<付記>

盛岡商業の優勝で幕を閉じた、第85回全国高校サッカー選手権大会。その道程を追いかける中で、忘れ得ぬ言葉を沢山、見、聞きました。試合の映像は残せても、その周辺にあった言葉はなかなか残りません。WEB上のニュースは更新されて消え、新聞も色褪せて行きます。(よしんば残っていても、それら情報は分散していて、再びそれら全てを見渡す事は困難です。)

ですから、それを忘れてしまわないように、一つのメモに残すことにしました。それはまた後々に、全国の皆様にはなかなか届き難い、岩手の或るサッカー指導者の物語を紹介する為のデータベースになれば、との思いもありました。

しかし、盛商が勝利を重ねる度に、「言葉」は到底ここで紹介しきれない程の数となっていきました。最早いちいち抜き出して、個々の「言葉」に解説を加えていては、切りがありません。
膨大なメモを前に、しかし僕は気付きました。今回メモしていた言葉、そこにこれまでも書き留めていた言葉を厳選し、上手く繋ぎ合わせて行くと、実はそれだけでドキュメントとして完成していることに。当初はデータベースとしてしか考えていなかったにも関わらず、、、正に当事者たちの言葉こそ雄弁です。そこに余計な解説を挟む余地はないのです。
(余談ですが、多くの日本のドキュメント番組の失敗もそこにあると思います。足りない取材や力無い映像を補足する為に、ナレーションを用いて視聴者の解釈を誘導してしまう。しかも、予め作ったストーリーへと)

手前味噌ですが、お読み下さった皆様にも、今回の盛商の優勝の道程に於いて、いろんな言葉が伏線になって、次の言葉やエピソードに続いて行った様子が伝わったのではないでしょうか。単なるサッカーの優勝ではない、そこに込められたリアルな物語がお伝え出来ていれば幸いです。

なお、この項で取り上げた言葉は、大半が随時殴り書きしたメモを元としているため、本来表記すべき出典が定かではないものや、若干の表現の誤りもあると思います。その点はお詫び致します。

また、この項は今後も加筆する予定です。恐らくまだフォローしていない言葉が沢山あると思います。加えて皆様にも、これ以外にも忘れ得ぬ言葉があったことと存じます。このドキュメントがより深みを得る為に、その「言葉」をお教えていただけましたら幸いです。

雨ニモ負ケズ 病ニモ負ケズ
有名校ニモ 冬ノ連戦ニモ負ケヌ丈夫ナ体ヲ持チ
欲ハ無ク ケッシテ奢ラズ
イツモ懸命ニ走ッテイル

練習後ニ熊サンノカツト キャベツノ千切リヲ食ベ
アラユル事ヲ自分ヲ勘定ニ入レズニ
(先生ノ指示ヲ)ヨク見 聞キシ 分カリ ソシテ忘レズ
盛岡ノ川ノ 向コウノ本宮ノ 小サナ土ノ校庭ニイテ

左ニ敵ノ綻ビアレバ 行ッテ突破シテヤリ
右ニ敵ノ侵入アレバ 行ッテソノ敵ノ足ヲ削リ
PK戦ニ死ニソウナ一年生GKアレバ 行ッテ怖ガラナクテモイイト言イ
味方ニ警告ヤ半端ナプレーガアレバ ツマラナイカラ止メロト言イ

勝利ノトキハ涙ヲ流シ PK外セバ オロオロ歩キ
解説者ニダークホースト呼バレ
注目サレモセズ 優勝候補ニモサレズ
ソレデモ負ケナイ岩手ッ子ノサッカーヲ 私ハ来年モマタ応援シタイ


(2007/02/03/なるほ堂)


<参考文献>
岩手日報
報知新聞
ニッカンスポーツ
2ちゃんねる
テレビ岩手
NHK盛岡
IBC岩手放送
『高校サッカ−2007』(ベースボールマガジン社)
『盛岡商業優勝記念特別号』(〃)
他多数...


<初出>
tototitta!

カテゴリー:高校サッカー(岩手)
タグ:高校サッカー
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