卒業生の皆さま
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。・・・」
この言葉を知らない人はいないでしょう。小説「雪国」はこの言葉から始まります。先日、かつての仕事仲間とともにこの雪国の越後に旅行しました。あまり旅行はしませんが、この日はかつての職場の仲間10数名が集まりました。互いに気心が知れた間柄なのでバスのなかの会話も弾みました。バスが関越トンネルを過ぎると景観は一変しました。紅葉が見事に映えていました。
ところで、卒業生の皆さまはお元気ですか。皆さまは旅行が好きですか。よく旅行に行くほうですか。今はどこに行くのも自動車が使えるので便利です。高速道路も整備されているので快適なたびが楽しめます。
夕暮れ時に見る越後平野の景観は一見に値します。途中、西福寺・開山堂に立ち寄りました。その寺で見事な彫刻を見学し宿に向かいました。越後は関東より早く夕暮れが来るようです。午後3時頃というのに早くも暗くなってきました。越後は道路がよく整備されていて走りやすいと思いました。そろそろ、バスに疲れてくる頃に山あいの宿に着きました。平日なので宿泊客はほとんどなく宿は静まり返っていました。夕食には地元で採れたものか山菜などがたくさん膳に盛られていました。また、地元の酒も用意されていました。そういえば越後は米や酒で名が知られているのでした。みな、山菜や越後の酒が気に入ったようでした。
十人十色という言葉があるように、人が集まれば違った生き方があります。宴席では、さまざまなこと、仕事や研究のこと、農作業の様子などに話が及びました。なかでも、ある友の話に注目が集まりました。重い病を抱えていて定期的に通院しているとのこと、最新の医療を受けているが完治するまでに至らないこと、今まさに闘病中なのに病気のプレッシャーを感じさせない明るい人柄などが皆の関心を集めました。
やはり、体調のことが話題にのぼります。話を聞きながら、他の人たちも自分のこととして受け止めていたようでした。これは当たり前です。みな、それぞれに何らかの病とつき合っているのでしょうから。
私はどうでしょう。病気についていうなら、身体のあちらこちらに故障が起こっていて似たようなものだと思いました。そんな友の言葉に共感しながら話は遅くまでつづきました。・・・ (2008.11.21)
両国高校定時制