Message / メッセージ
「人体は神様の作った最高の構成美」と考え制作を続けて参りました。
自然の景色や様々な事象と同じ様に、そこには神の意志が隠されているのではないか。
その意志を探るべく、もう50年以上も創造の森を彷徨って参りました。
"表現は出来るだけ平易に分り易く、しかしより深い感動を。"

 私の美術大学時代は、所謂現代美術が最も盛んな時代だったと思います。
殆どの学生がいろいろな素材で現代彫刻を作っておりました。概念芸術も沢山ありました。
美術評論家は一斉に新しい動きを取り上げ「現代美術でなければ芸術ではない!」との感が世を風靡した時代です。
しかし私はそれに対して大きな疑問がありました。

 美術の長い歴史の中で、マスコミや美術評論家が作品を紹介したのは極最近の事です。
傑作として残されたものは、一般大衆やパトロン、愛好家の目を通して認められたものだったと思います。大衆との共通言語、「分かりやすいもので無ければ残らない」と考え、具象彫刻を表現の手段と致しました。
フィレンツェのアカデミア美術館で、
ミケランジェロの足の彫刻を見ながら老彫刻家が作品と
対話しているところに居合わせた事があります。
500年前の作家と時代を共有している。
「今まで生命を持ち続けているという事は、具象彫刻は
これからも生き続けるだろう」と、その時確信致しました。
永遠の生命。私達美術家の永遠の夢です。

美は神の意志。その意志を探り当て、
そのメッセージを私なりの手段で表現したい。
モチーフは女性が多いのですが、
その優しさ、たおやかさを切り口にして、
その意志を探る旅を続けております。
アトリエにて

彫刻家

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