第3話
今日も実装デビルが街を襲う。
「ビィイィーブゥーゥッ」と 風船ラッパの様な羽音を立て、
虐待を与えた人類を呪う言葉 「Deathゥ!」を叫びながら。
絶望に震える人々、抵抗する術も無く 引き裂かれ、
灼かれ、喰われゆく様は かつての実装石達の姿を思わせた。
しかし、反逆者が現れた。
「我名は人呼んで 実装涙。」
「亡くした家族の温もり、これ以上失うわけにはいかない。
実装デビル達よ、
奪いたくば先ずこの涙を超えて行け!」
<実装石の中に人語を解し人類に味方するものあり>
この話は世界を駆け巡った。
「枯れた涙を顔に刻んだこの姿、忘るる事なかれ」
補足
・実装涙
「じっそう なみだ」と読む
・風船ラッパの様な羽音
黙示録にあるラッパを吹く天使とイナゴの大軍を
実装デビルの発生と掛けている。
この世界の人間は彼らの出現を
「神による裁きが始まったのだ」
と解釈したのではなかろうか。
・人語を解し
普通の実装石は人間の言葉を喋れない。
故に、実装涙は進化した種である。
ヒロイックで潔癖な言動
実装石とは服装も頭身も変化している。
だからといって
「悪魔が人の言葉で誘惑」
しているとも考えられ
人間が彼を信用するとは限らない。