お茶について
お茶の原産地は中国の西南部雲南省を中心とする地域と考えられています。わが国に初めてお茶が伝えられたのがいつの頃だったのでしょうか。古い記録では日本に茶が入ってきたのは平安時代といわれ、最澄や空海が中国に渡り日本に戻るときに唐代のお茶を持って帰ってきました。
しかし、その当時お茶を 薬と考えていたと思われます。その後、鎌倉時代になって臨済宗を伝えた栄西も宋代のお茶を持ち帰ったようですが、これもまた薬だと考えていたようです。 栄西は、その著書「喫茶養生記」の中でお茶の効能や栽培方法などを記述していました。栄西によって伝えられた茶種は栂尾高山寺の明恵上人に贈られ、明恵上人はこの種を京都栂尾の地にまき、宇治など各地に広めたと言われている。
それ以後、幕府もお茶の栽培に力を入れ、また、茶の湯は精神修養の一つされ、禅と結びつきながら発展し、千利休により大成されました。現在わたしたちに馴染みの深い煎茶の製法の基礎を築いたのは、宇治田原町の永谷宗円翁だと言われております。
18世紀初め頃(1730年後半)には農業の発展が著しく、お茶の商品価値が高くなりだし、これに呼応するように煎茶製法が生み出され、宇治茶の伝統が強くなっていきました。
このように、昔からお茶が、特に「緑茶」が体にいい事は、よく知られていた事です。日常生活にもっと「緑茶を飲む」ことを取り入れましょう。
「お茶の種類あれこれ」
=抹茶=
4月の始め新芽が出る頃、コモやヨシズで畑全体を覆い、その上にワラをまきます。こうして直射日光をさえぎることによって、うまみを葉の中に蓄えさせます。八十八夜(5月2日前後)が過ぎたころ、4月上旬の新芽が顔を出し始めてからから約30日後に摘み取り作業を始めます。
生葉の鮮度がおちないうちにすぐ(半日〜20時間以内)「蒸し」の工程に移ります。若葉の持つ新鮮な色や香りがそこなわれないよう、約15〜20秒間蒸すことで、葉の発酵を止めます。煎茶や玉露などと違って、摘んだ葉を蒸し、その後、葉によりをかけうまみをとじこめる「揉み」の作業が、抹茶にはありません。
葉によりをかけずに開いたまま、乾燥させた葉を碾茶といいます。これが抹茶の原料です。碾茶を石うすで挽くとなめらかな微粉末状の抹茶に仕上がります。
=玉露=
お茶の新しい芽が出てくる頃、抹茶同様日よけのために畑全体をコモやヨシズでおおいます。蒸しの工程も抹茶とよくにています。違いは、この後の工程にあります。
蒸した葉を揉んで、繊維をほぐし、お茶のうまみの成分を葉全体にいきわたらせます。この「揉み」の工程で生まれるのが、茶葉のより。しっかりとしたよりをかけるために、最初は粗く徐々にていねいによっていきますy。水分をじゅうぶんにとばし、変質を防ぎます。抹茶の場合、最終的に粉末状に挽かれるお茶。よりをかける必要がないので「揉み」の工程がありません。仕上がった茶葉をよく見るとねじれているのがわかります。この中にお茶の自然のうまみが凝縮されているのです。
=かぶせ茶=
短期間、茶園に覆いをして日光をさえぎって育てたお茶です。煎茶の持つ爽やかさと玉露の風味を併せもっています
=煎茶=
初夏の太陽をいっぱい受けたお茶の葉。そうするための畑を露天園とよびます。おおいをかけ、日光をさえぎった畑で摘まれる玉露や抹茶とは別の畑です。八十八夜(5月2日前後)と呼ばれるころが過ぎると、その年初めての茶摘みが始まります。
生葉の鮮度がおちないうちにすぐ(半日〜20時間以内)「蒸し」の工程に移ります。若葉の持つ新鮮な色や香りがそこなわれないよう、約15〜20秒間蒸すことで、葉の発酵を止めます。あたり一面に若葉の香りがたちこめる、
蒸した葉を揉んで、繊維をほぐし、お茶のうまみの成分を葉全体にいきわたらせます。次に茶葉のよりをかけます。最初は粗く、次第にていねいに揉み、均一なよりをかけます。茎や粉などを取り除き葉の形や大きさをととのえると、煎茶に仕上がります。
=かりがね=
玉露や煎茶に加工・仕上げする際に選り分けた、茎の部分をあつめたお茶。茎独特の香りがあります。気楽に緑茶を味わえるのもうれしいです。
=ほうじ茶=
大きくなった茶葉や茎茶を高温で炒りますそうすことによって香ばしいお茶が生まれるのです。煎茶などと比べると、品質の変化が穏やかなので、比較的著期保存できます。夏場は、冷やして飲むと格別です。
=番 茶=
熱いお湯を注いで気楽に飲んでいただけるお茶です。茶畑で大きく育った茶葉が原料なので、香りが高級茶に比べ少なめで淡白な味が特徴です。お食事時にぴったりのお茶です。
=玄米茶=
茶葉と香ばしい玄米を混ぜたお茶。熱いお湯をそそいで飲むと、大変おいしく飲めます。煎茶が続いたあとに、気分転換にお飲み下さい。
=粉 茶=
玉露・煎茶の精製加工中に出た粉の部分を集めたお茶です。玉露粉はおすし屋さんのあがりによく使われています。普通のお茶に比べ葉の形状上、非常に出やすいのでさっと急須でいれるか、茶漉しなどを使っていれるのが好ましいです。