熊公は上のようなプロフィールの者です。
職業は一応、小学校の教員をやっています。いろいろな趣味がありますが、この中でおそらく特殊なのは鍛冶屋仕事でしょう。
母の実家は、隣が蹄鉄鍛冶、向かいが農鍛冶のお店で、小さい頃、興味津々で仕事をのぞいていました。「三つ子の魂百まで」というのでしょうか、かなり以前から鍛冶屋の仕事に興味があって、一度やってみたいと思っていました。
3年ほど前、銀座の書店にふらりと入って、パッ!と目に入った本が 『鍛冶屋の教え』 という本でした。横山 祐弘という方のお話を鹿熊 勤という方が編集されたもので、この本には鍛冶作業の「いろは」が書かれてありました。夢中になって読みました。そして、以前からの鍛冶屋願望に火がついてしまいました。
とりあえず知り合いの工場から鋼と軟鉄をいただき、普通の七輪と送風機としてボロになったドライヤーを使い、鋼に軟鉄をくっつける「鍛接」の作業に挑戦してみました。
まずは鉄が溶ける温度まで出しうるかという挑戦。見事に鉄が溶けたときは、ものすごい感激を覚えました。七輪と炭、そしてドライヤーの送風機で1500度程の温度を出せたわけですから・・・・・。
次に鍛接です。普通の七輪は深さはあっても、広がりがありませんから、送風口(羽口)に近いところと、上の方では温度にムラが出ますから、鍛接するのにちょうど良い温度を出せるのは僅か5cm位です。上下ひっくり返して鍛接しても10cm位のものしか作れませんでした。そこで、長方形の七輪を購入してやってみたところ、25cm位のものが作れるようになりました。その様子は「鍛冶屋の部屋」のページを見てください。
しかし、1000度を超える温度を出すと七輪はボロボロです。現在「道具土」という物を使って補修しながら、やっています。
新品の七輪 一日使った状態
鍛接は騒音が出ますから、居住している東京の板橋の町中では出来ませんので、伯父の住む福島県 須賀川の広い庭を工房に借用しています。小屋はありませんからフライシートを張って、その下で行います。全くのアウトドアー工房です。その為、冬場は休業。ゴールデンウィークは交通渋滞があったりで使えず、結局作業が出来るのは6月〜10月の5ヶ月間(実働7日間ほど)。それでも、1年に5〜6本のナイフが作れます。
変な趣味ですが、興味がある方、連絡を下さい。また、鍛冶作業に詳しい方、教えを請いたいと思います。
(2002.04.28.)
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