私が日々目を通す書物に対して、私の今の視点と、了解できない観点を書き抜き、それ
をどのように理解すると、私の了解になるかを目的に日記風に綴っていきたいと思います。
-------------2002.03.05---------------
「資本論体系の成立」編集 服部文男・佐藤金三朗 有斐閣
「資本論」成立史に関する諸論点
(1)「国民経済学批判体系」 エンゲルス著1843年--1844年
近代ブルジョワ社会は、私的所有とそれに基づく競争の法則が貫徹する社会であり、
経済的諸現象・矛盾が、すべてそれより規定される社会である。
私的所有-->生産を、土地と人間的活動に分裂させる。
人間的活動を、労働と資本(蓄積された労働)に分裂させる。
需給不一致=市場価格の不断の動揺、価値と価格の乖離が常態となり、価値と価格の
一致が成立しないことから、価値概念が近代ブルジョア社会において成立いえない。
(2)「パリ・ノート」1843年10月--1845年1月 9册のノート
(3)1844年--1847年のマルクスの手帳
(4)「経済学批判要綱」における資本蓄積論
個別的諸資本の相互関連・相互作用を捨象した上で、資本の本質を解明する「資本
一般」に限定して、「諸資本の蓄積」についての詳細な研究がなされた。
(5)マルクスのギューリヒ抜粋 三冊のノート
世界経済史の最初の総合叙述
(11)「資本論」の弁証法
ヘーゲル哲学の批判を通して、哲学一般の批判としてつい行された。
A:ヘーゲル国法論批判「ヘーゲルのやり方・個別的具体的諸規程に対して、それ
らに対応する抽象的(論理学的)諸規程を見つければ、解決するのです。彼は
彼の思考を対象から展開するのではなく、論理学と言う抽象的圏域の中で、す
でに出来上がっているある思考に従って対象を展開する。諸対象の運命はむし
ろ、「概念の自然性」によって事前決定されている。「概念」こそが、能動者
つまり、規定と区別をもたらす原理なのです。理念とか概念は、ここでは自立
化させらるた抽象である。