読   書   日   記

私が日々目を通す書物に対して、私の今の視点と、了解できない観点を書き抜き、それ
をどのように理解すると、私の了解になるかを目的に日記風に綴っていきたいと思います。

−−−−−−−−2002年05月15日−−−−−−−−

思 想 2001年10月号 岩波書店 ライプニッツ特集

ライプニッツにおける原初的思考対象の問題 石黒ひで 鈴木泉(訳)
認識論と言語哲学とが交叉する領域で、ライプニッツの思想(概念と真理の分析に関する一般的探究)の浮かび上がる二つの傾向。
(1):我々の思考を明晰にする手段としての分析に対する傾向、「人間の思考のアルファベット」を表現するきごうの結合法の体系の構築の努力をして来た事。
(2):定義することは出来ないし、他の事物や性質との違いを開明する事は出来ないものの、識別する事は出来る様な事物ないし性質について持つ複合観念の重要性の対する確信。
ライプニッツは錯然として観念の例として、<色><自我の観念><道徳の原初的原理><推理の幾つかの単純な原理>がそれに当たると言うのです。しかし、それらの事物や性質についてさらに何も言う事が出来ないのなら、我々はそれらについて持っている観念が複合的である事をどのようにして知る事が出きるのだろうかと言う事になるのです。
マルシアル・ゲルー「哲学と現象学的探究」(ライプニッツ哲学における実体と単純な原初概念)
実体は、一単創造されると世界の内に実在する。これは実体が自らの観点から世界全体を表象し、その世界の全ての事物と関係を持つ事を意味する。世界の無限の事物に関係を持つのだから、現実的実体の概念は無限の複雑さをもつのである。
実体の単純性とは、それが不可分で或事を意味している。例)数学的点、思惟する主体。
しかし、実体概念が単純であるとは、ライプニッツは考えなかった。
「原初的な思考対象:例えば熱さ、冷たさ、色である。しかし原初的であると言って、それで終わりなのではなく、こうしたものにはそれぞれ原因があるのだから、さらに分析する事ができる。