アルバム

トップページ

アルバム

ページ6に

                                

都立両国高校定時制5
両国高校定時制

潮音  (島崎藤村 若菜集)

 わきてながるる やほじほの そこにいさよふ うみの琴
 しらべもふかし ももかはの よろづのなみを よびあつめ
 ときみちくれば うららかに とほくきこゆる はるのしほのね

 国語科 現代国語の授業でU先生は島崎藤村の作品を歌うように読んでくれました。先生は授業が始まるとすぐに作品を読み始めます。静かな教室の中に先生のすこし高い声が朗々と響きます。教室は藤村の世界に早がわりです。生徒は作品の世界に自然に導かれます。
教室のなかには先生の熱意があふれていました。生徒は先生の言葉に静かに聞き入っていました。とても充実した貴重な時間に思えました。
その先生が読まれた詩のひとつがこの潮音でした。
また、先生はときどき生徒にこのような話をされました。
「できるだけ厳しい環境に自分をおくように。厳しさから逃れようとしてはだめだ。安易さをもとめてはいけない。厳しい環境が人を育てる。厳しさの中で努力をしなさい。・・・・
・・・」先生は私たち生徒には優しく接してくれましたがご自身にも授業にも大変厳しいかたでした。残念なことに先生は私の在学中に鬼籍に入られてしまいました。

四面楚歌 項王自ら詩をつくりて曰く

力は山を抜き気は世を蓋ふ 時利あらず騅逝かず
騅逝かざる奈何すべき 虞や虞や若(なんじ)を奈何せん

ここで生まれた故事成語「抜山蓋世」は力や気力が強大なことのたとえです。
この漢詩は四面楚歌の授業でHO先生から教わりました。先生が言うには、昔、「力抜山」という相撲取りがいた。人々はその相撲取りの名を見て、「何だ、この名前は。こんな力がない名前では相撲に勝てるはずがない」と言って笑ったという。
しかしこの言葉は「山を抜くような力があるさま」をあらわしているのだ。
だから教養は必要だ。勉強は大切だと教わりました。いつまでも心に残る教えです。 
(2006.1.30)

隅田公園の桜