志安橋エレジー Sianbashi elegy

「天草を描く」 Drawing Amakusa by Seiichiro Nakamura 中村清一郎画文集より 

2004年5月4日、雨の中、志安橋を撮っていましたら、自転車で通りかかったご老人、「石橋を撮っていなさるかね、わしの同級生に石橋の絵を描く人がおって、その人の本、家にあると思うから、ちょっと帰ってとってくるから、ここで待ってなさいよ」と、声をかけてくださいました。10分ほどで戻ってこられたその手にあったのが、この中村清一郎画伯の手による「天草を描く」でありました。そして、この本の一部に石橋の絵がありました。ページをめくり、一目絵を見ただけで、しばし絶句。モノクロ表現の石橋一つ、一つは生来の絵のうまさに加え、それぞれの石橋から受ける印象までもが余すところ無くなく表現されていて、すごい迫力で迫ってくる。色が無いだけにストレートに石橋を見てしまう。絵であることも忘れて見入ってしまった。どの一枚も中村画伯渾身の力作だ。しばしの放心状態の後、この素晴らしい石橋の絵を描き残してくださった中村清一郎画伯に心からの敬意と感謝を込め、全国の石橋をこよなく愛する石橋ファンに、この志安橋エレジーをお届けいたします。
*「天草を描く」の中から、―ちか頃思うことども―を追加いたしました。04/06/11

  

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