中川橋 (NAKAGOBASHI)
                                                   2004.8.9
長崎市中川町の古橋を、シーボルト通りに向かって登ったところに架かる。
架設:大正7年(1918)   長さ:14.5 m 幅:7.7 m


中川橋が泣いている
2004年8月9日午後、古橋を登って左折すると、広い道に出た。さて、中川橋はどこだろうと、周りを眺めると、
左手前に「シーボルト通り」と書かれた石柱が目に入る。そしてその前にも小さな石柱が立っているので、「何の文字かな?」といった感じで近づいてみると、な、なんと「中川橋」の文字が、、、、、。
「え?これが中川橋?」と、一瞬目を疑ってしまった。この石柱が無ければ石橋とは気づかない。が、両サイドの欄干は、と見ると、ほぼゴミで覆い隠されている。お盆を控えていたため、あの大きなオブジェはお盆のしょうろう流しの出し物の一つで、終われば片付けるものと思い直してみたが、欄干のゴミ箱たちは「ここはわたしの定位置よ」といわんばかりの顔をして立っている。
それにひきかえ、中川橋は、ほとんど、その存在すら感じられないほど大きな体をゴミに埋もれさせていた。86年もの長きにわたって、人々の往来を助け、見守り続けているというのに、中川橋をこのような状況に捨て置いてよいものか。一介の旅人でさえ、この惨状には目を覆ってしまった。坂の町の住宅事情の深刻さもあるだろうが、今では貴重な石橋の一つである中川橋、せめてゴミ置き場にだけはしないでください。わたしには中川橋の悲鳴が聞こえます。どうか長崎にお住まいの皆様、中川橋をきれいにしましょう。ここに立って、「ここが中川橋よ!」と、自慢して子供たちに話して聞かせてあげてくださいませ。
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