーンで安かったけど、
よの中不景気で、部品単価はねぎられてどんどん安くなっているのにチップの値段が
安くならず、変わらないなら利益率が悪くなる。
サンドビックは国内メーカーじゃないのでこの日本の状況がわかっているのか知らないですが
チップの値段は安くしないんですよ。
そんなときビックの物を試し削りしました(半年前ぐらい)。
これがまた良くできている。サンドビックと同じ条件で削ったら、体感として切削音が小さい
振動が少ないというのがわかりました。
その時は、「でもサンドビックのあるし今買う必要ないなぁ。」
と思っていたけど、その3ヶ月後ぐらいにサンドビックのD20が破損、見積もりとったらビックのボディー+チップ10枚
とサンドビックのボディーがそんなにかわらない値段だったのでビックを買いました。
ビックのチップはコーティング名からおそらく住友さんで作っているのかな。なかなかいいチップです。
特徴として代え刃式でエキセン二番角ついている事です。
ビックのカタログで言いたいことはエキセン2番角がついていて刃先強度が良いことと、
チップがかなりとんがっていて切れ味が良いと言うことだとおもいます。
実際に振動、騒音はちいさく、高い切削条件なんだけど軽く削ってくれます。
このビックのチップは外周研磨してあるとのこと。
このカッターを買う前のビックの製品のイメージは「物はいいけど値段が若干高い。」
というものでした。しかし、このカッターに関しては値段も安いし、チップも納得できる値段です。
今後、使いこんでいきますので、また報告したいとおもいます。
コベルコのカッターは直角が悪かったので当社では却下しましたが、チップの耐久性というか強さは
多分一番いいと思います。さすがにミラクルコーティングのチップはすごい。
だからボディーの作りが悪いからせっかくのチップがだいなし、もったいない。
今後に期待。