M13/40(First air)その1


その1



久方ぶりの更新です(汗)
このFirst airのM13/40はもともとミニスケコン用に作っていたものでしたが、
運悪く締め切り直前に入院してしまいまして、残念ながら参加を断念することとなってしまいました。
ですが今回、RIROさんよりタイミング良く、「イタリアコン」のお誘いを受けまして、
これは丁度良いタイミングとばかりに尻馬に乗せていただくことにしました。
RIROさんどうも有難うございます。

さて、最近はミニスケールでもドラゴンやトラペ、イタレリなどの
インジェクションメーカーの新キットが続々登場していることは皆さんご承知のことと思います。
この為、今までミニスケール興隆の一翼を担ってきた
「ガレキ」も一つの転換期を迎えていると言えるかもしれません。

私は「ガレキ」にはその「特性」から大きく分けて2種類に分類されると思っています。
一つはインジェクションの穴埋めキットとしての存在。
これは個人レベルで金型費用も要らず、少量生産で安く開発出来ることから、
あまり販売数を見込めないような極めてマイナーな車両なども
リリースすることが可能です。
(この代表がTPなどのような東欧ガレキメーカー)
この場合、「インジェクションではまず出ないだろう」ということが
そのキットの購買意欲に直接関わってくるものと思われます。
ところが最近では「何がキット化されてもおかしくない」状況となりつつある為、
これらのメーカーも慎重にアイテム選択しないと(もちろん買う側もね)
生き残ってはいけないかもしれませんね。

もう一つの「ガレキの特性」として、ゴム型は金型よりも融通が利く、つまり
細かなディティールの再現性に優れているということがあります。
(といっても最近はインジェクションメーカーもスライド金型使いまくりですが…)
これは裏を返せば、極めて「秀逸」な原型を元にすれば、
そのままキットとしてユーザーはそれを手にする事が出来るということです。
インジェクションといえども大抵は考証のミスやディティールの省略が
付き物ですが、優秀な原型師によるものであれば「ディティールアップ要らず」の
素晴らしい精密模型が出来上がる可能性があります。
そうしたキットは後々、インジェクションキットで同アイテムが発売されたとしても
決してその存在意義は失われないとも言えます。

前置きが長くなりましたがファーストエアのM13/40は
正に後者に位置する数少ないキットの一つではないでしょうか。

以前エッシーからも同じアイテムが出ていました。(正確にはM14/41ですが)
こちらもディティール再現などなかなか良好なキットで、
近々イタレリからも再販されるとかされないとか。
ですが私は今回、実際両者を比べてみて、ファーストエアのキットは
それを遥かに凌駕する素晴らしいキットであると断言します!
当初、あまり製作記としてコンテンツ化する気がなかったので、
殆ど製作途中の画像がありません。画像は事後報告的ではありますが、
何処を弄ったか程度の説明だと思ってくだされば幸いです。


<M13/40の製作>

先程、このキットはディティールアップの必要が無い位の
素晴らしいキットだと申し上げましたが、
今回は結局かなり手を入れています。
といってもその殆どは「修正」というより、素晴らしいキットであるが故に
もっと手を入れたいという欲求に駆られたものと言えるでしょう。
基本的には「側面の足掛け追加」する位で、インジェクションキットと並べても遜色無い出来になると思います。
ただ、外部装備品やデカールがセットされていないのは唯一残念なところではあります。
(が、コスト的にも無理なのも承知しているので、この辺は致し方ないでしょうね)
その点カバーする為にも、エッシーのキットを出来れば手に入れておきたいところです。
(イタレリからの再販も期待されますが、最近ではヤフオクなどでも比較的安価で入手できるかもしれません)
ということで今回はエッシーのカルロアルマートとセモベンテのパーツを
一部使ってディティールアップしております。




1.まずはちょっとだけ考証してみる(興味の無い人は飛ばしてね)

よくM13/40に始まる一連のシリーズはカタチが殆ど変わらない為、
判別が難しいのですが、外見上の違いを出来るだけ簡単に纏めてみました。
(構造的にはエンジンが違う)

参考:グランドパワー8月号別冊 第2次大戦イタリア軍用車両


・M13/40 初期生産車    フルフェンダー/縦型グリル/砲塔上部四角張り出し無し/ジャッキは前部フェンダー上
            後部燃料タンク断面形状及び注入キャップ位置
・M13/40  標準型     ハーフフェンダー/縦型グリル
・M14/41 初期生産車    フルフェンダー(前端延長)/縦型グリル
・M14/41 標準型      フルフェンダー(前端延長)/横型グリル
            (更に後期生産車では起動輪後方にスクレーバー装着)

という感じでしょうか。
一般的にはグリルの縦横がM13とM14の判別方法と言われますが、
厳密にはフェンダー形状の変更が実質的な外見上の変更点だったことが判ります。



キットは初期型フルフェンダー、縦型グリルのコンビでM13/40初期生産車と標準型の中間的な
スタイルとなっております。
このタイプが実際に存在したかは判りませんが、比較的簡単な改造で
上記の一般的な各タイプに変更することは可能です。

○M13/40 初期生産車なら、フェンダーはキットのまま、砲塔上部四角突起を削り取り、
(砲の俯角を稼ぐ為の張り出しなんだそうです)
ジャッキをフェンダーに取り付け、後部燃料タンク形状を改造する必要があります。
(初期型の一部は無線機を装備していなかったので、その場合はアンテナ基部を削り取ります)

○M13/40標準型ならフルフェンダーをカットしてハーフフェンダーに改造します(作例参照)。

○M14/41初期生産車ならフェンダー前端をプラ版などで若干延長するだけ。
(完全素組みならこのタイプが一番近いですね)

○M14/41 標準型ならフェンダー延長に加えて、グリルを横型に変更する工作が追加されます。
 旧エッシーのキットはこの部分が横型タイプなので移植するという手もありますね。
(ちなみに1/35のタミヤやイタレリのキットも同じく横グリルのM14/41ですね。)

M13/40 初期生産車以外なら結構簡単な改造で済むと思います。
私は今回M13/40の標準的なスタイルを再現することとしました。



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