熊公の独り言 V




◆ 04年 家族旅行 in 戸隠 ◆
 今年の家族旅行は昨年に続いて金沢から日本海側を福井県に旅しようかと思っていたのですが、次男が中3、高校受験を目の前にしていますから、近場でと考え、それなら8年ぶりに夏の戸隠に行こうと言うことになりました。長男のクラブ活動・次男の夏期講習のお休み期間は8月13日〜15日だけ、そんなわけでお盆の一番混雑する時期に旅行することになりました。

 13日(金)は帰省ラッシュが起こる日ですから、東京を午前3時に出発することにしました。スムーズに戸隠入りが出来、7時には奥社参道入り口に到着する事が出来ました。気温は17度です。東京の連日真夏日更新の世界から本当に脱出出来たわけですが、今度は寒いくらいです。

◆◇◆ 戸隠森林植物園散策 ◆◇◆

 誰もいない植物園を散策して、鏡池で朝ご飯を食べることにしました。いつもはクロスカントリースキーで歩き回っているところ、夏は木道や小径を歩く以外ないので、斜めに突っ切っていくことは出来ませんが、小鳥のさえずりを聞きながら40分くらいで鏡池に到着しました。名前の通り戸隠の連峰を鏡のように映し出す鏡池でゆっくりと朝ご飯を食べました。

 
森林浴をして戸隠モードに                   戸隠西岳を写す鏡池


旅行の記念撮影

 夏の森林植物園を歩き、3月にどれくらいの雪が積もっているのかを知ることが出来ました。天命稲荷の前に二体の神像があるのですが、3月は台座が見えるくらいで、雪の多いときは顔を出しているくらいですが、何と2mくらい雪が積もっているようです。

 
台座がこんなに高いとは思ってもいませんでした・・・・


◆◇◆ 戸隠で見た花達 ◆◇◆

 戸隠の森林植物園や越水ヶ原辺りの標高は1200mくらいですから、亜高山帯ということになりますが、高山でも見られる花や低地でも見られる花が同居しています。

   
このお花名前分かりません                 ヨツバヒヨドリ   ・

   
ヤマトリカブト?                     キンミズヒキ

   
     このお花名前分かりません○○チドリ?             サラシナショウマ          

 
ツリフネソウ                          ヤナギラン

 
ルリアゲハ?   とつても綺麗でした!!

 花は命いっぱいに生きていることを感じさせてくれます。自分の時が来たらちゃんと花を咲かし、実を付けて・・・・、そして次の世代に繋いでいく。威張ったりしないで、それでいて自分の個性を発揮している。良いな〜〜〜。


◆◇◆ 戸隠神社 奥社 ◆◇◆

 朝ご飯を食べた後は随神門へ、いつも雪の中ではこの奥には行きませんから、今日は奥社まで行ってみることにしました。杉並木が綺麗です。このころには観光客の方々も随分出て居られ、賑やかになってきました。
 ここの杉並木、NHK放送の韓国ドラマ『冬のソナタ』のユジンとチュンサンがデートするチュンチョン(春川)の湖の並木のようです。
 
ユジンが自転車に乗って手を広げる名シーンの真似  奥社からは戸隠連峰の尾根線がすぐそこに見えます     

 奥社の階段、運動不足の熊公はチョッピリ息が上がってしまいました。今度クロカンスキーでここまで来てみようかな?雪を付けた戸隠の峰を間近に見てみたいと思いました。


◆◇◆ 戸隠流忍法資料館・忍者からくり屋敷 ◆◇◆

 8年前一番最初に戸隠に来たとき、坊主達は小2と年長さんでした。忍者からくり屋敷は次の部屋に行くために色々な仕掛けの扉を探して行くのですが、坊主達ここに入って、真剣に出口を探す様子は面白かったです。入場者が多いと前の人の探した様子を見ちゃうから興ざめしてしまいますが、自分の家にもこんなカラクリがあっても面白いかな?と思います。一部リニューアルされたお部屋があって、斜めになっているのですが、目眩がしそうなお部屋です。人間は視覚で平行を感じていること良く分かります。

 
     忍者からくり屋敷                        ああ〜〜〜!! 目眩が・・・・
 

手裏剣投げの練習
7枚投げて5枚命中すると団扇をゲットできます


◆◇◆ 中社でお食事 ◆◇◆

 中社に降りてみると車と人の凄いこと・・・。いつも初日にいく蕎麦屋さん「うずら家」さんには長蛇の行列・・・。毎年最終日に行く「山一屋」さんに行くことにしました。ここも行列が出来ていましたが、案内されたお部屋は静かなお部屋で、ゆっくりのんびりとすることが出来ました。
 食事の後は喫茶店「ランプ」へ、ここでいつも児玉さんという女性の版画作家の作品をゲットするのです。今年は黒インクだけの戸隠連峰の版画をゲットしました。『茶筅コーヒー』というものを飲みました。普通に入れたコーヒーを抹茶茶碗に入れて、茶筅で泡立てる物。味がまろやかになって、お抹茶をいただく感覚でコーヒーを飲みました。


◆◇◆ パイプのけむり ◆◇◆


刳り抜き小箱を作られる土屋さんの作られた看板
下の写真と比べるとその雰囲気分かると思います

 戸隠に来たら日参しないと気が済まない喫茶店、ここのマスター、高木御夫妻はいつも暖かく迎えてくださいます。早速、ベーコンのソテーとグロールシュビールを注文。妻や子供達はケーキを頼みました。
 このお店には不思議な病気が有ります。ここに来ないと落ち着かなくなっちゃう『パイプのけむり中毒症候群』です。これに罹ってしまっている人は全国に沢山居ると思います。熊公家も勿論その患者。

 この患者の症状は
 1,戸隠にいる間は日参して、自宅に戻っても、毎日ホームページを開けないと気がすまなくなる。
 2,戸隠が大好きになって、突然「戸隠行きた〜〜〜い!!と吠えてしまう。
 3,このお店に来ると初対面でも昔からの友達のようにお話が弾んでしまう。
 4,手作り薫製や手作りケーキ、スパイシーカレー類を食べなければ気が済まない。
 5,希に、凝り性になって、作品を高木さんに見せたくなってしまう。

 現在の所、この病には付ける薬は全くない、それはそれは怖〜〜〜病気です。

 今回もこの病気に罹っている方とお友達になりました。昨年このお店で『組曲戸隠』という写真集をゲットしました。枕元に置いていつも見ている写真集ですが、この作者「赤城秀雄」さんをマスターに紹介していただきました。この方、山と渓谷社のカレンダーに今年3点、来年も3点載る方です。戸隠の自然をテーマに、毎月戸隠に来られ撮影されている方。自分の好きな写真集の作者の方とお会いできるなんて、本当に素敵です。

 
    白樺に囲まれたお店                    赤城さんと記念撮影(中央が赤城さん)

 この春、妻がクロカンスキーの時に拾い集めた木の実や木の皮などで作品を作りましたが、そのことをちゃんとマスターは覚えていらして、宝光社の下の二番館というお店で、粟野美和子さんの「木の実と遊ぼう!」作品展が開かれていることを紹介下さり、翌日行くことにしました。粟野さんも『パイプのけむり中毒症候群』に罹っている方のようです。


◆◇◆ 星見失敗 ◆◇◆

 戸隠に行ったら星を見て、写真を撮るぞ!!と意気込み、銀塩カメラに三脚、星座早見板を持ってきたのですが・・・・。朝3時に出発してきて、おまけに、大人気なく、「明日は戸隠!! 嬉しいな、楽しいな!!」と、ワクワクしてしまってほとんど眠れていなかったのです。夕食後ベットに横になったらそのまま夢の国に、遠くの方で、「お父さん、星を見に行かないの!!」と、聞こえてはいたのですが、ベットのフワフワ感に負けてしまいました。
 明日がある!!なんて思っていたら、翌日は雨・・・・。星見は失敗してしまいました。


◆◇◆ 「木の実と遊ぼう!」作品展 ◆◇◆

 14日は「木の実と遊ぼう!」作品展に行きました。木の実や鞘などの持つ暖かい色合いや、光を透過したときの何とも言えない色合いを組み合わされた作品。素敵な空間がありました。作者、粟野さんともお話しでき、良かったです。

 
 
暖かみのある作品の一部
実際には光を透過したり、間接光を使われたりしているのでデジカメではその味わいを出せませんでした


粟野さんと記念撮影

 戸隠には芸術を愛する方達が集まるのかな?どこの喫茶店にも作品が置かれてあって、それが暖かいものばかり、戸隠には創造することを大切にする雰囲気が有るみたいです。粟野さんは岐阜の方とお聞きしました。版画を買った児玉さんは東京で、赤城さんは神奈川の方、地元の方もいらっしゃるし、ここ戸隠には不思議な力が働いている感じがします。
 今日は蕎麦博物館に行ったりして、夏場にしか営業しないお蕎麦屋さん「二葉屋」に食べに行って、もう一軒行こうかと思いましたが、パイプのけむりのスパイシーカレー・ビーフシチューを食べるために我慢しました。
 勿論、午後は「パイプのけむり」でのんびりさせていただきました。今日はニジマスの薫製にグロールシュビールです。坊主達はお店のワンちゃん「金太郎」くんのお散歩に行きました。
 今日も掲示板(パイプのけむりホームページ)の常連さん保坂さんとお会いしてお友達になりました。


◇◆◇ ギタリスト「佐藤正美」25人限定スペシャルライブV ◆◇◆

 夕食後、7時半から「」パイプのけむり」にギターコンサートを聴きに行きました。宿舎の「めるへんヒュッテ」からは林の中を300mくらい歩くとつきます。肝試しのようにしてお店に行きました。
 ギターのコンサートは初めての経験です。マスターの高木さんからは色々お話をお聞きしていましたから、気さくな方だと承知していました。この春に『森で奏でるギター』というCDを購入して、毎日聴いているのですが、その演奏者の方にお会いできるのは本当に嬉しかったです。パイプのけむりの店内は25名でいっぱいです。7時半、全員が揃ったところで演奏会が始まりました。
 高木さんの挨拶の後、いよいよ演奏開始です。CDでいつも聴いている曲の演奏の時は、ゾクゾクってしてしまいました。演奏の合間に語られる話で、みんな笑ったり、納得したり、感心したり・・・・。とにかくギターをこよなく愛されていることが伝わってきました。そして、演奏に傾けるエネルギーで僕たちの心を広げ、暖かいもので満たしてくださるのを感じました。
 このお店の空間は、本当に不思議な力を持っていると思います。初めて会った25人の人たちが、その場で本当に一瞬のうちに和みうち解けあえる・・・・。『パイプのけむり中毒症候群』は不思議な病気です。

 ギタリスト佐藤正美のホームページのプロフィールに
『自然保護を声高に訴えることより、見て、感じた、地球の美しさを曲にすることが、僕らしいやり方なんじゃないかな。(佐藤正美)』
と、書かれています。佐藤さんの考えが一言の中に現れているように思えます。
 活動の紹介では
『自然を題材にしたものが多く、特に85年NHK特集「未踏の原生林」の音楽を担当して以来、意識的に自然を曲想に取り入れるようになり、よりアコースティックな作風となっている。88年には日本自然保護協会のミュージック・キャラクターとして、「列島縦断コンサート」を作家の椎名誠氏、立松和平氏らと行い、また自然保護に役立ててもらうため、「未踏の原生林」の印税をすべて自然保護団体に寄付している。』
と書かれています。人となり分かりますね。佐藤さんもまた、高木さんによって『パイプのけむり中毒症候群』に罹ってしまった方です。

 
    素敵な空間でのコンサート               アンコール曲からはワイングラスを片手に
                                    何曲も演奏してくださいました。

 
  演奏された後ろの窓からはライトアップされた白樺が    コンサート終了後はギターの曲弾きを見せてくださいました

 
  奥様が「イバネマの娘」のボーカルをしてくださいました        徳島のお弟子さん田中さん御夫妻は        
                                              阿波踊りを見せてくださいました

 コンサートの休憩の時にはケーキとコーヒー・紅茶が出て、参加された方々みんなが自己紹介をしあいました。そして、昔からの友のように話しに花が咲きました。掲示板でお名前を知っている方と顔が一致したり楽しい自己紹介でした。
 コンサート終了後はビールで乾杯し、打ち上げです。佐藤さんは右手だけで演奏してくださったり、奥様が『イバネマの娘』のボーカルを担当してくださり、これまた素敵なコンサートになりました。
 10時間かけて徳島から来られたお弟子さんの田中御夫妻は「阿波踊りを披露して!!」のみんなの言葉に、「阿波踊りの世界からやっと抜け出してきたし、鳴り物がないとな!!」と言われました。すると、佐藤さんはすかさずギターで阿波踊りのリズムを・・・・。男踊り・女踊りを披露していただきました。本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 コンサートは10時まで、打ち上げ歓談は11時まで、本当にこのお店には不思議な力が有るようです。沢山のエネルギーをいただきました。


 アッと言う間に3日間が過ぎました。今回は「めるへん」のご主人とあんまりお話しできなかったのが残念でした。
 15日(日)はUターンラッシュが考えられますから、午前中に戸隠をさよならすることにしました。山一屋さんに頼んでおいた「蕎麦団子」を受け取りに行き、ガソリンを満タンにして、最後にパイプのけむりにベーコンとニジマスの薫製を受け取りに行き、マスター御夫妻にお別れをして、帰路につきました。
 柏原の一茶記念館はスキーの時期には閉館していますので、最後の見学地にしました。僕はここの民族資料室の鍛冶小屋の復元された物が好きです。牟礼・古間は信州打刃物の鍛冶屋の町です(した?)から・・・・。

  『朝霜に 野鍛冶が散火 走る哉』 一茶

 
戸隠の山にさよならをする                   最後の見学地「一茶記念館」で

 車の中では佐藤さんのCDを聴きながら帰りました。信州中野IC手前で少し渋滞、関越道は花園の所でこれまた少し渋滞、新座料金所が一番大変でしたがそれでも抜けるのに20分くらいでした。4時には帰宅できました。渋滞情報を見ると、5時頃がピークで花園ICから25kmくらいの渋滞が起きたようです。

◆◇◆ 余談です ◆◇◆

 さて、帰宅して、途中横川SAで購入した『とうげの釜飯』を開けて夕食です。「パイプのけむり 徳丸店ね」と、妻が佐藤さんのCDをかけ、雰囲気作りをしてくれました。勿論、話題は戸隠での楽しかったことです・・・。熊公は「どぶろく」を楽しみました。食後はコーヒーを入れて余韻を味わいました。
 ここでです、坊主達の話の中で「笹藪突っ切ったりしたんだ・・・」の言葉に一抹の不安が、『ササダニ』に注意することを話していなかったのです。早速はだかん坊にして様子を見ました。次男の脇腹になにやら居ます。やっぱりです。ピンセットと消毒液を用意して摘出、しっかり頭をつっこんでいる状態でしたが、まだ膨らんではいません、血はまだ吸っていなかったようです。何回かササダニを取っていますので、取り方のコツは掴んでいますから良かったです。坊主達はもう笹藪には入らない!!と、震え上がっていました。
 笹藪漕ぎをするときは、長ズボン、長袖、首にタオル、帽子をかぶる必要があること、藪漕ぎをした後は必ず身体の点検をすること話しました。
 最後にあまり気分は良くないと思いますが、ササダニの写真を・・・。みなさんも笹藪に入られるときはこいつにご注意下さい。


これがササダニです
 
背中側                                  腹側
(2004.08.16.) 






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