ココロの風景

〜Listen to my heart〜

 
 
2003年10月、母と初めてのふたり旅
函館の五稜郭公園を歩いた
秋なのに暑いくらいの日差しと青空の下、木々は紅葉し、赤や黄色がまぶしいくらい映えていた
 
「きっとKAZちゃんが、お天気にしてくれたんだね」
「まったく、こんなに暑くしなくてもいいのにね〜」
 
そんなことを笑いながら話していたのだが、ふと気がつくと、母は、亡き娘の写真を抱き、空を見上げていた
 
「KAZ、きれいだね」
「お母さんね、あの空のどこかでKAZが見てると思うの」
そう言って、涙を流した
私は、後ろに隠れてそっと涙を拭いた
 
小樽の街で、人に訊かれたときも
「まだ、名前が呼べないんです」と泣いていた母
娘に先立たれた母の思いは、私の悲しみの比ではないだろう
妹の分まで、親孝行しなくちゃね
長生きしなくちゃね

向日葵に思う
 
ひまわりを見れば思い出す、妹の笑顔
 
少しでも明るくしようと 病室に ひまわりのタペストリーやアートフラワーを飾った
ほんの少しでも 妹に 安らぎを感じてもらえただろうか
 
葬儀の際、業者が、思い出の写真を並べ、大きなポスターにして、会場に飾ってくれた
赤ちゃんのとき、高校時代、結婚式や家族旅行など、義弟と末妹と3人で選んだ
そのポスターの背景は、夏だからだろうが、偶然にも、一面のひまわり畑だった
 
夏がくると、その暑さだけで、辛い記憶が蘇る
そして ひまわりを見れば、思い出す
妹の笑顔は、大輪のひまわりだった

甘えてもらえる幸せ
 
  誰かに甘えられたり
  頼られたりすることで
  幸せになれることもあるんだよ
 
ドラマの中で出逢った言葉
この言葉に はっとした
そうだったんだ 
だから私は幸せな気持ちになれたんだ
 
妹の最期の日々は 辛く悲しかったけれど
大切な宝物のような思い出
一緒に濃密な時間を過ごしたからだと思ってた
でも そうじゃなかったんだね
KAZちゃんに たくさん甘えてもらって
たくさん頼ってもらって
だから。。。幸せだったんだね
 
KAZちゃん、ありがとう

息子 運動会の思い出
 
ただいま、青春中の我が息子
親ばかだけど、スポーツ姿が、かっこいい
運動会は、1年で、1番、息子が輝く日
翌日がバレンタインデーだったら、母は、山のようなチョコを食べられたんじゃないかと、ありもしない想像をしてる
 
幼稚園時代から、かけっこは負けたことがない
小1から高3までの12年間、ずっとリレーの選手だった
最終学年では、必ずアンカー
部活対抗リレーなんて、バトン代わりのサッカーボールを
リフティングしながら、ゴールした
高1のときは、3人姉妹で見に行った
 
風のように疾走し、活き活きと活躍する姿は、私の誇りだった。
ひとの何倍も、運動会を楽しんだと思う
親として、幸せな12年間だったとしみじみ思う
もう、そんな姿が見られないのが、寂しいね

金木犀
 
どこからともなく 金木犀の甘い香りが漂う季節になった
 
10月生まれの息子は 
「DAIちゃんの お誕生日おめでとうの お花だね」
幼い頃 金木犀の香りに気づくと そう言って 鼻をクンクンさせ喜んでいた
 
もうすぐ誕生日だと 金木犀の香りで気づくのは 今も変わらない
幼い日の息子の笑顔と
「DAIちゃん、お誕生日おめでとうって、咲いてくれるんだよ」
そうおしえたあの頃の私を思う
 
 
 
 
 
 

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Last updated: 2008/5/29