Book Review

もともと、幼少期から慣れ親しみ、私の人格形成をしたのは少年少女世界名作といわれるモノ達。
なので、実は日本文学より海外文学を好んで読みます。訳は堅ければ堅い方が好みです。
しかもいろんな訳で読み比べとかしちゃうと楽しい…。
最近、訳を現代訳にする動きが出ていますが、古典はなるべく古典的表現で残してほしいところ…。

海外(1) 海外(2)
大地(全4巻)/パールバック/
新潮文庫/
★★★★★+★


学生時代に友人K嬢から強く勧められて読みました。最初、中国モノは全く興味ないし大長編だし…と渋っていましたが、いざ読み始まったら授業そっちのけ。面白いのなんの!中国の王家3代の行く末が描かれています。読んで受けた教訓は「子に財産は残すな」!絶対読むべし!
月と六ペンス/モーム/新潮文庫
★★★★★

友人N嬢の勧めで借りて読み、気に入ったので買ってしまいました。
ゴーギャンが「タヒチの女」にたどり着くまでが、あくまでフィクションで描かれています(実在のゴーギャンはこの本の主人公ほど破天荒ではありません!)。
蠅の王/ゴールウィング/
新潮文庫/★★★★★+★

頭の中で映像化どころか、もう入り込んでしまって現実世界に戻ってくるのが大変でした。15少年漂流記もロビンソン・クルーソーもバトル・ロワイヤルもこれにはかないません!すげえ!
…ちょっと筆舌に尽くしがたい一冊。
車輪の下/ヘッセ/新潮文庫/
★★★★☆

高校受験の頃に先生に「この時期、コレと太宰の人間失格は読んじゃダメ。感化されちゃうから」と言われました。でも、実際読んでみると、客観的にかなり面白く、コレを期にヘッセ作品読破。でも、ヘッセ作品は映像化しにくいため、実は何回読んでもイメージが残らない…ので、何回も読んじゃう(笑)
嵐が丘/エミリー・ブロンテ/
新潮文庫/★★★★★

暗〜いんですよ、イメージが。
秘密の花園もそうなんですが、イギリスの荒野って吹きすさぶ風と黒い低い雲のまさにこんな表紙のようなイメージ。狂った悲恋の物語なので、余計かも…。
十二番目の天使/オグ・マンディーノ
☆☆☆☆☆

ベストセラーになってたので、読んでみましたが、あまりにもつまらなくて速攻BookOff行き(笑)アメリカ人はこーゆーのスキそうですが。背筋かゆくなっちゃう。やっぱり、私がもう純粋じゃないからですかネ。
ジェイン・エア
No Image
ジェイン・エア/シャーロット・ブロンテ/★★★☆☆

エミリーとは姉妹です。
ジェイン・エアは、嵐が丘よりも救いようのある話ですが、嵐が丘に比べてマイナーです。ウチにある父の時代からの古い世界文学全集の中から読みました。嵐が丘と合わせて読みたい一冊です。
リトル・ターン/ブルック・ニューマン
集英社/★★★★☆

こういうジャンルの純粋系は大好き。
ホロリと涙が出てしまいました。
挿絵の水彩画ももの凄くきれいで、癒し系の一冊です。絵本のコーナーに載せようともおもったのですが、敢えて小説の部類にいれてみました。
変身/カフカ/
新潮文庫/★★★★★

大好きです。何回読んでも感心しちゃいます。シュールです。私だったらどうするだろう…私が主人公だったら、私がその家族だったら…家族だったら、間違いなく、殺虫剤大量噴射して二度と部屋には近づきませんね。だって、虫ですよ、ムシ!この世の何がキライって、ムシですよ、虫!
ロスト・ターン/ブルック・ニューマン
集英社/★★★★☆

リトル・ターンの続編。
高校時代の国語のテストで、鳥の視点で描かれた物語が出たことがあります。「この時の鳥の気持ちをかけ」みたいな設問にムカついたので、私は「鳥じゃないから分からない」と回答。ひねくれてましたとも、昔から(笑)。でも今なら分かるような気がする…。
ハリーポッターと賢者の石/
J.K.ローリング/静山社/
★☆☆☆☆

表紙につられて買ったんですが。
当時は出たてで、知名度も低く。
前半数十頁で挫折。私の食指には全く触れず。たぶん、小学生時に読んでればポッタリアンになってたかもしれないが、時既に遅し。それだけ、汚れたってことかしら・・・(心が)。
朗読者/シュリンク/
新潮文庫/★★★★☆

前半の少年と女性の恋愛部分はイマイチなのですが、後半その女性の生い立が裁判の流れに沿って明らかになっていくとかなり盛り上がって興味深く面白く読めました。
雪のひとひら/ポール・ギャリコ/
新潮文庫/★★★★☆

文庫絵本です。絵がとてもきれいで、絵と同じ透き通ったきれいなお話です。一粒の雪の一生を丁寧に描いています。
異邦人/カミュ
新潮文庫

★★★★☆

カフカの変身と並んで大好きな一冊。
主人公の転落が、かなりテンポ良く、文字通り「転げ落ちる」様に描かれていて笑っちゃいます。

ジェニィ/ポール・ギャリコ/
新潮文庫/★★★☆☆

1人の少年が猫になってしまって、その猫の視線で冒険ドラマが描かれています。ちょっと長いのが玉に瑕…。
夜間飛行/サン・テグジュペリ/
新潮文庫
★★★☆☆

宮崎駿が、「夜間飛行」と「人間の土地」に衝撃を受けたというので読んでみました。確かに、宮崎駿の飛行描写は、これに影響受けてますね。でも私にはちょっと退屈で、途中で挫折。
ベロニカは死ぬことにした/
パウロ・コエーリョ/角川文庫
★★★☆☆

主人公が精神病院に入院して、その中で出会った人々によって死→生へ気持ちが動いていく様子が、ちょっと狂った感じで描かれていて面白いです。
人間の土地/サン・テグジュペリ/
新潮文庫/★★★★☆

「夜間飛行」よりかは幾分読みやすいです。
サン・テグジュペリって、この作品の主人公みたく、空で行方不明になったのですが、彼が乗った飛行機が2003年だか2004年だかどこぞの海底で発見されて、祖国フランスでは大変な盛り上がりだったと、TV「世界ふしぎ発見」で見ました。星の王子さま美術館って世界で唯一あるのが日本なんですって。フランスにないのに…。

アルケミスト/パウロ・コエーリョ/
角川文庫/★★★★★

精神哲学の基本が優しく書いてあります。星の王子様と同じ世界観かも。自分が何をすべきか分からなくなったら読んでみるといいかもしれません。私はすっっごい共感できました!
そういえば、池澤夏樹が、新訳「星の王子さま」を出しましたね。     →→→→→
合わせて読みたい一冊って感じですかね。

星の王子さま/サン・テグジュペリ/
池澤夏樹訳/★★★☆☆

手触りがいい装丁になっているので、ハードカバーの方を購入。一緒に文庫も出てます。
フランス語版のCDをお土産にもらったのですが、王子さま役の声の子がすっごいかわいいのです。生意気な王子っぽさが良く出てます。王子の台詞は子供コトバなのでなんとか聞き取れるのですが、他は難しくてさっぱりです…。フランス語の勉強にと、何ヶ月も会社の行き帰りの車の中で聞き続けたら、気持ち悪くなりました(笑)

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