コーヒーブレイク
     故郷を紹介します。



埼玉県秩父市の巻
お城  武甲山は、埼玉県の西部、秩父盆地の南端に位置し、秩父地方の総社である秩父神社の神奈備山(かんなびやま:神様のこもる山)として、この地方の人々の信仰の山でした。その姿は南側に急峻で威圧的に聳える男性的なイメージであり、秩父の象徴的山でもありました。
 また、石灰岩質の山特有の山野草が豊富で、チチブイワザクラやミヤマスカシユリなどで有名です。
 しかし、皮肉なことに、武甲山は日本屈指の良質な石灰岩の大鉱床であったために、近年特に急激に採掘が進められ、山姿が変貌するほどになってしまいました。
 その結果、武甲山の標高も、1900年(明治33年)の測量では1,336メートルとされましたが、近年の石灰岩の採掘により、山頂が削り取られ、1977年(昭和52年)には1,295メートルに改められました。その後2002年(平成14年)の再測量によって、現在では最高標高地点は1,304メートルとされています。

<右は「武甲山資料館」秩父市内羊山公園にある>

<昭和35年頃、私が5歳頃の武甲山>
*既にこの頃から北側(写真右側)は大きく削り取られている。

<私が満53歳、平成21年2月の武甲山>
*見るも痛々しい、傷だらけの山容である。淋しい・・・
お城  秩父神社は、崇神天皇の御代、知知夫国の初代宮造に任ぜられた知知夫彦命が「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと:政治・学問・工業・開運の祖神)」をお祀りしたことに始まると謂われています。
 現在の社殿は、戦国時代の末期に兵火によって焼失したものを、1592年(天正20年)徳川家康が代官成瀬吉衛門に命じて再建されたものでです。
 建築様式は、本殿・幣殿・拝殿の三棟からなる権現造りで、極彩色に彩られた多数の彫刻群に覆われた豪華な造りとなっていて、建造時の棟札と共に、埼玉県の重要文化財に指定されています。
 特に有名な彫刻は左甚五郎作と伝わる「つなぎの龍」ですが、しかし私は、「お元気三猿」が気に入っています。家康ゆかりの日光東照宮の三猿「見ざる・言わざる・聞かざる」は全国的に有名ですが、ここの三猿は、逆に「よく見て、よく聞いて、よく話す」猿なんです・・・よく観て、よく聴いて、よく話す(自己開示する)・・・これは、まるで、カウンセラーの必須条件ではではないでしょうか。
 以来私はこの三猿のお守りを携帯のストラプとしていつも身近に置いています。
 このホームページをご覧になったのもきっと神様の巡り会わせ、ご希望の方はどうぞご遠慮なくお申し出下さい。

<芝桜で有名な羊山公園から秩父市内を望む>
*中央よりやや右よりの緑が秩父神社の杜である。

<秩父神社神門とその奥が御本殿>

<極彩色の秩父神社御本殿(左)と本殿右奥にある「つなぎの龍」(右) >

<本殿左奥にある「三猿」>

<極彩色の「三猿」の彫刻>
*天気のいい日に、やっと綺麗に撮影できました。
左の写真の上半分の中央部分にあたる。

<上:お元気三猿の表情>
*何とも可愛らしい。
この「よく見て、よく聞いて、よく話す」
猿の彫刻が、家康の命により、
再建された秩父神社にあるとは?

<右:お元気三猿福守り>
 秩父には、私のお奨めの酒蔵が2件ある。1件は「矢尾本店・・・?」なんか、商店みたいですよね・・・そうです。その通りなんです。実は田舎のデパートなんです。「矢尾百貨店」といいます。隣の皆野町にも支店があったりして、地元では有名なデパートメントストアです。この「酒づくりの森」が荒川の対岸にできる前は、市街地の県道に面したこの百貨店の裏手で酒造りをしていました。
 この矢尾百貨店は歴史があり、創業は1749年(寛延2年)で、元々は近江商人でした。近江商人の心得として、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」というのがありますが、まさにそれを実践していた商家で、そのことによって、1884年(明治17年)の秩父事件では、武装蜂起した農民から襲撃されることもなかったそうです。この「世間よし」、つまり地域への利益還元の理念ですが、今の「CSR」通じているようで興味があります。
 私の個人的な矢尾本店に対する評価は「買い手よし」です。値段の割りに味がいい、旨いのです。是非お試し下さい。(因みに、物産館の店員の対応も良いですよ。)
 秩父まで行けない、遠いという方は、実は銀座2丁目に「酒蔵秩父錦」という居酒屋がありますす。銀座らしからぬ古風なお店ですが、ここで秩父錦が地の肴と共に賞味できます。(但し、残念ですが「杓子菜漬」はなかったと思います。今度行った時に確認しようと、今、思いました)

<酒蔵資料館入口>

株式会社矢尾本店 秩父錦 酒づくりの森

<純米吟醸 秩父錦>
<720ml 1,575円>

<原材料:米・米こうじ
原料米:美山錦(長野産)
精米歩合:55%
日本酒度:+3
酸度:1.8度
アミノ酸度:1.2度
アルコール度:15度以上16度未満>

<併設の観光物産館>


<観光物産館店内>

 左の「純米吟醸 秩父錦」は、純米酒であるが切れのあるフルーティーな味わいがある。それでいて濃口の旨味もある。程よい酸味が特徴的である。肴にはこの物産館でも販売している秩父特産の「杓子菜漬」がピッタリ合う。お奨めの組合せ、お試しあれ!

 お奨めのもう1件は、武甲酒蔵です。やはり歴史があり、1753年(宝暦3年)創業とのことです。敷地内には武甲山伏流水が湧き出る井戸があり、それを創業当時から仕込み水として使っているそうです。店舗建物は文化庁から登録有形文化財に指定されています。大分以前ですが、芦屋雁之助が演じる「裸の大将」の舞台にもなりました。

<武甲酒蔵店内>
*趣があり歴史を感じさせる。

柳田総本店 武甲酒蔵株式会社 >
<武甲正宗 「秩父 槽口」>
<特別純米酒 無濾過原酒 生一本 生詰> 
<720ml 1,300円>

<原材料:米、米こうじ>
<精米歩合:60%>
<アルコール度:17度以上18度未満>


 やや濃醇でありトロっとした舌触り、
切れのある辛さが口中に伝播する。
しかしどこか甘い旨味も舌先に残る。
槽口と言うとおりどこか
年代ものの槽から出てきた味をイメージできる。
生一本がいい。