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新しき村では人々が理想の実現を目指しています。

 「新しき村」を訪ねて
 埼玉の西部に毛呂山という町があります。その町の
一角に「新しき村」があります。白樺派の武者小路実篤
が賛同者とともに開いた村です。すこし前のことにな
るが友人の案内でその村に行きました。その日は雲ひ
とつないよい天気で野や森の緑が鮮やかに映えます。
自動車を降りて緑の細道を歩くと村の入り口です。
村に入るとすぐに記念碑に突きあたります。
そこには
「心愛に満つる時 花咲く 天を賛美す 喜びの使い 来たらずと言う事なし
 八十二歳 実篤」
と刻まれています。
この村では20数名の人が武者小路実篤の理想に共鳴して共同生活をしています。私なら理想と現実を区別します。その間には越えられない境があります。理想は理想として現実を見なければなりません。
だが、この村には理想の実現を真剣に考える人々が集っています。共同生活をして武者小路
理想の実現を目指しているのです。村人はおもに土地を耕し米や野菜をつくります。そこから得た収入は村人全員に帰属します。村人は定期的に会合をもち共同生活について話し合っています。
 私たちが訪ねたときはちょうど昼近くだったので食堂では数人の村人が食事をしていました。人々からは勤労を尊び農耕に勤しむ質素な生活が窺えました。ここは村人専用の食堂なので私たちは使えません。食堂の入り口には売店があり野菜や鶏卵が置かれています。それらは私たちでも購入できます。ただし、店員はいません。購入者がお金を木箱に入れる仕組みになっていました。
近くに村の美術館があります。そこには武者小路の作品が展示されています。素朴で農耕を愛する絵画が多いように思いました。そこの館員から村の歴史について説明を受けました。
「もし、村の人が他の職業につきたいと考えるようなったときはどのようにするのか」と尋ねたところ、その場合は村を出ることになるそうです。現に村を出て英語の先生になった人がいたということでした。
短い時間でしたが、私は協力して理想の社会をつくりたいという村人の思いを垣間見ることができました。
 ところで在校生の皆さんは元気に通学していますか。風邪などをひいている人はいませんか。協力することってとても大事ですね。学校ではお互いに協力しあって明るいクラスをつくってほしいと思っています。 (2006.12.8)