299を行こう 事故編

299を行こう補足編

・・・のつもりで予定していたのだが。


GW初日、朝6時 すっかり明るくなった中バイクを走らせる。
いつものように飯能市内を抜け、高麗川を左に見ながらR299を走るが、GW初日のせいか交通量
が多くスピードも遅い、大人しく流れにあわせて走るが、このあたりは信号が少ないので結構気持ち
よく走れる。

前方左側、高麗川に架かる小さい橋の上に乗用車が停車している。前の車に続いて走って・・・
次の瞬間左足に衝撃が走る。

[ やられた・・・左足いったぞ! ]
目の前が、グレーのフィルタをかけたようになる。バイクが転倒してがりがりと音をたてているのが
聞こえる。そしてバイクのヘッドライトがついているのが見えた。
自分が止まったのがわかってすぐにけがの具合をチェック、左足は膝から下は完全にアウト。他は大
きなけがはなさそうだ。
ぶつけたドライバーが駆け寄ってきて
「大丈夫ですか?」
「(大丈夫なわけないだろ!)左足いった!」
転倒しているのは反対車線中央。ここにいては危ない、仰向けになって左足を上げた状態で、蛇のよ
うに体をくねらせて路肩まで逃げると、次の瞬間大型のダンプ(仰向けに寝ている状態から見える様
は、極太のでかいタイヤがそそりたっているように見える。)がホーンを鳴らしながら、地鳴りをあ
げてすぐ脇を走り去る。。。
[ 怖〜〜〜っ ]
頭は強打していないし、けがもないのでヘルメットを脱ぎ、寝た状態のまま縁石を乗り越える。歩道
なら車からの危険は避けられるのでやっと落ち着く。
遠巻きに野次馬数名と(後でわかったが、ぶつけたドライバーの家族もいた)救急車を呼んでくれた
人、転倒したバイクを避けてくれたライダー、何もできずにおたおたしていたのがぶつけてくれたド
ライバー。これが町中だったら周りは野次馬だらけだったかも。

救急車が来るまで少し待ったが、担架に乗せられて車内に運びこまれるとすぐ詳しいけがの状態の確
認が始まる。
「はいているもの切っちゃっていいですか?」
「ジーンズぽろぼろでしょ、いいですよ」
ブーツをはずしてジーンズをじょきじょきと切り始めて
「あっ、ちゃんとやってたんだ(ジーンズの下につけていた膝用のプロテクタを見て)よかったねぇ」
(プロテクタ表面は結構削れていましたが、膝は軽い打撲ですんだ。ただ左足は車がぶつかった衝撃
で膝の裏側の骨が骨折)

警察も駆けつけて、救急隊員とのやりとりの間に割り込んでくる。
「バイクどうする、引き取ってくれるところあるのかな?」
等いろいろ聞いてくる。バイクは行きつけの店の電話番号を教えて処理してもらう。
「他にけがしているところないかな?」
「えっと、これ。なんか変でしょ、曲がったまま」
と、右手薬指を見せる。どうやら転倒時に手をついてしまったようだ。(剥離骨折していた)

救急隊員があちこち病院を当たってOKがでた病院に移動を始めた。
(昔々乗った救急車は、ワンボックスを改造しただけ風で乗り心地最悪、こんなんで運んだんじゃ症
状悪くなるんじゃないかぁと思ったが、今のはだいぶ良くなってますね。これなら安心して乗ってい
られるかなっという感じです。)

飯能市内の病院についてすぐレントゲン室に運び込まれる。あっちこっちひねられて?(痛いのに)
撮影終了。ストレッチャーに乗せられたまましばし待合室で待たされる。
処置室に運ばれて院長登場!
レントゲンを確認しながらけがの具合を確認していく、で、看護士?の兄ちゃん6人ほどが骨折して
いる足を中心に囲む・・・(ちょっと異様な雰囲気にびびる)

院長先生いきなり始めてくれました。
「 ” !” ☆★※☆ ・・・ ○※☆★▼ ・・・ ※☆★※ 」
声にならない声・・・
(いやぁ、思わずセンスでおつむを”ピシッ”っとたたきたくなる。(どういう感覚じゃっ))
「息をしてください、息を・・・」
と、看護士の声。
「ちゃんと、骨を元の場所に戻さないとね」
と、院長。
(いや、やっていることはわかるんだけど、痛いを飛び越えています!全身硬直して”息をして”と
声をかけられなかったら、呼吸することを忘れてしまうくらいです。)
傷の手当後、足の裏側だけのギブスをあてる。
ストレッチャの上で、気分が落ち着くまで休んだ後、松葉杖で動けるかどうか試そうと起きあがった
ら目の前が暗くなって、血の気がなくなる。
「あっ、だめだぁ」
と、いうことでそのまま入院。(初の入院)

午後になって、足は最高に腫れ上がり、痛みとともに痺れが出てきた。(最初包帯を緩く巻いている
がそれ以上に腫れあがり血を止めてしまう)初のナースコール。
初経験の点滴も終わり、点滴の後処理をするが、少し気分が悪くなるかもとのこと。
この直後に足の包帯を巻き直して、痛みは楽になったが・・・視力がブラックアウトしかける。
血圧計を見るとかなり低くなってしまったようです。(入院後にも同じ症状があったので右腕には血
圧計が常時つけられていた)

夜、また辛くなってナースコール(体温39℃&痛み)
座薬がでているとかで、看護士さん(女性)速効スタンバイ状態。
「あっ、じ、自分で・・・じゃ駄目?」
で、自分で挿入(癖にならなきゃいいけど〜)
しばらくして、熱は落ち着いたものの痛みは引かず。夜中、痛みで眠れずにいると血圧計がエラーで
ピーピーと鳴り出す。仕方なくナースコールして直してもらう。
2度目の座薬の使用を聞かれたが断った。とはいえ痛い状態には変わりない、我慢しているうちにト
イレに行きたくなったが動けないので溲瓶を使う。実はこれが幸運につながった。
ある向きの時、痛みが楽になるのを発見。これで2時間ほど睡眠を取ることができた。

その後症状が落ち着いてから、MRIやエコーやら・・・も初経験
MRIで撮った頭の断面図は結構面白いかもしれない、牛丼が好きなので脳みそがスポンジになって
いないかちょっとどきどきでしたが、頭が悪いのはどうも寝ている細胞が多すぎるようです。

という感じで、初づくしの入院生活は続くのであった。


※ここからは余談です。

バイクのほうは、ぱっと見そんなにひどく壊れていないように見えるが、よく見たらリアサスの根本
が(フレームとの接続部分)割れて、中央付近が稲妻状に折れ曲がっている。リアサスの少し前には
当然自分の左足があるわけで、5カ所の骨折(左足だけで)で済んだのは運が良かったとしか言いよ
うがありません。へたすれば左足は・・・・・
リアサス以外にも、フレームも曲がってしまったので全損となってしまい当分補足編は書けそうにな
いというか、バイクをどうするかが重大問題です。

今回のけがで発見&感じたことがいくつかありますが、その中でも、看護士や医師が患者の言うこと
を真剣に聞いてくれることで一時的にでも痛みが和らぐ(精神的なものだと思う、話で聞いたことは
あったけど)ことを実感、ケアすることの大切さを感じた。


最後に!
[ 間抜けにもやっちゃいました 休み中気をつけて ]と、携帯メールを出したために入院中の着
替えを取りに行く羽目になった新婚間近のtukkunnに感謝!

また、事故の際対応してくれたみなさんに感謝!

5/16に退院はしたもののまだギブスをした状態ですが、順調に治っています。
早くけがを直してバイクで走れるようになりたいですね。

                                   2004.05