時間の遅れ
このローレンツ変換を考えると時々混乱してしまう。観測者はどの座標にいるか、観測の対象はどの座標にあるかを常にはっきりさせておかないと混乱する。
次に時間の遅れを考える。S’に静止した時計があり、Sに対して速度vでx軸の正の方向に平行に遠ざかるとする。時計はS’の原点においてある。その時計をSで観測する。
時間t= t’=0から、Sではt1、S ’ではt’1時間後にはどうなっているかを考える。
時間のローレンツ変換の式をを入れ替えると、
t1=γ(t1'+vx1'/cc)
ここで、x1’=0 であるから t1=γt1'
すなわち t1'=t1√(1-vv/cc)となる。
結論として、t1'<t1
これは速度vで動く時計は遅れることを示す。それでは、S’にある動いている時計を双眼鏡を用いて、時計の遅れを見ることができるか。・・・それはできない。
Sからは、近づいてくる時計は遅れないで逆に進んでいるように見える。そういわれると混乱してしまうが、このことは光のドップラー効果によって起こる。近づいてくる時計は逆に進んで見えてしまう。
しかし時間の遅れは必ず起こる。この時間の遅れは空から降ってくる宇宙線の寿命の延びにより実証されている。ミューオンという素粒子は、地上では不安定できわめて寿命が短いが、光速に近い速さで地上に降り注ぐ場合は寿命が200倍にも延びると観測されている。(「相対性理論」松田・二間瀬)
この時間の遅れは相対性という原理からさまざまなパラドックスが主張される。そこから特殊相対性理論は間違っていると主張する説もあるようだ。しかし、観測者と観測する対象が存在する座標を区別して考えるとパラドックスは起こらない。
・・・未完・・・(2008.10.30)
このページで中断してしまっている。それは余裕がないから。内容は興味あふれるところなのに。また、再開できるときがくればよいのだが。
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