【第6回】最終回

 

第115号(2009.11.1発行)

サルトリイバラ

 
【掲載文】  

笹や(くず)に囲まれ赤い実が覗いていました。サルトリイバラです。節ごとにV字形に曲がり、ところどころに(とげ)を持ち巻きひげで身体を支えます。その葉は、黄と茶と浅い緑の混色が際立ち晩秋に風情を添えます。あるようでないのが実のつく雌株(めかぶ)です。

葉っぱより柏餅が連想され60年ほど前に時は戻ります。たった1本だけカシワの木が東ときわ台から箕面森町へ抜ける山にあり、端午の節句の(ちまき)と柏餅を包むため、母に連れられ笹を分けながら葉っぱをとりに行ったことです((ちまき)では熊笹(クマザサ)の変わりに使っていました)。時は移り、今、その山に立ち、無きカシワの木と共に節句の風習も遠い昔の幻とかすんでいます。(1年間のご愛読に感謝します)

 
【説明文】  

執筆中