●子ども自身の夢(あなたの夢ではありません)

自分の子どもに大きな期待をしてしまうのは誰でも当たり前です。

また、自分にできなかった夢を託してしまうようなこともあります。

自分が苦労したから、自分のようになってほしくないから、せめて子どもには…、

といった、子どもを思う気持ちからかもしれませんが、それでついつい子どもに

プレッシャーをかけてしまうこともあります。

「身代わりアスリート」という言葉があります。

自分が果たせなかった夢を子どもに託し、過度に期待するあまり、子どもにプ

レッシャーをかけてしまうことを指します。その結果、子どもは親を喜ばせるため、

親をがっかりさせないために、プレーするようになってしまうのです。

しかし、子どもには子どもの夢があります。

周囲から期待をされることは、大きな励みにもなります。期待されなければ、が

んばる気持ちも起きなくなってしまうかもしれません。

でも、「期待にこたえる」ことを目標にしてしまうと、子どもは時としてつらくなります。

自信満々がんばれるときは、周囲の期待は力となるでしょう。しかし、往々にして、

過度の期待はプレッシャーになります。自分に期待される像と、現実の自分との

ギャップに苦しむことになります。

元気に熱中している子どもたちにも、気持ちに波はあります。時には「やりたくない」

「休みたい」と思うこともあります。それをなかなか言い出せずに悩んで無理する子

どもも多いのです。子どもが大人の期待や気持ちを思って無理をすることは、お互

いのために良いことではありません。

気持ちが弱っているときに励ますことは大切です。少しがんばって乗り越えることも大

切です。しかし、無理がひずみとなり、結局ドロップアウトにつながるようなことになっ

ては残念です。

余裕を持って見てあげてください。またやりたくなるまで休んでもいい。他にやりたいこ

とができたらやってみてもいい。他のことと一緒にやっていてもいい。

戻ってきたくなったら戻ってくればいい。そこで休むことは、罪悪感を感じるようなことで

はありません。

最終的に楽しく長く続けていけることが大切です。

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