メキシコ旅行記 Vol.3
(2003年11月、ラテンアメリカ文化交流協会雑誌「オーラ!アミーゴス」
に掲載された文章です。ノーカット版でご覧ください。)
あさってに控える、「国際音楽フェスティバル」までの残りの時間は、アルベルト・デラ・ロッサさん(2002年11月千葉のアルパフェスティバルで招待演奏された方)のレッスンを受けました。これは、「ベラクルスの音楽を学ぶ」という、今回、メキシコ行きの2番目の目的です。ベラクルス音楽とは、皆さんが御存知のところで言うと「ラ・バンバ」などがあります。
優しい音色のパラグアイのアルパとはまた違い、力強く弦をはじく「アルパハローチョ(ベラクルスのアルパ)」の迫力を目の当たりにし、圧倒されてしまいました。夜にはアルベルトさんやドミチーロモラレスさん(後のホームステイ先のホスト)がご自宅でのパーティに招待してくださいました。そういう時にも、どこからか音楽仲間が現れて「ソンハローチョ」や「ウアパンゴ」のリズムの活気あふれる音楽を演奏してくださいました。この陽気なソンハローチョというリズムにすっかり魅了された私はいつしか心地よく懐かしささえ覚えるようになりました。
ところが困ったことが起きてしまいました。ベラクルスの曲を一曲でも多く習得したいという意気込みと焦りから、力強く弦をはじこうと無理をしてしまい手を痛めてしまったのです。私がフェスティバルで演奏する予定の曲も、いつもとなんだか違う感じになっています。夜、皆がいないときに不安にかられながら、それでも1人、薄暗い部屋の明かりの中で練習を続けました。そんな時、また、楽天的なもう一人の私が耳元でささやいてくれたのです。「ここでメキシコ人に対抗して、力強い音を出してもしかたがない、人になんと言われようと、私は日本人。日本人の女性にしか出ないような優しい音色を奏でよう。」 またしても、私は開き直り、決意新たに練習を続けました。
さあ、明日はいよいよ6月12日「国際音楽フェスティバル」当日です。
太陽の国メキシコのビール「Sol」飲んできました。 右:マリキータさん(歌) 左:浅井大美子さん(琴) アルベルト家でのホームパーティでちらっと
演奏してみたり・・・。(*^。^*)アルベルトさんの仕事部屋です。
アルパや楽器がいっぱいだ!