第4話

「おい、そこのお前…そんな残飯より旨いモン喰わせてやるぜッ」

ボロをまとった実装と焼き飯屋の主人が出会ったのは
「実装デビルが世界を襲う」3年前の事である。

『テメーの焼き飯ウマいデスゥ。モット喰わせろデス』
「グゥレェイト!味の解るやつだ。何時でも来なッ」

1年目で実装石は店の仕込みを手伝う仲になっていた。

『テメー、ナンでオレに焼き飯喰わせたデスゥ?』
「…何でかな、お前の顔の傷、それで古い友人を思い出したのかもな…」

2年目、「実装石弾圧」の嵐がスラムを襲う。
[店の中の実装石を殺せ]  [店主を捕らえろ]

「連中と話して来るッオレが戻らなかったらお前が焼き飯の味を継いでくれッ
 友人との思い出の味を…」
実装は怒って
『フザケんなデス!テメーが作ってオレが食べる。
  コイツは永久不滅の絶対条件デスゥ!』
「…呆れた奴だ…オレの商売道具を預けるぜッ約束だ。
 必ず戻る!グゥレェイトぉ!」

店主は暴徒の波に消えた
 実装も消えた。
3年後、スラムを「実装デビル」から守る実装石が現れた。

『テメーが戻るマでココを守るデス!』

人々は彼をこう呼ぶ 「実装飯」と。

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補足
・実装飯
「じっそう はん」と読む。

・スラム
ココで言う「スラム」とは都会の片隅にあり、
いつかビックになろうと
日々奮闘する活気あふれた
移住者の街である。

・焼き飯
チャーハンの別称、炒飯と書けば済む話だが
「焼き飯」と書いた方が読み手に想像の幅が出るかなと。
ちなみに
ねくねくにとって「焼き飯」とはオカカ飯を炒めたものである。

グゥレイトォ!
イラストでは登場していないが正体は
「ディアッカ・エルスマン」
誰?かというと「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」の
ザフト軍所属のMSパイロットである。
それが本編の設定から抜け出し
掲示板上で独自のキャラに発展、
エプロンを着込み、鍋片手に定食屋を営み、掲示板のキャラ達との
交流で話が進む物語が展開されていた。

お話ではこの飯屋店主という設定を拝借している。

・友人との思い出の味
友人とはこれまた
「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」に登場していた
「イザーク・ジュール」の事である。
ガンダム本編では
ディアッカの友人であり上司、SEED1作目では顔に傷がある。
実装飯の顔の傷は「松本零士作品」へのオマージュであるが
当劇中ではディアッカと実装飯との繋がりを密にするため
にその 存在を臭わせている。

・「実装石弾圧」の嵐
実装デビルが本格的に暴れる前の魔女狩り的な行動を思われる。
店主はこの後行方不明に。

・永久不滅の絶対条件
「面倒だからオメーが作れ」
という強烈なメッセージ