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Marionette in the Dark



日も沈み、ほのかな電光が影を照らし出している、薄暗い部屋の中…
静まった室内…大きめのベッドに、その部屋で唯一動いている、白く蠢く人の形をしたモノがあった。

それはよく見れば人そのものであり、しかも全裸の女性であった。
よくよく観察すれば、女性は全身を荒縄できつく縛られていて身動きも取れず、
目には黒い布の目隠しで視覚を奪われ、
口にはボールギャグがはめられていて、小さな口の隙間からは時々低いうなり声が漏れていた。


後ろにまわされた両手は高手後手に縛られて自由に動かせず、
胸回りは縄で締め上げられて自分の意志とは関係なく強調されるように突き出され、
両足はまるで股間を晒し者にするみたいに横に広げられ、縄で固定されていた。

そしてその見る者もなく晒されている股間には
無惨に突き刺さっているバイブが、無機質な動きをしながら女に快楽を強要していた。


女がまたひとつ身をよじり、シーツに皺を増やしていく。
バイブの動きに耐えきれず、軽く絶頂してしまったのだろうか。
股間の辺りの白いシーツに出来た濃い染みには、もはや黄色い物も混じっていた。

しかし絶頂に疲労しきった女の体は、横になっていても決して休むことを許されてはない。
「あ、ぐ……」
休むことを知らない電動モーターは、それが納められている者の都合など知る由もなく
非情に動き続け、終わりのない快感を送り続けるのだった。


ガチャリ   バタン
女の体が快感とは違う震えを示した。
いま部屋の中へと入ってきた物音…人物に反応したのだ。

足音がどんどんと近づいてくる…
それに応じて女の震えも強くなっていく。
それは恐怖だろうか、それとも…………


ぺたり、と太股の辺りに冷たい手が置かれたのを感じ、びくり、と女の体の震えが激しくなった。
そのまま撫でるように汗の浮いた肌を滑っていく手。
それに反応したのかのように、女の漏らす息も激しくなっていた。

「んぐっ……!」
女が低い呻きを発した。股間に突きたてられ、その身を責め続けていたバイブが引き抜かれたのだ。

「んぐ、ふー… ふー…」
精神を落ち着かせるように深い息をしている女。
しかしその体からは快感の余韻は抜けきっておらず、汗ばむ肌は朱に染まりきっていた。

そっ、と頬に手が当てられる。
女は、その手を振り払うでもなく、擦り寄るでもなく、じっと強張りを解かずにいた。



女の頭の後ろへ手が回され、金具を外す音が聞こえる。
頬に食い込む細いベルトの圧力が弱まり、ボールギャグが口から排出された。

今まで呼吸を制限し、声を封じていた轡が外された瞬間
彼女の発した言葉は……



続き