「ただいま〜……」
と家の中に声をかけつつも、いま此処には誰も居ないことは知っていた。
後ろ手にドアを閉めて、いそいそと鍵をかけ直す。
荷物を置いて水分補給した後は、制服から着替えもしないで二階に向かう。
行き先は自分の部屋、じゃあなくって… その隣の部屋。
薄暗い部屋のドアを開けると、暖かい春の日差しの影響か、外よりも少し温度を高く感じた。
とりあえず部屋の電気をつけて、部屋の中を見回す。
……男の部屋にしては片づいている方だと思うが、やはり自分の部屋よりは汚く見えた。
「まったくもう…」
とりあえず散らばっている本を並べて積み上げていく。
「ふう…」
さらに一汗かいたところで大体片づいたので、この部屋に来た本当の理由を果たすことにした。
自分の部屋にあるのよりも一回り大きく、布団の色も青系統のベッドに寝転がる。
「む、ふぅ…」
少し染みの浮いた布団からは、酸っぱいような、甘いような、独特の匂いがしていた。
鼻から脳へと突き入ってくるその匂いを嗅ぎながら、自分の手を熱くなった胸に押し当てる。
さする手のひらに、熱いしこりが触れる。
そのまま、しこりを中心にして円を描くように、手のひらを動かす。
「……。」
制服の隙間から手を入れて、ブラの下の柔らかい部分にも指を侵入させた。
少し汗ばんだ感触を手のひらに感じながら、しこりを捉えようと指を動かす。
「んん…」
熱い肉のツブを指で挟んだ瞬間、痛みにも似た刺激が体を走る。
しかし指の動きは止まらず、刺激をさらに求めるように力を込めていく。
下半身の方にも手をさしのべて、パンツの中にも手を入れ込む。
…パンツの中はブラの内側以上に熱く湿っていて、
薄く生えた毛が、指に絡んではショリショリと音を立てさせていた。
「はん…」
中心部の、さらに熱い肉へと指を入れていく。
最初は絞った濡れ布のような感触だったものが、すぐにぬかるみのような感触へと変わっていく。
穴の周りを縁取るように指を動かし、
指先を中へと入れた後で広げるようにゆっくりと動かすと、背筋にぞくぞくっとする感覚が伝わっていく。
その頃には、全身に浮かんだ汗が布団へと移り始めていた。
「あ…」
高く漏れた声が、全身の興奮ぶりを知らせる。
声が漏れるのを止められない。 しかし手の動きを止める気も起きない。
「あ、あ……」
ついに両手を下半身に回して、集中的に快感を求めた。
下半身の小さなしこりを優しく摘み、穴の中に入れる指を二本に増やす。
「ふは、ふはー……」
まるで犬のような息吹を布団で抑える。
その口元を抑える布団からしてくる鼻から脳へと染み入る匂いが、
さらに興奮を煽り、加速させていた。
「んん… おに…」
まるでお漏らしをしたような液体まみれの股間が熱くなり、指を締めつける。
もうとどめ、とばかりに肉の蕾を捻りあげた。
「あぁ……!」
絶頂感に襲われる体を、布団をぎゅっと抱いて堪える。
熱く火照った体は、そのまま睡魔を運んで来て…
疲れた体を眠りへと意識を誘っていった……
『ただいま〜〜』
……階下で物音がする。 この声は…お兄ちゃんだ。
そのまま階段を上る足音が近づいてくる。
「……またコイツ、ここで寝てるよ。」
渋るような呟きを漏らしている。
……ゴメンね。 きっとお兄ちゃんもオナニーしたいんだろうけど、
こんな気持ちいいやり方を見つけちゃったら、やめられなくなっちゃった……
「……。」
お兄ちゃんの顔が近づいてくる。
…お兄ちゃんが心配しているのは、いま自分のベッドで寝ている妹じゃなくて
その下に隠されているH本の方。
今見たら部屋を片づけられていたから、妹にそういう本が見付かってないか心配…と思ってる。
……でもね、知ってるんだよ。 お兄ちゃんが持ってるH本の内容。
ほとんどが、兄と妹でHしちゃってる…『兄妹もの』だった。
もしかしたら、お兄ちゃん、も……
「まったく… コラ、起きろ!」
被っていた布団が豪快に剥ぎ取られる。 しかし、そこからお兄ちゃんの動きは停止していた。
……今日はそのまんま寝ちゃったから、胸も下半身も丸出しなんだよね。
ふふ、お兄ちゃん、かなりビックリしてる。
こんなしどけない格好の妹を見て、お兄ちゃんがどうするのか…
……楽しみ♪