「まったく〜〜〜!!!! なにすんのよお兄ちゃん!!!!!」
怒り心頭の妹の大絶叫に、思わず竦んでしまった。
「あ、いや…… なんでわかった。」
「そりゃあわかるわよ!!
あたしが寝てる間にこんなイジワルな事してくのなんて、お兄ちゃんぐらいしかいないもん!!!」
「あぁ、そんな大声出すな… 近所迷惑だろ……」
心配になって、とっさに手で口を塞ぐ。
「む〜〜〜〜 む〜〜〜〜〜〜〜〜」
しかし不満を言い切れていない妹は、塞がれた唇の隙間から歯を付きだし、
俺の指をガジガジと噛み始める。
「いでいでいで… わかったから暴れるな。な?」
そうは言ってみても今の今まで不当に拘束されていたのだ。
その不満は余りあるほどに溜まりきっているのだろう。
「う゛〜〜〜〜〜」
たまらず口を押さえていた手を離しても、まるで猛犬のように唸って怒りを顕著に表し続けている。
「だ・い・い・ち・! なんであたしがこんなことされなくちゃいけないのよ〜〜
早く外してよ〜〜〜 体凝っちゃったぁ〜〜〜〜〜〜〜」
さっきまで轡に発言を封じられていた反動からか、
いつもの2,3倍の勢いでわあわあとわめき続けている。
…やはり口は塞いでいたままの方が良かったか?
「あ……」
だがその抗議も、俺の手を股間の近くに置いた瞬間にぴたりと止んでしまった。
「そのわりには物凄い洪水になってるなぁ。」
バイブが栓の代わりにもなっていたのか、そこからはまるで泉が湧くように雫が溢れ続けていた。
「そ、それは……」
「好きなんだろ? こういうのが。」
「ち、ちが… はぅっ…」
指で秘肉に触れないように、少し周りをなぞっただけで、さらに液量が増していく。
「こうやって目隠しされてると、感覚が研ぎ澄まされちゃって気持ちよくなれただろ〜?
手も足も縛られて自由に動かせなくって…
でもちょっと漏らしちゃうくらいに感じまくってたんだろ?」
「……。」
さっきとは打って変わって、妹は黙したまま語らない。
その目もいまだに目隠しをされたままなので表情を読みとることは出来ない。
しかし快感を感じていた自分の体を否定は出来てはいなかった。
証拠はすでに、濃さを増し続けるシーツの染みとして現れ出ていた。
「ほら。」
つい、と液体をたっぷりと付けた指を、頬にべちょっとなすりつける。
「んむ…」
その指を口にも指し込み、含ませる。
ちゅうちゅう、と吸いこむ圧力が指にかかり、
妹の口が、ねぶるように自らが分泌した粘液を啜っていく。
「もうキレイになったよ。」
口から指を引き抜くと、ちゅぽんっという音がしていた。
「あ…」
虚ろな呻きを上げる妹。それはまるで、おしゃぶりを取り上げられた赤ん坊の反応に似て見えた。
「あう…!」
その妹の口が今度は小さく低い悲鳴を上げた。
今度は縄で締めつけられ、痺れるほどに敏感になっていた乳房を触られたからだ。
「こっちも、構って欲しそうじゃあないか。」
そう言いながら硬く立ち上がった突起を優しく摘み、柔らかい肌にも舌を這わせる。
「あたし…そんなこと、なっ…! くっ…!!」
一瞬大きく出された声が、唇を噛みしめるように抑えられる。
自らが感じている感覚を否定し、それを与えている相手にも知らせないために。
「あ、あん…」
しかしそんな努力も、乳首が生暖かい感触に包まれると同時に、一瞬にして水泡と化してしまう。
先ほど指を吸われたお返し、とばかりに思いきり吸い付かれ、脳に甘い刺激を送られる。
「もう全身が…トロトロで、敏感になっているんだよ。」
股間にも再び手が回され、蜜を掻き出されていた。
「あう、はぁぁ…」
否定する声もなく、やめさせる術もないまま、快感という名の拷問に耐え続けるしかない。
しかし、さっきまでは無機質な機械で、一点だけが責められていたが、
今の相手は生身の人間。 しかも責められているのは左右の乳房と秘所の三点。
少しは落ち着いてきていた体が、再び素早く、激しく燃焼していく。
「ほら…もうイきそうになってるんだろう?」
優しく、低い声を耳元で囁かれて、思わずお腹の裏側が熱くなった。
「大丈夫… お兄ちゃんが見ててやるから、思いっきりイっていいんだぞ。」
膣内が指で擦られるリズムに合わせて、ひくん、ひくん、と小刻みに震えている体。
頭の中も白く霞んで、何も考えられなくなっていく。
「おに、おにぃ、ちゃん……」
「ん? どうした?」
物凄く近くから声が聞こえた。 生暖かい息が頬に吹きかけられる。
お兄ちゃんが、くっつけるぐらいに顔を近づけて、あたしがイク寸前の表情を見てるんだ……
「あたしもう、イク… イきそう、イっちゃうよぅ…」
ねだるようにしてもどかしい体を揺する。
「ようし… じゃあもっと気持ちよくしてイかせてやるよ。」
ぐぐぐっと深く刺し込まれた指が、抉るように膣壁を擦って子宮を刺激した。
一番敏感な蕾も、親指で押し潰されるように揉み込まれて背筋に電流を走らせる。
ごりりっ とお腹の裏を擦られた瞬間、堰を切り、溢れ出た快感が身を襲った。
「はふぁ! おにいちゃん、イク、イク、イっッ…………!!!」
体全ての細胞が弾け飛び、汗腺からもねっとりとした汗が飛び散る。
目隠しをされ、何も見えない筈の瞼の裏には、チカチカと光が飛び交い、
だらしなく開けられ、荒い息を吐く口からは、一筋の涎が垂れ落ちていった……
「ふふ…どうだ? 気持ちいいだろ?」
「…………。」
黙ったままで、頷いていた。
そして急激に、ある一つの欲求が立ち上ってきた。
「おにいちゃ…… おしっ、こ……」
「……え?」
「漏れ、そう……」
「え、そ、そんな! ちょっと待て、待ってろよ!!」
どたばたと走り去っていく足音。
でも快感のタガが外れた体が、もう一つのタガを解放するまでそう時間はない。
「も、ダメ……」
じわ、と漏れ出る感覚を堰き止める気力はもう残っていなかった。
「とっとっとっとっと!!!」
走り戻ってくる音が近づいてくるのと、尿意を解放する瞬間はほぼ同時だった。
じょぼぼぼぼぼ……
「セ、セーフ……」
なにかプラスチック…たぶん洗面器…に滴る水が落ちて当たる音が聞こえる。
「おーおー、よく出るなぁ。」
「いやぁ……」
おしっこが出ているところを目の前で見られ、それを受け止められている…
消え入ってしまいたい羞恥心が、疲れた体に追い打ちをかけた。
「よし、ちゃんと捨ててきたぞ……」
あたしの恥ずかしい排泄物を処理してきたらしいお兄ちゃんが声をかけてきた。
「あう、はぅ…」
「ん〜〜? なにか欲しいものでもあるのか?」
お兄ちゃんがあたしの上半身を起こして聞いた。
「み、水ぅ……」
長時間縛られたまま汗をかかされ、今し方大量の水分を排泄した体は、渇きを訴えていた。
「お〜、水か。 いっぱいオシッコしたもんな〜〜」
羞恥心に顔が熱くなる。
「は、はやく水を… んぐ…」
喋ろうと開いた口にぬめった感覚が割り込んできた。
お兄ちゃんの舌だ。 そしてその隙間からさらさらと唾液混じりの水分がこぼれ落ちてくる。
「あ、ん…」
もったいない。貴重な水分を、一滴も逃したくない。
そういう思いも混じって、舌を激しく絡めていく。
「水、おいしいかい?」
「うん… もっと…」
唇を合わせられるたびに口内に僅かな水が注ぎ込まれ、
自分の唾液と相手の唾液が混じった水分が、喉を滑り落ちて、渇きを癒していく。
「おにいちゃん、もっと、もっとぉ…」
舌を擦り合う快感と、水で渇きを癒す快感が混じり合い、脳髄をとろけさせていく…
「あう、はぁぁ…」
「おっと。」
がくん、と首が落ちて、お兄ちゃんの腕に支えられた。 ゆっくりと降ろされて、枕に沈む。
「疲れ、ちゃった… 眠いよ…」
無理もない。 激しく責められ、何度も絶頂した体がようやく与えられた休息に浸りきってしまった。
「そのまま寝ていいよ。 お兄ちゃんが付いててやるからな。」
「う…ん… おやすみ…お兄ちゃん…」
真っ暗のままの視界が、さらに闇に覆われていった……
…………………………って、
「なんであたしはまだ縛られたままなのよーーーー!!!!!!」
「……目が覚めて早々元気そうだね。」
「お兄ちゃん!そこにいるの!? 早く縄を解きなさいっっ!!!」
目が覚めたあたしは、自分の体がまだ拘束されたままなのを感じて激怒していた。
「つーかね、あたしはてっきり
『兄の執拗な責めに対して惨めに絶頂してしまって、
そのか弱い体と精神にに加えられた過酷な仕打ちに耐えきれず
失神するように眠りへと就いてしまった可愛い妹を、
先ほどとは裏腹に静かに介抱してくれてる優しい兄』
ってのを想像してたのに……
なんで、まだ、縛られたままで、放置されてるのよーーー!!!」
「……あれから一時間しか経ってないんだけど。 か弱い体と精神、ねぇ…」
「時間なんてどうでもいいの!!
あたしはその前からず〜〜〜〜〜〜っと縛られたままで身体イタイんだから!!
早く、縄を、解きなさーーい!!!」
「……。」
相変わらずぎゃあぎゃあとウルサイ妹だ。 一時間しか寝ていないくせに暴れまくっている。
しかし、
彼女の本質は俺に従順なマゾヒストであったりするのを、俺は知っていた。
現に先ほどのプレイでもしっかり快感を感じた末に絶頂していたし、
今からする行為でも、きっと股を濡らして悦んでしまうのだろう。
「ま〜〜〜だ〜〜〜!? 早くしてよ〜〜〜!!
早くしないと、蹴るよ!!」
……多分。
「それよりも。」
言葉を遮るように、むに と胸を掴まれた。
「う。」
「いまからお兄ちゃんとゲームしないか?」
縄で縛られたままの乳房がふにふにと優しく揉まれ、妖しい刺激を脳へと伝える。
……こういう安易な誘いに乗ってはいけない。 さっきもそうやって話を逸らされて……
「ゲ、ゲーム?」
と思いつつも相手の思惑にしっかり乗ってしまう自分が居たりする。
「そう。
ルールは簡単。 お兄ちゃんが持ってくる物をお前が当てるだけ。」
「そんなの、目隠しされたままじゃわかんないじゃん。」
「そりゃあ見たまま答えられても面白くないだろ。 だから…」
ぷにゅ
「あん…」
「ここで答えるんだよ。」
お兄ちゃんが指で触って示したのは… あたしの下の口…
「そこ、で… どうやって?」
「ここに挿れてみて、その感触で答えるんだよ。」
ここに、なにかその、変な物いろいろと入れられて… それを当てろっていう事…?
そんな、こちらが明らかに不利なゲームなんかに、乗っちゃいけない…
早く縄なんか解いて…
そう、お風呂に入らせなさいって… そういうのを、言わなきゃ……
また、犯されて、身体を色々と弄られて…………
「面白そうだろ?」
「うん…… 面白そう、だね……」
耳元で囁かれる声に、拒否しようとした意志は分散してどこかへ消え失せていた。
「そう。 きっと気持ちよくもなれるよ。」
背筋がぞくっと震えて、あたしの下の口に触れているだけのお兄ちゃんの指に
また一つ、熱い雫が伝わっていった……