がんばれ大石秀一郎!





生徒会室に入った手塚がとてつもなく動揺した表情をみせたかと思うと、

「・・・大石、少し時間がかかりそうだから教室にあがっていてくれ」

返事を待たずに、ぴしゃりと扉はしめられた。






状況の飲み込めない大石は数秒間、閉じられたドアの前に立ち尽くしていた。

「なんなんだ、一体」






副会長が髪を切っていたようだったけれど
手塚が動揺するようなことなんだろうか。

いや

待てよ

そういえば


『あれ、手塚教室いったの?』

『生徒会じゃないか』

 

大石が答える。菊丸はため息をついて『大変だなー』と同情すると。

 

『そうでもないんじゃないかな』

不二が含みをもって笑った。
のを思い出す。

大石のステキヘッドの中でいくつかのキーワードがはじきだされた。
手塚(中三)
副会長(美人)
二人きりの教室
女の子が髪を切る
手塚動揺
生徒会室へ行った手塚に向けられた不二の含み笑い






・・・嗚呼

なんてことだ

神様



神聖な学園内で















生徒会室の情事が!















一人、3年2組の自席で胃痛に耐える大石秀一郎
その日の昼休み、手塚と副会長が並んで歩いているところを見て困惑する大石秀一郎
数日後、放課後に手を繋いでいるところを見て吐血する大石秀一郎
がんばれ大石秀一郎!
いつか君にも明るい未来が待っている。






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