Book Review

漫画ばっかり読んでると思われがちのわたくしですが、ちゃんとフツーの本も読んでますぜ?
本の方が、好き勝手にキャラクターのイメージや背景、色彩を創造(映像変換)できるので、
漫画よりも自由度が高いのがいいです。

日本(1) 日本(2)
ユージニア/恩田陸/
角川書店/★★★☆☆

タイトルの響きと装丁が気に入って購入した一冊。
ミステリアスな構造になっていて一気に読める。が、かなり盛り上がったわりには最後が尻つぼみで消化不良…。謎が…イマイチ解けません(苦笑)
仮面の告白/三島由紀夫/
新潮文庫/★★★☆☆

三島由紀夫入門てとこですかね。
コレ読んではまる人多いみたいですが、私はそれほどでも…。でも、とても興味深く読めます。
獄窓記/山本譲司/
ポプラ社/★★★★☆

元衆議院議員の秘書給与事件で投獄されたその一部始終。近年ギバちゃん主演によってドラマ化されたから知ってる人もいるかも。刑務所の描写がリアルで臭ってきそう。かなり夢中になって読める一冊。
青い時代
No Image
青い時代/三島由紀夫/
新潮文庫/★★★★☆

仮面の告白よりも、私のつぼにはまりました!いいかも三島!
作者の主人公に対する皮肉が、行間にいっぱい詰まっていて、一行一行がニヤリとしてしまうんですねー。
三島文学中ではマイナーどころ?

←故に、AmazonにもImageもないのか(笑)
海辺のカフカ(上下)/村上春樹
新潮社/★★★☆☆

なかなか食指が動かず、ようやく読んだという感じ。上巻はかなり楽しめましたが、下巻は村上ワールド全開で、ちょっとついていけなかったです。意味不明…
それにしても、村上春樹の登場人物はしゃべりすぎ。
音楽/三島由紀夫/
新潮文庫/★★★★☆

青い時代で三島にはまって次に読んだのがこれ。
精神科医と患者の女性の巧妙で危険で猥雑な駆け引きがもの凄くコワイ!後味悪いけど、ますます三島にはまることに!
疾走(上下)/重松清/
角川文庫/☆☆☆☆☆

15歳少年の物語というので、海辺のカフカと並んで置いてあった。買わないと喰われそうだったので思わず買ってしまったが、なにもそこまで主人公にそんなエログロな目に合わせずとも別の表現方法があったろうに…と思わずにはいられない、作品としてもひどい二冊。がっかり。
春の雪(豊饒の海(一))/
三島由紀夫/新潮文庫
★★★★★+★

日本、いや世界の文学界に三島を超える者なし!
日本語の洪水。これほどまでに美しくて色鮮やかな日本語があったのかと感服。これを竹内や妻夫木なんぞで映像化しようなんざ、許されざる行為!恥を知れ、恥を!なんか汚されたって感じ…(泣)。
永遠の仔(全5巻)/天童荒太
幻冬舎文庫/★★★★★

坂本龍一のあの音楽が流れまくりです。待ってました、文庫化!
船越桂の彫刻の装丁もいいんですよー。物語にマッチしてて。
TVも原作に忠実でしたが、幼少期がもっと詳しく書いてあるし、主人公の弟のシーンは号泣でした。
奔馬(豊饒の海(二))/
三島由紀夫/新潮文庫
★★★★☆

途中別世界へぶっとんでしまい、難解度アップ!ここで挫折する人が多いのも分かる気が…。でも、どうにもやめられない強靱な引力が!
難しいところはとばし、とばし、なんとか読了!
第二の清顕の生き方に感情移入は出来ませんが、もの凄くべったりとした赤黒い印象が残ります。
幻世の祈り−家族狩り(全5巻)
天童荒太/新潮文庫
★★★☆☆

現代の子供の親殺しを反映してか、なんとか世の中に訴えたいという作者の意図が見え見えで、ちょっと押し付けがましいのが玉に瑕。
が、物語としてはあまり飽きさせずに5巻まで一気に読めます。
暁の寺(豊饒の海(三))/
三島由紀夫/新潮文庫
★★★★★

第三の清顕…の印象などどこへやら。本多のゆがんだ性癖が暴露!
それじゃ単に変態オヤジだ!
しっかりしろ!本多!!
タイの国が舞台のせいもあるけど、読んでいてもじっとりといや〜な暑さと湿気を感じる…。
神様のボート/江國香織/
新潮文庫/★★★★☆

さくみ嬢の勧めで借りて読んだ一冊。主人公とその母親の放浪の日常が淡々と描かれているのが実にいい!ちょっとずつ主人公が変化していく様子が繊細に描かれています。
天人五衰(豊饒の海(四))/
三島由紀夫/新潮文庫
★★★★★

やっとたどり着きました最終章。
本多の人生、なんだったんでしょうか…。
ううう、本多よ…(泣)
三島はこれを書き終えて自殺をするわけですが…これじゃ、もう死ぬしかないよねと妙に納得。ここまで人間の本質、業を描き抜いたら何も残りません。三島は人の何倍も人生を生ききったのです。

ホテルカクタス/江國香織/
集英社文庫/★★★★☆

これもさくみ嬢から借りた一冊。
登場人物が「数字の2」とか「きゅうり」とかで擬人化してあるのだが、全然違和感なし!でも頭の中で映像化するときに、どうもノイズが入ってうまく映像化できないのに、でも彼らは間違いなくそこに存在するというジレンマ的感覚が忘れられない不思議な一冊。
レター教室/三島由起夫
ちくま文庫/★★★★★

豊饒の海で疲れ切ったらこの一冊。
これもさくみ嬢の勧めで読みました。
ニヤッと笑ってしまいます。
こんなくだらない話も書いたんですね…三島…。
絵本を抱えて部屋のすみへ/
江國香織/新潮文庫
★★★★☆

江國で私が唯一持っている一冊。
絵本好きにはたまらない、なつかしいあの絵本やこの絵本が紹介されています。
日蝕/平野啓一郎/
新潮文庫/★★★★☆

当時史上最年少の芥川賞受賞作品。同世代として読まないわけには!
三島の再来と謳われたその表現力の凄いこと凄いこと!これと、蛇にピアス(←最悪)とか蹴りたい背中(←子供だまし)が同等の賞なの?どうしちゃったの?選考委員会は…。

夏の庭/湯本香樹実/
新潮文庫/★★★★★

毎年夏になると読み返しては号泣する一冊。何回読んだことか…。
子供の頃に感じた「死」に対する感覚が蘇ってきます。私が最初に「死者」を見たのは祖母で、幼稚園の時。今でも死に顔をはっきり覚えています。そんなことを思い出させる一冊です。

併せて「ポプラの秋」もお勧め。
バルタザールの遍歴/佐藤亜紀
新潮文庫/★★★★★

なんでこれがファンタジーノベル大賞程度?芥川賞もんでしょ!?選考委員はクズばかりなの!?
というくらい衝撃の一冊。
1人の人間の中に二人分の意識があって、互いの葛藤が実にリアル。

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