読   書   日   記

私が日々目を通す書物に対して、私の今の視点と、了解できない観点を書き抜き、それをどのように理解すると、私の了解になるかを目的に日記風に綴っていきたいと思います。

−−−−−−−−2002年10月30日−−−−−−−−

意 味 論−意味構造の分析と記述 池上嘉彦 大修館書店



「意味論」と言う名称は言語学以外の分野でも用いられている。
第一章 意味論とは
一般的な理解にある「意味論」、つまり辞書に載せられている説明では、「意味を研究する学問」と言う事になる。一つの言語単位、例えば<BOY>と言う語に二つの側面がある。
(1)音的な面、或いはBOYと言う文字の形の面        音韻論
(2)文字や音声に結びついている<少年>と言う意味的な面   意味論
オウムは時として人間の言葉をかなり正確に模倣して発する事ができるが、発声だけで意味を伴っていない。
−−オウムが「おはよ〜」と発声すれば、私もオウムに向かって「おはよう」と発声する。この時私は言葉を出すとは言はない。<発声>と言うのであり、それが言葉であるかどうかを明らかにしようとしているのです。オウムの発声である「おはよう」は、朝の挨拶の言葉なのだが、オウムに朝に挨拶すると言う意識があるかどうかにある。つまり「おはよう」と言う言葉を発声する時に彼の内部に他者に向かって挨拶をするという思いがあるかどうかなのです。
現在の言語学では「文法」と言う述語をもっと広い意味で使っていて、形態論、統語論、音韻論、意味論を含めている。言語についての一般論(音韻論、形態論、統語論、意味論のすべてを含む)として文法論ができている。現代の言語学において言語の記述と言う問題は「ある言語において、その言語の表現」