旧規格カムシャフトを新規格車へ流用

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 エンジンの特性を決める大事な部品、カムシャフト。

 サービスマニュアルや国産エンジンデータブックなどによると、新規格よりも旧規格の方がハイカムになっています。

 (あくまでも相対的に見たらって事で)

 これは、新規格車になってから排ガス規制が厳しくなり、また、車重の増加に対して燃費を抑えるために仕方がないことです。

 でも、もっと高回転の伸びが欲しい!って言う馬鹿な人。

なおかつ、社外のハイカムは高くて買えない!って言う貧乏な人。

(あっ、どっちもオレのコトかぁ・・・)

このページは必見かも知れませんよ。

なにせ、旧規格にはK6A最強のエンジンを搭載したHB21S・最終型ワークスRがあります。

あのカムシャフトを流用できれば、そりゃぁ鬼に金棒ってもんですよ。

まずは、新旧のカムシャフトを比較してみましょう。

 左が旧規格車(HA21Sアルトワークス)用カムシャフト、右が新規格車(NAアルト3型)用カムシャフトです。

 デスビ駆動用の溝が旧規格の証です。

 見た感じ、どうですか?

 

 次に、ホントに流用できるかどうか、スプロケット側をみてみましょう。

 同じく、左が旧規格車用、右が新規格車用です。

 白いマジックは、チェーンの合わせマークと、1番気筒の最大リフト位置です。

 どちらも、ほぼ同じ位置なので、同じ位置になるようにスプロケットを移植すれば、そのままエンジンがかかりそうです。

 

 では、いよいよスプロケットの移植です。

 ちゃんと位置がわかるようにマーキングした上で、新旧共に油圧プレスを使って、スプロケットを抜きます。

 こんなかんじ。

 大して油圧がかかることもなく、割とスムーズに抜けてきます。

 

 そして、逆の方向からスプロケットを圧入しましょう。

 圧入が終わったら・・・

 ワタクシは臆病なので、ずれない様にカシメておきました。

 まぁ、ここまでしなくても大丈夫だと思いますけど・・・(根拠ナシ!)

 

 これだけです。

 エンジンを組む時に、このヒト手間を追加すれば、旧規格カムシャフトを流用可能です。

 

 もちろん、この手法を使うと、バルブタイミングの調整が可能です。

 ただし、調整する度にヘッドカバー、オイルパン、オイルポンプ、タイミングチェーン、カムシャフトをはずして、油圧プレスで打ち抜かないといけませんが・・・

 

 あっ、IN側のカムだけですよ。

 EX側のカムは、そのままでOKです。

 (EX側のカム・スプロケットについているピックアップ用の突起は、まったく使っていませんから)

 これで、新規格車なのに、ヘッドカバーを開けてみると

       IN側のカムにデスビ駆動用の溝がある

       EX側のカムにカムセンさ用の突起がない

という、不気味(?)なK6Aエンジンが出来上がりますよ。

 

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